商品番号:1526346
(税込)
【 仕入れ担当 田渕より 】
その「白」は、他の白大島とは一線を画するもの。
織の至宝、12マルキ総絣。
白大島の中でも抜群の表現力と言われる
恵大島紬織物による逸品のご紹介です。
まるみのある、白大島独特のやわらかな色彩。
アウトラインがまるで筆で描いたかのように
美しい、繊細なる手仕事の結晶。
絣の数、約330万個。まさに織の至宝でございます。
お目に留まりましたらどうぞご覧下さいませ。
【 お色柄 】
今も活発に活動している燃える薩摩の地には、何万年の歳月を経て、
地熱や火山熱の膨大な熱エネルギーによって生成された白い土があります。
「薩摩焼」の土として利用されているその土を用いるのが、白恵泥染め。
白泥を幾度も幾度もくぐった絹糸。
くぐらせる前と明らかに異なるそのしなやかさは…
「カシミアの手触り」と呼ばれるほどのもの。
他の白大島と明らかに異なるその風合いには、本当に驚きました。
薩摩の白泥をくぐった白大島はしなやかで着心地が良く、シワになりにくいそうです。
しっとりとしているのにしなやかな強さが存分に発揮されております。
単純に12マルキというだけでも相当な価値がございますのに、
恵さんの白大島の12マルキとなれば、ファン垂涎の傑作品でございます。
さらにはここまで凝ったつくりのお品、
実に細やかな名物裂を込めた縞文様。
吸い込まれそうな立体感と深みは、秀逸です。
壮麗な優美ななかに、ひときわ際立った和姿をお楽しみいただけましょう。
古来より愛されてきたお柄であり、かつモダンなセンスをも感じさせてくれる…
何ものにもかえがたい≪本物の美≫を感じ取っていただけることでしょう。
歴史と伝統の匠技はそのままに、現代の地風をも読みきる。
優れた絣技術に競演する薩摩の白泥が、素晴らしいひと品を生み出しました。
母から娘へ、大切に末永くお役立ていただくお品として…
本物を求める方に、ご堪能いただければ幸いです。
【 商品の状態 】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
洗いに出されたと見られるしつけ糸がついており、
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【 恵積五郎について 】
大島紬の双璧と呼ばれた先代・恵積五郎氏。
今は亡き都喜ヱ門と共に一世を風靡、「絣の魔術師」と呼ばれ、
その絣技術は高い評価を得ていました。
残念ながら、「恵大島紬織物」としては制作活動を終えられてしまい、
今後新たな作品が生み出されることはございません。
【 12マルキについて 】
絣の数、約330万個。まさに織の結晶。
それほどまでに高価で稀少な所以…
それはひとえに、<絣糸の多さ>と<算数(よみすう)の高さ>にございます。
まず、絣糸の多さ。
5マルキ、7マルキ、9マルキ、そして12マルキがございますが、
経糸(たていと)の総数に占める経絣(たてかすり)糸の割合が「マルキ」と呼ばれる数値になります。
7マルキの経糸の配列は、<絣糸1>に<地糸3>、の1:3。
9マルキの経糸の配列は、<絣糸1>に<地糸2>、の1:2。
経絣糸が多く入れば入るほど、経緯(たてよこ)の絣合わせは一層難しくなります。
ところが12マルキの絣の比率は、実は9マルキと全く同じです。
それなのに、なぜ12マルキが9マルキよりも細緻を極めるのか…
そこで異なるのが、<算数(よみすう)>と呼ばれるものでございます。
算数(よみすう)とは、「1cmのなかに経糸が何本あるか」を表す織物用語です。
奄美では伝統的に13算(じゅうさんよみ)で織られ、
鹿児島では伝統的に15.5算(じゅうごてんごよみ・じゅうごはん)で織られています。
13算は、1cmのあいだに経糸が26本。
15.5算は、1cmのあいだに経糸が31本。
つまり、算数(よみすう)というのは、織りの緻密さを表わす単位なのです。
算数が多ければ多いほど、布が緻密であり、上質な布である事を表わしています。
12マルキの大島紬は、この算数が、18算(じゅうはちよみ)で織られています。
18算は、1cmのあいだに経糸が実に36本。
想像してみてください。
これだけの本数を織り込むためには当然、細い糸を使わなければなりません。
糸が細ければ細いほど、織物は上質になっていきます。
そして絣糸も細くなり、カタスのT字も緻密の極みにまで至るのです。
その数、およそ330万個。
無論、究極の細かさと謳われ、熟練の匠にしか成しえません。
もちろんのこと、年間製作本数は本当に限られております。
また非常に細い糸を使用しているため、その手触りは、
7マルキ、9マルキのお品とは比べ物になりません。
実際に触れて確かめましたが、つややか系紬の代表といわれる大島でも普通は指に糸の感触がはっきりと感じられるところ、
12マルキのお品は、まるで不織布のように、
はじめから一枚の布ではないかと思えるほど滑らか。
18算に、経絣糸の多さ。
12マルキならではの、1mmにも満たない点である絣の集合で、
信じられないほどに細緻な意匠が織り描かれております。
【 大島紬について 】
経済産業大臣指定伝統的工芸品(1975年2月17日指定)
鹿児島県の奄美大島を中心に作られている織物。
世界三大織物にも数えられ、織る前に糸を染める先染、
手織りの平織、絣合わせをして織上げたものは
「本場大島紬」の名で伝統工芸品に指定されている。
しなやかで軽く、シワになりにくいという特徴がある。
手紡ぎの糸を、「テーチ木」(車輪梅)という
奄美エリアに生息する植物の煎汁液と、
鉄分を含む泥土でこげ茶色に発色させ、
手織りする伝統的技法が主だった染色方法。
藍、白、色大島などもある。
大島紬は独特の絣使い(細い点)と先染め、製法等限られた
条件の中で約84種類があり、染色別が6種類、糸の配列による
組織別14種類をかけ合わせて作る
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
◆八掛の色:墨黒色
身丈(背より) | 155cm (適応身長160cm~150cm) (4尺0寸9分) |
---|---|
裄丈 | 68.5cm(1尺8寸1分) |
袖巾 | 34.5cm(0尺9寸1分) |
袖丈 | 49cm(1尺2寸9分) |
前巾 | 24.5cm(6寸5分) |
後巾 | 30cm(7寸9分) |
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈69.5cm(1尺8寸3分) 袖巾35cm(9寸2分)
※目視での縫込みの確認による概算となります。詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン カジュアルパーティー、音楽鑑賞、観劇、お食事、お出かけなど
◆合わせる帯 洒落袋帯、名古屋帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。
この商品を見た人はこんな商品も見ています