東レシルックきもの

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郡上紬は、岐阜県郡上八幡で廃れた紬織を、新たな技法を加えて、宗廣力三氏が創始した紬です。独特のふっくらとした温かみのある風合いと、草木染による美しいぼかし模様が郡上紬の魅力です。
宗廣力三氏が開発したぼかし染の一種が「どぼんこ染」。染料液に糸を垂直に入れて、糸の繊維が染料を自然に吸い上げる力を利用した染め方です。糸を少しずつ引き上げたり、染料液を減らすことで、より美しいぼかしを作ることができます。太めの紬糸を使って、染色はヤマモモ、苅安、藍などの草木染が中心です。染めた糸を組み合わせて、絣、縞・格子で幾何学模様を表現します。高機の手織りで織り上げます。
歴史
郡上地域では古くから屑繭を利用して農家などで自家用の紬が織られていました。昭和以後になると衰退してしまいます。 宗廣力三氏(1914年～1989年)は岐阜県郡上郡（現・郡上市）八幡町出身。兵役で満州に渡ったのちに終戦で帰還後、故郷の織物の復興を志します。1947年（昭和22年）京都市染織試験場で天然染料と絣を学びます。郡上で農場を営みながら、古い縞帳や手織機から紬織を研究。インドのエリ蚕を飼育し、家蚕の手紡糸、玉糸に一部エリ蚕を使うなど糸の研究を行いました。1953年（昭和28年）に「郡上工芸研究所」を開設。研究生の育成にあたりながら、精力的に作品を制作し、個展や工芸展等で発表します。永年にわたる努力と作品が高く評価されて、1982年（昭和57年）「紬縞織・織」で、国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。
1980年（昭和55年）、健康上の理由から神奈川県南足柄市に移り、「南足柄工芸研究室」を開設し、75歳で亡くなるまで、織物制作と研究生の育成に尽力しました。
郡上の工房と郡上紬の名称はご子息の宗廣陽介氏が継承していましたが、現在は閉業し、生産は中止されました。新たな郡上紬は作られなくなりましたが、力三氏、陽介氏の教えは、同氏の工房で学んだたくさんの染織作家に引き継がれています。
郡上紬の着物は、草木染の縞や絣の美しい色柄を自由に楽しみましょう。パーティ、食事会、観劇、お洒落をしたいシーン、カジュアルなお出掛けなどにおすすめです。
京都きもの市場では、幅広いラインナップで郡上紬を取り扱っております。
ご予算やお好みに応じたご提案をいたします。
また、イメージに合った郡上紬の作品をお探ししてご提案することも可能です。
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