商品番号:1545701
(税込)
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【 仕入れ担当 中村より 】
しゃりっとした地風に軽やかな着心地が
魅力的な夏塩沢のお着物のご紹介です。
国の伝統的工芸品に指定される塩沢紬や
本塩沢などの技術を応用して生み出された夏塩沢。
特に人気の高いベタ亀甲のお品が入荷しました。
いまでは欲しいと思っても手に入るお品ではございません。
今回は御仕立て上がりのこぎん刺し科布八寸とのコーディネートセットをご紹介。
年々希少になりつつありますのでどうぞお見逃しなくお願い致します。
【 お色柄 】
[着物]
空蝉のようなおだやかな透け感と程よいシャリ感のある
穏やかなこげ茶色地に、
白色の亀甲絣が一面に
織りだされております。
[帯]
山里の暮らしの中で受け継がれてきた伝統と、
根気のいる作業を経て生み出される素朴な風合いの布には、
力強い生命感が溢れています。
今作は、科の自然なお色味をベースにして
お太鼓に青色の綿糸を用いて「つがるこぎん」の刺し子刺繍を施しました。
「絹科布」や「科布風」のお品とは、もちろんのこと風合いが全く異なります。
あふれだすような生命力を感じとっていただけることでしょう。
【 商品の状態 】
帯は中古品として仕入れてまいりましたが、
大切に保存されていたのでしょう、美品でございます!
お手元で現品を確認の上、お値打ちにお召しくださいませ!
【 科布について 】
シナノキ(科の木)の樹皮を細かく裂いて績まれる科糸。
それを用いて織り上げた布が「科布」です。
その歴史は縄文・弥生時代にまでさかのぼり、
9・10・13世紀には文献にも登場、かつてはかなりの量が生産され、
衣類として需要があったものと考えられております。
山間の村々で織られていた科布。
大麻布や苧麻布の普及によって織り上げ数が少なくなり、
江戸時代に木綿栽培が始まるとより一層生産地が減少、
さらに第一次世界大戦後には風前の灯火、
もはや新潟県と山形県の一部にしか残らなくなりました。
その織り上げは、一年がかり。
木を切り、皮をはぎ、水につけ、煮る、洗う、裂く、績む、撚りをかける、織る。
20以上の工程を経て、はじめて布になります。
丹精込めた手仕事で作られますので、大変希少価値の高い織物と言えましょう。
市場にもほとんど出回りません。
その特徴は、ざっくりとした素朴な手触り、自然な色合い。
大変軽くて通気性に優れ、水に強く、陽射しによる変色の心配もございません。
使い込むほどに木肌の艶がでてまいります。
その強靱さ、耐水性、通気性、織り目の美しさと素朴さ。
人の心の通ったあたたかさは、現代の人々の感性に訴えるものがございます。
≪科糸織帯の取り扱い≫
科の木の芯皮を糸に紡いで原料にしており、自然の樹木の香りがいたします。
また、織機が明治以前のいざり機なので、織る時に
タテ糸・ヨコ糸ともに水に濡らして織りますので、耳巾が不揃いになります。
このように原始的な織布ですから独特な自然の風合いと色彩になり貴重な商品です。
お召しの際には、乾燥しておりますと硬い風合いになる場合がありますので、
前の日に霧吹きをして掛けておきますと柔らかくなります。
ご使用後も同じように霧吹きして掛けてからシワを延ばして陰干ししてください。
【 つがるこぎんについて 】
こぎん刺しの発祥は、青森・津軽の寒い地方です。
お百姓さんが麻の着物しか着用を許されなかった江戸時代。
寒さをしのぐために麻の生地に、木綿の糸で刺し子をあしらい、
保温と補強にしたことが始まりといわれております。
現在では、その刺し子の美しさは、伝統工芸のアートとして愛されております。
【 夏塩沢について 】
産地:新潟県南魚沼市
麻織物の衰退からその技術を生かした絹織物による
夏物が望まれ、およそ100年ほど前の明治時代に誕生した。
経緯の糸に駒撚り(撚り糸2本以上を組み合わせ、
反対方向に撚り上げた糸)といわれる強撚糸を
使用した先染の平織の織物。
夏塩沢は駒撚り糸の中でも三子糸(みこいと)を
用いる事で、糸の断面がやや丸く、二子糸を用いる
夏大島に比べ、おさえたシャリ感と肌へのあたりが
より柔らかくなっている。
【 本塩沢(塩沢お召し) について 】
産地:新潟県南魚沼市
経済産業大臣指定伝統的工芸品(1976年12月15日指定)
本塩沢の証紙は塩沢織物工業組合(現加盟織元9社)
によって管理される。
・技術又は技法
一、先染の平織
一、たて糸の絣と、よこ糸の絣とを手作業により
柄合せし、絣模様を織り出す
一、地糸に使用するよこ糸は、米糊、蕨糊、布糊を用いる事
「のり付け」をした後「追ねん」をする事
一、絣糸の染色法は「手括り」・「手摺り込み」
「板締め」又は「型紙捺染」による事
一、シボ出しは「湯もみ」による事
本塩沢は、越後上布・塩沢紬・夏塩沢と共に
塩沢産地の代表的な伝統織物。
起源は寛文年間(1661年~72年)に堀次郎将俊による
強撚糸を用いた“シボ”のある強撚織物の考案、
近郷の婦女子に伝えた事が始まりとされる。
越後に伝わった縮織(明石ちぢみ)の手法を取り入れた
小千谷縮をもとに、その技術を絹に展開、さらに結城紬や
西陣お召の技術も吸収しながら現在に至るハイブリッドな織物。
右に撚った糸(S撚り)と左に撚った糸(Z撚り)を
交互に組合せ、湯もみすることによりシボが生まれる。
強く撚られた糸が戻ろうとする力が独自の凹凸を生み出している。
凹凸は肌への接触面積を減らし、さらっとした感触となるため
単衣の時期により好まれる。
[着物]
絹:100%
長さ12.3m 内巾36cm(最大裄68cm前後まで)
※素材の性質上、フシによる凹凸組織の変化、色の濃淡などございます。
風合いであって難ではございませんので、その点ご了承くださいませ。
[帯]
科糸100% 長さ3.6m(仕立て上がり)
◇お太鼓柄
◆最適な着用時期 7月、8月の盛夏の時期
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、ご友人との気軽なお食事、街歩き など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
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