【 仕入れ担当 中村より 】
織物通の夏の憧れ…越後上布。
その希少性は、ご説明申し上げるまでもないことでしょう。
ましてや林宗平のお品はここ室町でも本当に数えるほどしかございません。
1955年に小千谷縮とともに国の重要無形文化財第一号に指定された越後上布は、
2009年さらに、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
織のお着物通ならばご存知、越後六日町・林宗平氏の
『林宗平工房』より
重文指定を受けたものと比べて
お値打ちにお届けが可能なタテ糸にラミー(機紡糸)を用いたお品のご紹介でございます。
重要無形文化財指定は受けられませんが、その風合いはほとんど変わりなく、
シャリ感や風通しの良さはそのままでお召し頂ける一枚です。
三代目林秀和氏の手掛けた希少な逸品。
秀和氏は宗平氏のお孫さんでございます。
夏らしい爽やかな色彩をご堪能いただける一枚。
今回は、【城間栄順】氏の小千谷縮地を用いた琉球紅型九寸帯とのコーディネートセットをご紹介。
どうぞこの機会に最高級の夏の装いをご堪能くださいませ。
【 お色柄】
[着物]
銘「夏の風」
麻の素材感ある生地は、爽やかに夏を楽しんでいただけるナチュラルな白色。
黄色の縞模様が浮かぶその麻地には、
葡萄色の十字絣、風車模様の絣が表現されております。
[帯]
シボ感の豊かな涼し気な小千谷ちぢみ地。
その帯地は清雅な白を基調にして、
「トントンミー」と銘打たれた栄順氏らしい海の意匠を表現しました。
トントンミーとは琉球の方言でミナミトビハゼのこと。
沖縄を愛する栄順氏らしいデザインです。
【 越後上布について 】
重要無形文化財に指定される越後上布には、以下が定義付られております。
1 すべて苧麻を手うみした糸を使用すること。
2 絣模様を付ける場合は、手くびりによること。
3 いざり機で織ること。
4 しぼとりをする場合は、湯もみ、足ぶみによること。
5 さらしは、雪ざらしによること。
本品は絣模様は無いため2に当てはまらない、
重要無形文化財指定技術使用の御品でございます。
麻織物の最高級品として名高い越後上布。
1955年に国の重要無形文化財第一号に指定された越後上布は、
2009年さらに、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
歴史は古く、飛鳥・天平時代までさかのぼるといいます。
麻は乾燥すると切れやすい性質を持ちますが、冬でも湿度が高い豪雪地であり、
雪に閉ざされても室内で仕事ができることから、越後で発展したそうです。
やがて上質の麻布を示す上布の名でよばれて有名になりました。
糸はまず苧麻を爪で裂き、口に含みながら撚りつないでいきますが、
細く均一な糸を績むのに3ヶ月以上。
細くてデリケートな麻糸は高機に掛けられず、
昔ながらのいざり機で手織りをして3ヶ月以上かかるといいます。
織りあがった布は雪に晒すことで白はより白く、色柄も冴えてきます。
昔の越後地方では、薄手で上質の上布が織れるかどうかが、
一家の経済に大きく影響したといいます。
半年近く雪に閉ざされる中で…
延々と続く細かな作業の繰り返しで丹精こめて織りあげられる上布には、
素朴な中にも凛とした素朴な美しさがあります。
【 林宗平工房について 】
雪深い越後の里・塩沢の産地である魚沼郡六日町にて、
越後上布、塩沢紬、本塩沢を製織する、二代つづく名門の工房でございます。
先代の日本工芸会会員の林宗平氏といえば、その作品が美術館に所蔵されるほど。
長年、越後で品質の良い草木染の紬や、重要無形文化財である
越後上布などを作り続けられており、経糸、緯糸も草木染めの
手つむぎの真綿糸を使い手織りで丹念に織り上げられた
『越後古代紬』は、越後上布の織手として有名な林宗平氏が始められた、
代表的な紬です。
[着物]
麻100%(経糸:ラミー糸 緯糸:手積み苧麻)
長さ約13.3m 内巾約38.5cm(裄最長約73cm)
[帯]
麻100% 長さ3.6~3.7m(お仕立て上り時)
白生地には、吉新織物の特撰小千谷ちぢみ地を用いております。
※おすすめ帯芯:突起毛綿芯かメッシュ芯
◇六通柄
◆最適な着用時期 盛夏(6月末~9月上旬)
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 音楽鑑賞、観劇、行楽、お食事会、お出かけ、趣味のお集まりなど
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立て料金はこちら
特殊地入れ11,000円+麻衿裏6,600円+海外手縫い仕立て28,600円(全て税込)
・ポリエステル糸でのお仕立てとなります。
絹糸での縫製ご希望の場合は、その旨必ずご指示下さい。
※国内手縫い仕立て+17,600円(税込)
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