商品番号:1529940
(税込)
【仕入担当 竹中より】
【 喜如嘉(きじょか)の芭蕉布 】。
琉球の染織作品の中、とくに自然布の中で、
最も有名なるものでございましょう…
大自然をそのまま布にしたかのような…
恵みの布に、ざっくりとした味わい。
織物通最後の憧れ、中でも人気のアササ(蝉)柄を
リサイクル品とはいえ破格にてご紹介させていただきます
御目に留まりました是非お見逃しなく!
【商品の状態】
リサイクル仕立てあがり品として仕入れましたが
しめあともわずかな おおむね美品でございます
【お色柄】
若夏がなれば 心うかされて でかよ真肌苧よ 引きやり遊ば…
(若夏の季節になると心がうきだって、じっとしていられない、
さあ、乙女の柔肌のような芭蕉苧から糸をひいて遊ぼう)
琉球の美しい風と、やさしい大地。
そこに育まれ生まれた織物、芭蕉布。
芭蕉布の大きな特徴は、
麻より繊維が堅いため軽く張りがあり風通しが非常に良く、
衣類が肌にまとわり付くこと無く、一層さらりとした肌触りがあることです。
猛暑で夏の長い、亜熱帯気候の沖縄に最適な織物として、
王族から農民にいたるまで夏の衣類として広く愛用されていました。
また近世から第二次大戦まで、農村では屋敷の裏庭や畑に糸芭蕉を栽培し、
自給自足の生産体制が続いておりました。
しかし、かの大戦により…
芭蕉布は、造る人も材料も廃れ、途絶える寸前に。
その芭蕉布を復興させ、伝統の技術と美を今に伝えてくださったのが、
今年で白寿を迎えられた平良敏子氏でございます。
柳宗悦の『芭蕉布物語』に感銘を受けた平良氏は、
倉敷で大原総一郎・外村吉之介両氏に激励されながら、
倉敷で学んだ織りの知識を活かし、さまざまな技術改良を加えて、
芭蕉布を「重要無形文化財」にまで復興させました。
一枚の芭蕉布ができあがるまでには、
気が遠くなるほどの工程を経なければなりません。
それは、原木を栽培することから始まります。
野生のものでは硬くて使用できないので、
繊維を柔らかくするための工夫をしながら育てるのです。
そこから、皮を剥ぎ、木灰汁で煮、しごいて不純物を取り除き、水に浸し、
用途に合わせた細さに裂き、結び繋げる…
これでようやく糸ができます。
簡単なようですが、大変な労力と時間が必要で、重要な工程です。
それから撚りをかけ、整経。染色用や絣用でそれぞれ異なる処理をし、
やっと織る作業へと入ります。
乾燥に弱い芭蕉が切れないように、絶えず湿気を与えながら織ります。
5、6月の梅雨の時期が最適だそうです。
最後に織り上がった反を木灰汁で炊き、洗濯をして仕上げます。
ここまでしてやっと一枚の布が織り上がるのですから、
芭蕉布の希少性をわかって頂けるのではないでしょうか。
その手触りは例えようがございません。
心地良いシャリ感に、自然の恵みを感じる節の感触…
まさしく命を織り込んだ至極の布といえるましょう。
全て手結い、手織りで作られております。
いつかは芭蕉布をとお考えの方、
本物の芭蕉布をお探しの方に持っていただきたく存じます。
どうかこの機会をお見逃しなくお願いいたします。
【 平良敏子 プロフィール 】
昭和21年 岡山県倉敷市で外村吉之氏に師事し、翌年から喜如嘉で芭蕉布織を始める
昭和38年 芭蕉布織物工房を設立
昭和55年 黄綬褒章受賞
平成 4年 勲五等宝冠賞受賞
平成12年 重要無形文化財「芭蕉布」保持者、人間国宝に認定
【 芭蕉布について 】
喜如嘉の芭蕉布
文部科学大臣指定重要無形文化財(1974年4月20日指定)
経済産業大臣指定伝統的工芸品(1988年6月9日指定)
糸芭蕉から採取した繊維を使って織られた布。
日本の別名は「蕉紗」。
沖縄手織りの中でも最古の1つと言われており、
その名の通り植物の糸芭蕉を原料として
織り上げられ、沖縄本島の北部に位置する
大宜味 (おおぎみ) 村の喜如嘉 (きじょか)が
主な産地である。
1972年、沖縄が日本に復帰すると同時に、
芭蕉布は県の無形文化財に指定され、かの平良敏子氏が
その保持者としての認定をうけた。
1974年には大宜味村喜如嘉の芭蕉布が
国の重要無形文化財に指定された。
糸芭蕉の繊維は麻より繊維が堅いため軽く張りがあり、
風通しが非常に良く、衣類が肌にまとわり付くこと無く、
一層さらりとした肌触りとなるため、猛暑で夏の長い、
亜熱帯気候の沖縄に最適な織物である。
芭蕉布の原料となる糸芭蕉は、3年ほどかけて
人の背丈を超える大きさになったところで
やっと採取可能な状態となり、1本の糸芭蕉から
20グラム程度という極僅かな採取量である。
1反の布を織るには200本の糸芭蕉が必要とされる。
績み芭蕉糸100% 長さ3.72m
染料:琉球藍・車輪梅・相思樹・福木・マンゴー・茜
お柄付:六通柄
沖縄県織物検査済之証、
喜如嘉の芭蕉布保存会・喜如嘉芭蕉布事業共同組合の割り印
◆最適な着用時期 6月下旬~9月上旬の盛夏
◆店長おすすめ着用年齢 ご年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、観劇、おでかけ、お食事など
◆あわせるお着物 上布、夏の織のお着物
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワがついております。この点をご了解くださいませ。
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