【 仕入れ担当 田渕より 】
草木染め、手織でしかなしえない、素朴な美しさ、そのぬくもり。
本当に良きものは、かくもさりげなく、
それでいて人をひきつけてならない魅力がございます。
幻の織「吉野間道」を現代に生み出し続ける名匠、藤山千春氏。
氏による草木染手織りの逸品をご紹介致します。
シンプルながらも内からにじみでる力強い生命力を感じるひと品。
お仕立て上がりとなると本当に、本当に数がございません…
各所に足を運び続けやっとの思いで仕入れて参りました。
お目に留まりましたら、この機会にどうぞご検討頂けましたら幸いです。
【 お色柄 】
しなやかでハリを感じさせる帯地は
白茶色と紅藤色の濃淡をベースに織りなして。
その地に、横段状に浮かびあがる、吉野間道模様。
草木染めにて本当に品よく、
それでいて自然の生命力を感じ、
温かみのあるお色であらわされております。
遠目にはすーっと地に馴染んでいるように見えて…
近づくと、本当に一言で言い表わすことが難しいほど、
絶妙な彩りで、細密細緻に織り上げられております。
絶妙のバランスで用いられた吉野格子の粋。
平面の織の中に、ふっと立体的に盛り上がるような造形美。
まさに幻の吉野間道を現代に蘇らせた、
草木の色彩と組織の調和美を、存分にお楽しみいただける仕上がりです。
【 商品の状態 】
未着用の新古品として仕入れてまいりました。
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【 藤山千春について 】
1944年に東京都品川区生まれ。
親戚が八丈島で機織りの仕事をしていたため織物が身近な存在となっており、
18歳で東京の女子美術大学工芸科に進学、主席で卒業後、
染織家・柳悦孝に2年間師事し、吉野間道と出会われました。
独立後は独自の感性を磨き、芸術性の高い吉野間道を創作されています。
現在は宿場町として栄えた品川の地に工房を構えており、
作品に使用する草木は八丈島の親戚から送ってもらう島の植物や、
工房の庭で採取した草木を使用されています。
氏が織る作品は非常に人気があり、創作点数が極めて少ないため、
きもの専門のお仕事をされている方などが織り上がりを待ち、
問屋も在庫として保管しているところは多くはございません。
【 吉野間道について 】
『吉野間道』は、寛永三名妓とうたわれた吉野太夫に、
京都の豪商灰屋紹益が送ったと言われる織物。
なるほど、愛情を感じずにはいられない、その風情。
浮き織を太縞細縞に打ち込み、独特な風合いを持ちます。
かの名茶人・松平不昧もこれを好み、
自らその写しを中国に注文したと伝えられております。
【 藤山千春について 】
染織作家
品川区伝統工芸保存会会員
母方の親戚が八丈島で機織りの仕事をしており、
幼少の頃より織物は身近な存在であった。
18歳で東京の女子美術大学工芸科に進学。
主席で卒業後、後に女子美術大学学長を務める
染織家・柳悦孝(やなぎよしたか)の元に2年間師事。
柳悦孝の元で染織技法やデザイン案についての
ノウハウを学び、独立。
柳の元で吉野間道に出会い、独自の感性を磨き
芸術性の高い吉野間道を創作している。
自宅の庭で育てた草木や八丈の親戚に送ってもらう
島の植物を用いた草木由来の染料で表現する絶妙な
グラデーションと今までの着物にない鮮やかな
色の組み合わせが作品の特徴。
【 経歴 】
1944年 東京都品川区生まれ
幼少の頃より母方の実家の八丈島で織物に触れて育つ
1968年 女子美術大学付属高校卒業
1971年 女子美術大学工芸科卒業
1975年 柳 悦孝先生(後の女子美術大学学長)に師事
1978年 品川区大井町(現在の作業場)で染織業を始める
国画展、日本伝統工芸展に出展
絹100%
長さ約3.65m
お太鼓柄
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、観劇、お食事、お出かけ、カジュアルパーティーなど
◆あわせる着物 色無地、小紋、織の着物など
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワがついております。この点をご了解くださいませ。
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