商品番号:1554777
【 仕入れ担当 中村より 】
織物通の夏の憧れ…越後上布。
その希少性は、ご説明申し上げるまでもないことでしょう。
重要無形文化財指定の越後上布とは経糸こそ違うものの、
「原久史」氏が手掛けた作品ですので、その品質にはぜひご安心頂ければと存じます。
昔ながらの製法にこだわり、糸づくりから長い時間をかけて制作された一枚。
単純な十字絣を合わせて、ただひたすらに織っていく…。
糸づくりから考えて、手括りによる絣、そして織りに至るまで、
どれだけの時間がかけられたのでしょう…。
今回は年々希少になっている八重山上布を生地に用いて、
玉那覇有勝氏が意匠を染め上げた傑作九寸とのコーディネートセットをご紹介。
夏の和姿にこれ以上のものはございません!
心からおすすめさせていただきますので
ぜひこの機会にご検討下さい!
【 色・柄 】
[着物] 商品番号1548140
上布ならではの織りひとつひとつの風合い…
素材そのものの訴えてくるような力強さ。
麻の素材感ある黒色の地の中に、経糸と緯糸に白を込めて、
ざっくりとした風合いで繊細な「蚊絣」の模様を表現いたしました。
夏の織りの着物は、手織りのものですと本当に力のあるものばかりです。
合わせる帯も、このクラスのもので贅沢をお楽しみいただければと思います。
古代越後上布はタテ糸にラミー(機紡糸)を用いており
指定条件からのみ外れるために
重要無形文化財指定を受けられないお品です。
重要無形文化財指定は受けられませんが、
シャリ感や風通しの良さはそのままでお召し頂ける一枚です。
[帯] 商品番号1545264
帯地に用いたのは、涼し気な八重山上布の生地。
生成りがかった白の麻地には、水面に草花のお柄を表しました。
一つ一つの彩りが際立つ、ハイクラスの紅型帯です。
【 八重山上布について 】
文部科学大臣指定重要無形文化財(2024年7月19日指定)
経済産業大臣指定伝統的工芸品(1989年4月11日指定)
沖縄県指定伝統工芸品(1974年6月11日指定)
沖縄県指定無形文化財(1978年指定)
沖縄県八重山郡周辺で作られている織物。
苧麻(ちょま/からむし)の手紡ぎ糸を使って織られ、
古くは琉球王朝時代に貢布としても利用された。
沖縄地方の織り物の中で唯一「刷込捺染技法」
を用いて作られる織物。
八重山の自然から得られるヤマイモ科の「紅露」(クール)
などの草木を主染料に、苧麻から作られる繊維を染めあげ
織り上げる。織り上げられた後、八重山地方の強い
日差しのもとで日晒しを行うことで色合いに深みをもたせ、
さらに海水につけることで地色が白く晒され絣模様がより
鮮やかになる。
苧麻から1反の着尺を織るための糸づくりには経糸約50日、
緯糸約40日程度かかる。非常に根気のいる作業であるため、
近年ではラミー糸(手紡ぎではない苧麻の糸)を経糸に
使用したものも増加している。
【 玉那覇有勝について 】
玉那覇有勝(たまなは ゆうしょう)氏は、1968年、沖縄県石垣島で生まれ、2001年に玉那覇工房に入られました。
祖父にあたる城間氏の作品にも触れながら、紅型の世界で人間国宝である父・有公を師に持ち、
これからの沖縄県伝統工芸を担う一人として活躍されております。
【 琉球紅型について 】
経済大臣指定伝統的工芸品(1984年5月31日指定)
早くは13世紀から起源を持つと言われる、
独自の染技で育まれてきた沖縄の染物の総称。
鮮明な色彩、大胆な配色、図形の素朴さが特徴。
「紅型(びんがた)」の呼称は昭和に入ってからで
それまでは「型附(カタチキ)」と呼ばれた。
階級によって使用できる色と模様が異なり、黄色地は
王族以外は使用不可、図柄が大きく肩と裾に模様がある
二段肩付は王族を示す柄である。
大部分は首里で作られ、知念・沢岻・城間の三家が
御用紅型師であった。
琉球紅型には下記の種類がある
紅型:「琉球びんがた」のビンは「色彩」の意があり、
白地紅型、染地紅型、返し型、朧型、手附紅に分類される。
これらは型附(カタチキ)と呼ばれる糊置防染手法による
型染めで、型紙を当てて生地に糊を塗り、そのあとで
取り去った型紙の模様の部分に色を差す染め方で、
さらに地染めが施されるものもある。
藍型:藍の濃淡や墨で染められた紅型。
えーがたと呼ばれ、白地藍型、黒花出し、白花出し、
浅地花取り、藍朧(えーうぶるー)などに分類される。
型紙は染地(線彫り)型を使う。
濃藍から各種の藍の変化と地の白とで、大きめの模様で表現する。
筒描き:糊引(ヌイビチ)と呼ばれ、紙を使用せずに
防染糊を入れた円錐状の糊袋の先から糊を絞り出しながら
生地に模様を描き、そのあとで模様の部分に色を差す方法。
技法的にも難しく、均一に絞り出すために布面に垂直に置き、
進行方向に傾けながら一気に線を引かなければならない。
【 重要無形文化財 越後上布 について 】
産地:新潟県魚沼地方
重要無形文化財総合指定第1号
ユネスコ世界無形文化遺産指定
現在では新潟県南魚沼市、小千谷市を中心に生産される
苧麻(ちょま、からむし)を原料とする織物
新潟県魚沼地方では、湿度の高い雪国の自然環境、
風土が麻織物の生産に適していたため、古来より
農閑期の冬仕事として、受け継がれており、
その歴史は非常に古く、1200年前の奈良時代
天平年間に織られた麻布が正倉院の宝物として
保存されている。
江戸時代には幕府御用となり、天明から文化期の
最盛期には 年間20万反もの生産高に及ぶ
一大産業であった。
明治時代以降は近代化とともに工業化が進み
古来からの 形態で生産される製品が激減。
貴重な技術を絶やさぬため、小千谷と塩沢の
両産地によって技術保存協会が設立。
後、1955年(昭和30年)5月12日に
国の重要無形文化財総合指定第1号に指定された。
また、2009年(平成21年)9月30日に、
ユネスコ(国際連合教育科学文化 機関)の
無形文化遺産に登録。
日本の染織技術としては第一号となる。
越後上布の素材である糸は、まず苧殻を抜き、
上布の原料となる皮の肉質をそぎ落として
繊維だけを取り、それを爪と指先で裂いて
より合わせてつくる。
緯糸は一反分を仕上げるのに約3ヶ月、
経糸は7ヶ月かかる。
糸作りのできる職人が減り、現在重要無形文化財の
認定を受ける「越後上布」の年間生産反数は
ごくわずかとなった。
越後上布・小千谷縮布の重要無形文化財指定要件は下記
一、すべて苧麻を手績みした糸を使用すること
一、絣模様をつける場合は手くびりによること
一、いざり機で織ること
一、しぼとりをする場合は湯もみ、足ぶみによること
一、さらしは雪晒しによること
[着物]
麻100%(経糸:ラミー糸 緯糸:手積み苧麻)
長さ約12.5m 内巾39cm(裄丈74cmまで 肩巾袖巾37cm)
[帯]
麻100% 長さ3.6~3.7m(お仕立て上がり時)
※おすすめ帯芯:突起毛芯 ◇六通柄
◆最適な着用時期 7月・8月(盛夏)
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません。
◆着用シーン 街着、お食事、ショッピング、行楽などのカジュアルシーンに。
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立て料金はこちら
特殊地入れ11,000円+麻衿裏6,600円+海外手縫い仕立て28,600円(全て税込)
・ポリエステル糸でのお仕立てとなります。
絹糸での縫製ご希望の場合は、その旨必ずご指示下さい。
※国内手縫い仕立て+17,600円(税込)