商品番号:1550024
(税込)
【 仕入れ担当 田渕より 】
南の島の陽光と風、そして人の手が育む織の芸術。
宮古上布の名匠・仲宗根みちこ氏による、
貴重な九寸名古屋帯のご紹介です。
苧麻を細く績み、透けるような地布へと織り上げるには、並ならぬ時間と根気が必要です。
さらに絣の絵緯を自在に操り織り成された文様は、
まるで市松の影が陽に揺れるかのよう。
素朴でありながら洗練されたたたずまいは、氏ならではの感性と技術の結晶です。
今ではほとんど目にすることのない、作家物の宮古上布。
希少なこの機会をお見逃しなきようお願いいたします。
【 お色柄 】
いわゆる宮古のカーボン紙のような薄さというよりは、
やや地厚な、味わい豊かな地風。
自然布ならではの生成りに、格子のような市松文が浮かび上がります。
繊細な絣目の揺らぎや節のある風合いが、光を受けてきらめくような美しさ。
透明感と渋みを兼ね備えた、夏の名品です。
涼やかな着姿を演出する宮古上布の帯。
無地感や飛び柄の夏着物、あるいは絽の江戸小紋などに添えれば、静かな個性が際立ちます。
仲宗根みちこ作という銘も、着物通にとっては語らずとも伝わる誇り。
夏の一等席にふさわしい逸品です。
【 商品の状態 】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【 宮古上布について 】
経済産業大臣指定伝統的工芸品(1975年2月17日指定)
文部科学大臣指定重要無形文化財(1978年4月26日指定)
2003年には宮古上布の原料となる苧麻糸の製造技術である
「苧麻糸手績み」が国の選定保存技術に選定された。
沖縄県宮古島市の宮古島で生産される、イラクサ科の
多年草である苧麻(ちょま:標準和名はカラムシ)の
茎の表皮の繊維から作った糸を主原料とする麻織物。
手績みの苧麻糸を経緯に用い、高機で製織される。
風当たりのない陽当たりの良い場所に植え、
有機肥料のみを与えて育てた苧麻を茎の根元からから刈り、
表皮を剥いで表皮の裏側にアワビの貝殻(ミミ貝)を
当ててしごいて繊維のみを採取。
採取した苧麻の繊維(生ブー)を指や爪で細く裂き、
結び目をつくらずに指先で撚りつなぐ手績みによって
経緯の糸を得る。
経糸は2本撚り、緯糸は1本撚りでそれぞれ専門化されており、
撚りつないだ糸は10算(ヨミ)くらいになると(長さにして
6000m)糸車で撚りかけをして仕上げる。
着尺1反分に必要となる糸は50算で、経、緯それぞれ
専門の績み手が1人で績むと半年を要する。
「東の越後、西の宮古」と呼ばれ、日本を代表する
上布である。
宮古上布の発祥は苧麻の原料に染色を施し、長さ11.4m、
幅40cm、19ヨミの綾錆布と呼ばれる細目布で大名縞の
紺細上布であった。
後に、この麻織物と同じ技術で織り上げた織物を
宮古上布と呼び、以後二十数年間琉球王府へ献上された。
大正時代には高機等の大島紬の技術も導入され、
この時代に宮古上布は歴代で最高の技術を誇る。
その生産が第二次世界大戦により一時中断されたものの、
1948年には再開。戦後の生産量は1952年の2064反をピークに
減少を続け、2002年には10反にまで落ちこんだが、2006年には
約20反まで回復した。
現在の宮古上布は年間生産反数約20反で組合員は92名(H21年9月時点)
2000年に宮古織物事業協同組合が新規格を設け、これまでの
十字絣紺上布だけでなく草木染や太い苧麻糸を使った帯地なども
宮古上布に加え、組合において検査を実施し検査証の添付を行っている。
芋麻100%
長さ約3.7m
全通柄
※裏地付き開き仕立て
◆最適な着用時期 盛夏(6月末~9月上旬)
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、観劇、お食事、お出かけなど
◆あわせる着物 色無地、小紋、織の着物
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワがついております。この点をご了解くださいませ。
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