商品番号:1527178
(税込)
【 仕入れ担当 田渕より 】
今はなき大島紬の名門、恵大島紬織物。
大島紬好きなら誰もがご存知の名門が、かつてない素晴らしいお品を生み出されておりました。
古き良きかつての時代のように、職人さんが身を粉にして技を競うような、
また見る者がほれぼれするような、まさに美術品とも呼べる作品は、
今となっては、本当に数えるほどしかございません。
本品は、そういった利潤追求というよりも、
あくまでも美術作品として、大島紬本来の技術を存分に用い、
ただただひたすらに、良きものをと願う心によって創作されたお品でございます。
有色総絣、これだけでもいま現在、
希少であるのにも関わらず、本品はお柄が上を向く一方付でございます。
また衽・衿部分も変わっておりますので、
この1点で三反分が使用され絵羽にされたのだと思われます。
その技法につきましては、下部に説明させていただいておりますので興味のある方はご覧くださいませ。
本当に、一代で終わらせてはもったいない、
次世代へと受け継いでいっていただきたい逸品となりました。
前置きが長くなってしまいましたが、
ぜひこの1点、しかとご覧下さいませ。
【 お色柄 】
ご覧いただければひと目でその美しい絣がおわかりいただけることでしょう。
これがすべて人の手によるものだというのだから驚きです。
こっくりと深い黒色地には見事な情景美が織りなされました。
一体何色使用されているのか…。
そしてどれだけの時間がかけられたのか…。
想像もつかない、気の遠くなるような時間をかけて製作されたお品でございます。
いついつまでも飽きの来ない表情と、文字では表現しきれないその奥行きを、
是非お手元でご実感いただきたく思います。
日本の染織の歴史が忍ばれるような素晴らしい出来栄えの作品を、
どうぞ末永くご愛用下さいませ。
【 恵積五郎について 】
大島紬の双璧と呼ばれた先代・恵積五郎氏。
今は亡き都喜ヱ門と共に一世を風靡、「絣の魔術師」と呼ばれ、
その絣技術は高い評価を得ていました。
残念ながら、「恵大島紬織物」としては制作活動を終えられてしまい、
今後新たな作品が生み出されることはございません。
【 本品の技法について 】
≪総絣≫
大島紬は明治後期に永江伊栄温(いえおん)翁により締機が完成されました。
締機(しめばた)によって造られる緻密な絣糸と無地糸を交互に織り込み、
十字絣を形成し柄出しを行うのが普通ですが、本品では、
柄を際立たせるため無地糸を用いず、全て絣糸だけで柄出しされております。
また有色大島では絣部分にあたる木綿糸で締められている部分に染色をすることでその豊かな表情を生み出している。
本品では、絣部分だけでなく地糸に当たる部分まで絣糸であるため、
通常の摺り込みにおける工程の数倍の手間がかかります。
絣の緻密さと相まって、華やぎ溢れる意匠となっております。
大島紬のお柄付は小さな絣の集合が一つの柄となって現れてきます。
その技法故に点対称にならざるを得ない大島紬ですが、
本品では締機において特殊な技法を用いることによって、
すべてのお柄が上を向く一方付けという大変手間暇のかかったお品でございます。
【 大島紬について 】
経済産業大臣指定伝統的工芸品(1975年2月17日指定)
鹿児島県の奄美大島を中心に作られている織物。
世界三大織物にも数えられ、織る前に糸を染める先染、
手織りの平織、絣合わせをして織上げたものは
「本場大島紬」の名で伝統工芸品に指定されている。
しなやかで軽く、シワになりにくいという特徴がある。
手紡ぎの糸を、「テーチ木」(車輪梅)という
奄美エリアに生息する植物の煎汁液と、
鉄分を含む泥土でこげ茶色に発色させ、
手織りする伝統的技法が主だった染色方法。
藍、白、色大島などもある。
大島紬は独特の絣使い(細い点)と先染め、製法等限られた
条件の中で約84種類があり、染色別が6種類、糸の配列による
組織別14種類をかけ合わせて作る
絹100%
たちきり身丈約175cm 内巾38cm (最長裄丈約72cmまで 最長袖巾肩巾36cmまで)
◆最適な着用時期 袷・単衣 <盛夏以外(6月末~9月上旬以外)>
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン パーティー、芸術鑑賞、観劇、お食事、行楽など
◆あわせる帯 洒落袋帯、九寸名古屋帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立て料金はこちら
[ 袷 ]
解地入れ6,050円+※胴裏8,250円~+八掛8,800円+海外手縫い仕立て35,200円(全て税込)
[ 単 ]
解地入れ6,050円+衿裏2,200円+海外手縫い仕立て35,200円(全て税込)
※国内手縫い仕立て+17,600円(税込)
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