商品番号:1522958
(税込)
【 仕入れ担当 田渕より 】
いまや普通にお見かけする機会は…まずないかと存じ上げます。
今回たまたまご縁が御座いまして、ご紹介の運びとなりました。
重要無形文化財「友禅」保持者、人間国宝・羽田登喜男氏による
紛れもない本物の鴛鴦をあしらった几帳でございます。
今は昔…華やかな宮中や、りっぱな寝殿造りのお屋敷の中に
色とりどりに据えられた、室内で用いられた移動可能な屏障具『几帳』。
お部屋のインテリアにこの上ない風趣を…
お目に留まりましたら、この機会をお見逃しなきようにお願い致します。
【 お色柄 】
銘『 瑞粧 』
肌をすっとすりぬける極上の高級ちりめん地を厳選し…
女性の品格を漂わせる、白藍色を基調に染め上げました。
そっと水分を含んだように、本当になめらかで…
ほのかにベールに包み込まれたようなやわらかな絹の光沢感。
素晴らしい絹肌を、しなやかに感じ取っていただけることでしょう。
たたき染めの穏やかな水面にて佇む八羽の鴛鴦。
純粋に純粋に浄化され…凝縮された美の世界が、そこにございます。
絶妙な色の配置、前を見つめるその姿。
上質な絹布に、国宝とまで認められた確かな染めの匠技が、きらりと輝きます。
『源氏物語』の中にも登場致します、『几帳』。
『几』は「台」を表し、『帳』は「とばり」、「張り巡らす幕」をさす
二語をあわせた造語で、平安の昔、公達の邸宅に彩りを添えた几帳。
この存在感…
是非お部屋のインテリアとして、また目付けなどにも…
お手元でご活用頂けましたら幸いで御座います。
【 商品の状態 】
中古品として仕入れて参りました。
所々に染料の劣化、桐箱に破損がございます。
(※画像の黄色矢印の幅は1cmです。)
【 羽田登喜男(重要無形文化財保持者)について 】
【 生年・認定年・享年 】
1911年(明治44年) 1月14日生。
1988年(昭和63年) 重要無形文化財「友禅」の保持者に認定。
2008年(平成20年) 2月10日没。肺炎のため死去、97歳
金沢で加賀友禅の下絵、糊置き、色挿し等一連の作業の
基礎を習得、京都に移った後には京友禅のみならず、
美術工芸品の鑑賞など文化に触れることの重要性を学んだ。
一般的に京友禅は工程が分業されているが、
羽田はすべての工程を自身で行う制作態度をとり
京友禅の世界に、加賀友禅を融合させた独自の
境地を開く。
京都の庭園や自然を愛し、花鳥風月に材を求め
完成された図案のうち、『鴛鴦』は代名詞的なお柄。
京都府民を代表してダイアナ妃に送られた振袖、
祇園祭蟷螂山の懸装品は有名。
【 経歴 】
1911年 石川県金沢市に造園師・羽田栄太郎の三男として生まれる
1925年 隣家の南野耕月に加賀友禅を学ぶ
1931年 京都にて同郷の曲子光峰(まげしこうほう)に京友禅を学ぶ
以降、羽田は生涯にわたり京都で制作を行う
1943年 政府認定の京都友禅技術保存資格者となり、戦中も作品を制作
1955年 第2回日本伝統工芸展において訪問着「孔雀」が初入選
1957年 社団法人日本工芸会正会員
1962年 日本工芸会理事に就任
1971年 日本伝統工芸展審査員に就任
1976年 第23回日本伝統工芸展で「白夜」が東京都教育委員会賞を受賞。
藍綬褒章受章。
1978年 京都府美術工芸功労者表彰を受ける
1979年 紺綬褒章受章
1982年 勲四等瑞宝章を受章
祇園祭蟷螂山の前掛「瑞祥鶴浴之図」を制作
1984年 祇園祭蟷螂山の胴掛2面「瑞光孔雀之図」
「瑞苑浮遊之図」を制作
1986年 京都府より英国王室ダイアナ皇太子妃に贈られた振袖
「瑞祥鶴浴文様」を制作
1988年 友禅の重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受ける
社団法人日本工芸会参与
1990年 京都府文化功労賞特別賞受賞、京都市文化功労者表彰を受ける
1991年 祇園祭蟷螂山見送り「瑞苑飛翔之図」を制作
1992年~「友禅 人間国宝 羽田登喜男」展を石川県立美術館
京都市美術館にて開催
1996年 フランスのリヨン染織美術館にて「羽田家のキモノ」展開催
1999年 祇園祭蟷螂山水引「吉祥橘蟷螂図」を制作、献納
2004年 祇園祭蟷螂山後掛「瑞兆遊泳之図」を献納し全懸装品を制作
完納※制作には後継者である息子羽田登も携わり、
その技術伝承に努める。
2007年10月10日 高齢のため制作活動を終了。
【 京友禅について 】
経済産業大臣指定伝統的工芸品(1976年6月2日指定)
京都府知事指定伝統工芸品
京都の伝統工芸品の1つで古来の染色技法を
扇絵師の宮崎友禅斎が大成したもの。
元禄時代に京都で生み出された友禅技法で
日本三大友禅(京友禅、加賀友禅、
江戸(東京)友禅)の1つ。
「糸目糊」という糊を用い、筆で色付けする際に
滲んで色移りすることを防ぐ防染技術が用いられており、
基調の色が決まっておらず、当時の公家や大名好みの
デザインに多彩かつ鮮やかな色合いや金銀箔、刺繍などが
用いられた絢爛豪華、かつひときわ華やかな印象のものが多い。
明治時代には化学染料と糊で色糊を作り
型紙によって友禅模様を写し染める「写し友禅染め」が
友禅染めの中興の祖と称えられる廣瀬治助によって
発明され、「型友禅」として大量生産が可能となった。
量産できるようになった友禅染めは一気に普及し
飛躍的な発展を遂げ、昭和51年6月(1976年)には、
経済産業省指定伝統的工芸品として指定を受け、
現在も世界中から高い評価を得ている。
絹100%
巾145cm×高さ158cm
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