【 仕入れ担当 田渕より 】
淑やかに広がる美しき染めの意匠…
刺繍や金彩を一切用いない、本加賀友禅のおきもの。
ただひたすら純粋に、その染めの美しさをご堪能いただけるお品。
本加賀友禅作家『矢花博呂美』氏の作品をご紹介いたします。
今回ご紹介するお品は中でも稀少な夏の付下げ。
年々ご紹介の機会は少なくなってきております。
加賀百万石の城下町には、古くから<加賀染>といわれる染色法がありました。
京の都で画期的な友禅染めを大流行させた宮崎友禅斎が晩年に加賀へ戻り、
その技法を伝えたことが、加賀友禅の基礎となったとされております。
加賀友禅作家の工房で10余年もの修行をして師匠に認めてもらえなければ、
作家として独立できないと言われるほどの厳しい世界。
その厳しい世界で、真の実力をつけた方の作品です。
繊細な意匠の美しさ、その世界観を存分に楽しんでいただけることでしょう。
お目に留まりましたら是非ともお見逃しなく!
【 お色柄 】
さらりとなめらかな絽の絹地は、上品な白菫色で染め上げ
裾先へいくにつれふんわり淡藤色へと暈し染めがなされた
柔らかなグラデーションがなんとも幻想的。
その地に描き出されましたのは、半夏生(はんげしょう)の花。
すっきりとした無地場に淑やかな気品を醸し出す構図。
加賀独特のお色使いで仕上げられたたおやかなその花姿。
全てが計算し尽くされた秀逸な一枚です。
夏の水辺に群生する白の斑が大変美しい涼しげな植物で
葉の半分ほどが真っ白で白粉を塗ったような様子から「半化粧」とも呼ばれ
花が終わる頃には葉は緑に戻る神秘的な表情を持っています。
足元をつらつらと穏やかに流れる涼しげな水流音…
そこへポツポツとまっすぐ伸び咲く半夏生の神秘的かつ儚い姿は
夏の涼しげな情景そのものです。
日本人の心に響く、優しい感性に満ちたひと品に仕上がりました。
さらりとさりげなく、着こなしていただきやすいひと品です。
お召しになられたときの着姿の美しさで、本加賀に勝るものはございません。
是非お手元でその魅力を存分にご堪能くださいませ。
【 加賀友禅について 】
経済産業大臣指定伝統的工芸品(1975年5月10日指定)
石川県指定無形文化財
京友禅・東京友禅と並ぶ、三大友禅のひとつ。
現在は登録された作家により、加賀五彩といわれる
藍・えんじ・黄土・草・古代紫の加賀五彩を基に
糸目友禅のみで仕上げられる。
絹100%
たちきり身丈約185cm 内巾約37cm(最大裄丈約70cm 最長袖巾肩巾35cmまで)
白生地には新潟県五泉の絽地を使用しております。
◆最適な着用時期 盛夏(6月末~9月上旬)
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 式典、パーティー、お食事会、観劇など
◆あわせる帯 袋帯、綴れ名古屋など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立て料金はこちら
湯のし1,650円+衿裏2,200円+海外手縫い仕立て35,200円(全て税込)
※国内手縫い仕立て+14,300円(税込)
※刺繍・絞り加工がされている商品の場合は【湯のし1,650円→手のし3,300円】に変更となります。
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