【 仕入れ担当 中村より 】
御仕立て上がりならではでしょうか。
こういった作品は室町でもほとんど見かけることはございません。
7マルキ一元式総絣の本場白大島紬、中でも希少な絵羽柄の逸品訪問着をご紹介致します。
構想から5年余りの歳月をかけて創作された本品。
京の情景を絵羽状に織りによって表現した傑作でございます。
色の濃淡は15段階にも及び、非常に手間隙がかけられております。
現在では織り手さんの高齢化によって再度製作することが不可能となり、
市場にあるお品がすべてでございます。
この織での表現力はお品物をお手元でご覧頂ければ、
きっと織物通の方にもご納得頂けることでしょう。
どうぞお見逃しないようご覧下さいませ。
【 お色柄 】
白生地のようなきっぱりとした白ではなく、まろやかで灰味を帯びた地色。
総絣によって表された溶け込むような色彩の幻想的な意匠。
密度ある絣を用いて、京の情景を織りなしました。
清水寺、金閣寺、銀閣寺、西本願寺、三千院、平等院鳳凰堂、
そしてお袖には北山杉にお柄が続いております。
一見してすばらしいものであることがわかる存在感と、
細部は実に細やかに細やかに仕上がった、繊細さ。
本当に、一代で終わらせてはもったいない、
次世代へと受け継いでいっていただきたい逸品となりました。
【 商品の状態 】
中古品として仕入れてまいりましたが、
大切に保存されていたのでしょう、美品でございます!
お手元で現品を確認の上、お値打ちに御召くださいませ!
【 大島紬について 】
日本が世界に誇る、細密絣の織物です。
大島紬は完成までに二度織られます。
一度目の締め機は、大島紬独特の精密な絣模様をつけるため。
上下の綿糸によってギュッと締められた部分は防染されて染料が入り込まず、
その染まらなかった部分が絣になるのです。
絣模様をくっきりと作るためには、大変な力で締めつけながら織り込まなければならず、
昔からこの締め機は男性の仕事とされてきました。
図案に合わせ締め機にかける糸を調節し、
確実に数ミリメートル単位の狂いもなく締め込んでいくというのは、緻密で根気のいる作業。
この時点で間違いがあれば、絣模様が出来なくなってしまうため、
力があるだけでは出来ない、神経を使う難しい仕事なのです。
その素晴らしい絹糸を高機による手織りで、一糸一糸心を込めて織り上げられます。
一反を生み出すのに、シンプルなお柄のものでも一か月。
凝った柄行のものですと、優に数か月もの月日を要します。
数センチメートル織り上げては経糸を緩め、一本一本針で絣を合わせていく。
本当に気の遠くなるような作業の繰り返しで、
大変細やかなお柄を、織りによって表現しています。
【 総絣について 】
明治後期に永江伊栄温(いえおん)翁により完成された締機(しめばた)。
締機によって造られる緻密な絣糸と無地糸を交互に織り込み、
十字絣を形成し柄出しを行うのが普通ですが、
本品では柄を際立たせるため無地糸を用いず、全て絣糸だけで柄出しされております。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
◆八掛の色:紫苑色
身丈(背より) | 165cm (適応身長170cm~160cm) (4尺3寸6分) |
---|---|
裄丈 | 67cm(1尺7寸7分) |
袖巾 | 34.5cm(0尺9寸1分) |
袖丈 | 55cm(1尺4寸5分) |
前巾 | 24.5cm(6寸5分) |
後巾 | 30cm(7寸9分) |
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈69cm(1尺8寸2分) 袖巾34.5cm(9寸1分)
※目視での縫込みの確認による概算となります。詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン カジュアルパーティー、芸術鑑賞、観劇、お出かけ、お食事、趣味のお集まりなど
◆あわせる帯 洒落袋帯、九寸名古屋帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。
この商品を見た人はこんな商品も見ています