【初代　久保田一竹】 特選工藝絞り染羽織 ≪御仕立て上がり・中古美品≫ 「聖」 希少！初代作のシックな羽織！ 羽織丈80　裄65**

【仕入れ担当　吉岡より】
お探しの方、寸法の合う方必見！

もはや現存するお品がわずかに流通にながれるのみ。
辻ヶ花の偉大なる巨匠【　初代　久保田一竹　】氏による
大変美しい彩りの辻ヶ花絞り染の羽織のご紹介です。

コートの類はお仕立て上がり品がほとんどございません。
また、羽織の形状ではございますが、施された絞り染は
訪問着にも劣らない加工量でございますので、大変良いお品。

一竹の羽織はもちろん希少で、今作は羽裏地にもこだわりが尽くされており
お探しの方に心からおすすめでございます。


【色・柄】
ふっくらと地厚なちりめん地を、
シックな京鼠色を基調として一面の吹雪のような斑紋を染めて、
肩をメインにしたお柄づけで絞り染とカチン染による
辻が花と一竹星が染めあげられております。

一竹星とは、合間にアクセントをそえる、光の玉のような
ふうわりとした丸いお柄のこと。

初代が耐えた長く厳しいシベリア抑留生活の中で
希望を見出した星を表す特徴的なお柄でございます。


【商品の状態】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
洗いに出されたと見られるしつけ糸がついており、
お手元に届いてすぐにお召し頂ける状態でございます。


【初代　久保田一竹について】
20歳のときに出会った東京国立博物館の
室町時代辻が花染めの小裂の美に魅了され、
過去の模倣でなく現代に息づく染色として、
独自の辻が花研究を志すも、時制は戦争に突入。
召集、敗戦、シベリアへの抑留。
シベリア抑留中は研究はもちろん生活さえも
満足に出来ぬ日々を過ごし、1948年31歳で無事復員。

復員後は生活のために従来手懸けていた手描友禅で
生計をたてつつ、40歳にしてやっと本格的に
辻が花の研究に取り組み始めることが可能に。

しかしながら、研究を開始したはよいものの、
毎日が失敗の連続で、数年後には時間が惜しいばかりに
生活の基盤であった手描友禅さえも捨て、家族を極貧に
耐えさせ、20年間の辛酸をなめ尽くした研究の末、
60歳にして初めて「一竹辻ヶ花」の完成を迎えた。

デザインごとに技法を変え、複雑な染色工程を経て
生み出された作品群の中には理想とするイメージの
着物に仕上がるまでに一年を要したものさえある。

略歴
1916年　10月7日　神田に生れる
1931年　友禅師小林清師に入門
1948年　辻が花の研究に着手
1961年　独自の染色法一竹染を創業
1983年　パリ・チェルニスキー美術館にて「一竹辻が花展」
1984年　ニューヨーク・ダラスにて「一竹辻が花　光・風・音展」
1985年　ベルギー・ブリュッセルにて「一竹辻が花　光・風・音展」
1988年　バチカン宮殿にて上演された創作能「イエズスの洗礼」の衣装制作
1989年　ヨーロッパ主要都市にて個展
1990年　フランスよりフランス芸術文化勲章シェヴァリエ章を受賞
1993年　文化庁長官賞受賞
1994年　久保田一竹美術館（河口湖町）開館
1996年　ワシントンD.C.スミソニアン国立自然史博物館にて個展
2003年　死去・享年86歳