商品番号:1438039
(税込)
【仕入れ担当 田渕より】
「羅」と「経錦」。
重要無形文化財に指定された二つの技の保持者である人間国宝、北村武資氏。
残念ながら2022年3月31日、その実り多き人生に幕を下ろされました。
古代織の再現から現代に生きる織に至るまで…
その制作年数は実に70年を超え、私自身も数多くの作品を取り扱って参りました。
その中でも傑作と呼ぶに相応しい…
煌彩錦(こうさいにしき)袋帯のご紹介です。
現存するお品も市場より流通量が減ってきており、
一目惚れの出逢いと思い買付けて参りました。
多彩な織の芸術を…
まずはどうぞご覧下さいませ。
【お色柄】
本当に…
お手にとって触れていただけないのが残念です。
数ある織物のなかでも特にしなやかな仕上がりとなっております。
ちょうど組帯のような特性があり、斜め方向に伸縮性がございます。
どのような変わり結びをされても(あるいは雑巾のようにしぼられても)決してシワにならない、比類なき締め心地を身をもってご実感いただけることでしょう。
もちろんこの織り味をだせるのは、北村武資氏だけ。
西陣のメーカーさんが北村氏の帯をほどいて組織を研究し同じものを織り上げようとしましたが、誰も復元することができなかったというエピソードもございます。
清雅な銀地をベースに織り出されたその菱目が、漣のような
こまやかな陰影を生み出し、フラットな面に奥行きを演出しております。
その細緻な銀の帯地に、金銀のみの配色にて、
笹竹間道の文様が織り出されて…
本当に上品な風格。
最小限のお色使いながらも悠久普遍の美の表情を演出し…
また合わせるお着物の魅力を最大限にひきだしてくれるひと品でございます。
機能美、意匠美、組織美。
卓抜した技から成るその三重奏はまさに、
伝統美を追求し続けてきた人間国宝にしか奏でられない、贅沢なハーモニー。
母から娘へ、そしてそのまた次の世代へ…
時を越えて受け継いでいくことのできる、真の逸品でございます。
お召しの方を最高に惹き立てる人間国宝の傑作袋帯を堪能いただければ、
これほど嬉しいことはございません。
大切に大切に、末永くご愛用くださいませ。
【北村武資について】
「経錦」と「羅」の二つにおいて、
重要無形文化財保持者の認定をうけている北村武資氏。
その作品はいずれも、伝統的な織物を構成する要素に変化を加え、
現代の美として甦らせることを意図して生み出されたものです。
古代技術の復元に留まらず、「現代に生きる織」を志向。
新たな織物美の創出を志すその作風は、国内外で高い評価を得ています。
< 人間国宝 北村武資 プロフィール >
昭和10年(1935) 京都市に生まれる
昭和40年(1965) 日本伝統工芸染織展にて優秀賞
昭和42年(1967) 日本伝統工芸染織展にて奨励賞
昭和43年(1968) 日本伝統工芸展にてNHK会長賞
昭和44年(1969) 日本伝統工芸染織展にて奨励賞
昭和49年(1974) 日本伝統工芸展にて奨励賞
昭和50年(1975) 日本伝統工芸近畿展にて特別賞
昭和51年(1976) 日本伝統工芸染織展にて東京都教育委員会賞
昭和53年(1978) 日本伝統工芸染織展にて奨励賞
昭和55年(1980) NHK文化シリーズ「古代の紋織」に出演
昭和58年(1983) 日本伝統工芸染織展にて奨励賞
昭和60年(1985) 個展(銀座 和光)
平成02年(1990) 日本伝統工芸展にて保持者撰賞
平成04年(1992) 京都府無形文化財「羅」「紋織」保持者に認定
平成06年(1994) 個展(銀座 和光)
平成07年(1995) 重要無形文化財「羅」保持者に認定
平成08年(1996) 紫綬褒章
平成12年(2000) 重要無形文化財「経錦」保持者に認定
令和4年(2022) 永眠
【 北村武資(重要無形文化財保持者)について 】
【 生年・認定年 】
1935年(昭和10年)8月18日生。
1995年(平成7年)重要無形文化財保持者「羅」保持者に認定
2000年(平成12年)重要無形文化財保持者「経錦」保持者に認定
2022年(令和4年)3月31日没 享年86歳
早くに父を亡くし、15歳から西陣の機屋に働きに出て、
そこで基本となる技術を習得、1959年には
初代・龍村平蔵の織の世界を継承する
龍村美術織物に入社。
1960年に京都市北区紫野に小さな機場を借りて
独立後は『織とはなにか』を研究、高度な製織技術を
精力的に探求し、裂の復元や再現、織の技術の発展に
尽力している。
【 略歴 】
1951年 京都西陣で織物業に従事
1962年 法衣金襴制作技術者として独立
1965年 第12回日本伝統工芸展入選
1968年 第15回日本伝統工芸展 NHK会長賞受賞・日本工芸会正会員
1971年 京都国立近代美術館「染織の新世代展」
1983年 「亀甲花葉文経錦」文化庁買上
1987年 「忍冬花文羅」京都府立総合資料館買上
1990年 京都府指定無形文化財保持者「羅」「経錦」認定
MOA美術館岡田茂吉賞工芸部門大賞受賞・日本工芸会理事
1994年 第41回日本伝統工芸展 日本工芸会保持者賞受賞
1995年 重要無形文化財保持者「羅」認定
日本伝統工芸展等の鑑・審査員を歴任[2]
1996年 紫綬褒章受章
2000年 重要無形文化財保持者「経錦」認定
2005年 旭日中綬章受章
2022年 3月31日没 享年86歳
絹80% レーヨン(金銀糸芯)20%
長さ約4.35m(お仕立て上がり時)
おすすめの帯芯:綿芯「松」
耳の縫製:かがり縫い
六通柄
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齡は問いません
◆着用シーン 結婚式・披露宴、式典、パーティー、レセプション、お付き添いなど
◆あわせる着物 黒留袖、色留袖、訪問着、付下げ、紋付き色無地
この商品を見た人はこんな商品も見ています