商品番号:1520043
(税込)
【 仕入れ担当 田渕より 】
シンプルでいてこれほどまでの品格と趣を醸し出す一枚は、
探してもなかなか見つけられるものではございません。
お着物を愛する大人の女性に…
人間国宝、故・福田喜重氏の逸品をご紹介致します。
喜重先生ならではの染足の長い暈しで表現された作品。
全てを包み込むようなそんな柔らかなお色味の変化。
さりげない表情に秘められた素晴らしい表現力。
なかなか入手できない氏の未仕立てのお品は、
室町界隈でもそうそうお目にかかれるものではございません。
また残念ながら2022年12月にお亡くなりなりました為
新たなお品も今後はございません。
心よりお勧め致しますので、御目に留まりましたら是非ともご検討下さいませ。
【 お色柄 】
上質の証、三眠蚕の糸を用いて織り上げた浜ちりめん地は
発色も美しく、絹本来の光沢感を感じるような風合い…
その地を水色の濃淡で暈し染め上げました。
ゆったりとしたグラデーションは、それだけで気品の面持ち。
落ち着きあるお色目のなかにもやわらかな品格を醸し出し、
どこが境目ともつかないほど、趣き豊かな詩情に満ち満ちております。
意匠には箔を自由に操った切箔模様をあらわし、
お着物全体を風雅に漂う様子が印象的に。
暈し染めと箔…
それぞれが主張しつつも調和のとれた、絶妙な仕上がり。
無地場を意識した意匠構成の中、
箔の煌きが、その空間にそこはかとない奥深い情緒を演出いたします。
これほどの高貴な品格と、ただならぬ深いムード。
伝統を重んじながらも、時代に合ったものづくりに取り組まれている
名匠ならではの感性を是非ともご堪能いただきたく思います。
【 福田喜重(重要無形文化財保持者)について 】
【 生年・認定年 】
1932年(昭和7年) 9月26日生
1997年(平成9年) 重要無形文化財「刺繡」の保持者に認定
2022年(令和4年)12月16日没 享年90歳
京都市生まれ。
日本の刺繡家、重要無形文化財保持者。
刺繡では唯一人の人間国宝である。
生地の選定から、染色、摺箔、刺繍を総合的に
発展させ地染と箔のあしらいに刺繍本来の重厚な
雰囲気を現代的に表現して、独自の境地を切り開いた。
京都市立第一工業学校(現・京都市立京都工学院高等学校)
卒業後、父である刺繡家福田喜三郎に1948年から師事。
父からの厳しい指導によって本格的伝統技法を習得。
1956年に父から刺繡業福田商店の経営を引き継ぎ
1970年に福田工芸染繡研究所に社名変更。
1976年に日本工芸会日本伝統工芸展に初入選以降
受賞を重ねる。
1991年に株式会社福田喜を設立して代表取締役を務める。
1997年「刺繍」の分野で初めて人間国宝に認定され、
作家活動とともに後継者育成に尽力している。
作品は和服が主で、刺繍技法としては、撚糸、
無撚糸とも、生地に溶け込み一体となるように
仕上げ、熟練の要る菅繍ほか、摺箔と刺繍を併用する
繍箔に高い技量を持ち、刺繍のみで文様を表現する
素繍(すぬい)の作品を中心に制作。
文様では日本意匠の特質を生かし、割付による
構成や空、雲、水、花などの自然の風物を流動的
に表現する事を得意とする。空間をいかした文様構成や
抑えた色調の中に微妙なグラデーションを施す
明度尊重の配色が特色。
【 経歴 】
1932年 京都市に生まれる
父喜三郎に刺繍を学ぶ
1976年 第23回日本伝統工芸展に「千翔」初入選
1977年 近畿支部第6回日本工芸会展に入選
第14回伝統工芸日本染織展に入選
1978年 第15回伝統工芸日本染織展「慶び」東京都教育委員会賞
第25回日本伝統工芸展「雪月花」日本工芸会奨励賞
1980年 第27回日本伝統工芸展「生々去来」日本工芸会奨励賞
文化庁収蔵
東京銀座資生堂ギャラリーで個展
京都朝日画廊で個展
1981年 東京日本橋高島屋で個展
1992年 京都府指定無形文化財保持者
1993年 福島県立美術館「現代の染織ー素材と技の美」
第40回日本伝統工芸展「平安」文化庁収蔵
1997年 重要無形文化財保持者に認定
紫綬褒章受賞
2022年 12月16日没 享年90歳
【 受賞歴 】
1978年 第15回日本伝統工芸染織展優秀賞
1978年 第25回日本伝統工芸展日本工芸会奨励賞
1980年 第27回日本伝統工芸展日本工芸会奨励賞
1992年 京都府指定無形文化財「刺繡」保持者
1997年 重要無形文化財「刺繡」保持者
1999年 紫綬褒章
2004年 旭日中綬章
2007年 京都市文化功労者
2010年 京都府文化賞功労賞
絹100%
たちきり身丈約185cm 内巾37cm(最長裄丈約70cmまで 最長袖巾肩巾35cmまで)
白生地には、三眠蚕13中使用の特選浜ちりめん「絹鳴り光彩」を用いております。
※共八掛付き
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 結婚式、式典、パーティー、お食事会、お付き添いなど
◆あわせる帯 袋帯、綴れ名古屋帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
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