【辻本工房　辻本雅俊】 特選彩墨友禅訪問着 「天目吹寄せ紋」 秋の訪れを報せる… ふくよかな彩りの味わい…

【　仕入れ担当　田渕より　】
「立秋」というイメージが湧き上がるような一枚…

「彩墨友禅」で作家活動を展開しておられる、
辻本工房『辻本雅俊』氏による、味わい深い訪問着のご紹介です。

秋の到来を待ちわびていたような吹き寄せや
それを運ぶ秋風のようなこだわりの染め。

そして、お着物全体に用いられた美しい天目染が
風雅に満ちております。

四季に侘び寂びを感じる感性を持つ日本人ならではの
意匠のような気がしてしまう見事な意匠です。

ぜひごゆっくりとご覧くださいませ。


【　お色柄　】
さらりと肌なじみの良い滑らかな丹後ちりめん地。
その地を落ち着きのある路考茶色へ染めなし、
天目染を用いることによりふんわりとした柔らかな印象へ…
お柄には独特で創作性溢れる情景意匠を表しました。

糸目を持たない彩墨友禅技法。
染め上がった作品は、一枚の絵画のように…

その着姿もまた、少し離れて見ていただく事で一層、惹き立ち
他の染め着物にはない躍動感と魅力があります。

辻本工房では染料自体に防染力を持たせることで
濃度、色相の異なった色が混ざることなく
多種多様な色を表しております。

金彩を用いることもなく、仰々しすぎないので
気張らず様々なお席にお召しいただけることでしょう。

この機会にぜひご検討くださいませ。


【　辻本雅俊について　】
昭和17年　大阪に生まれる
昭和40年　京都市立芸術大学卒業　京展・日本画入選
昭和41年　京都市立芸術大学日本画科専攻・研究活動に入る
昭和44年　学生時代よりローケツ染めを研究し、その後ローケツ研究工房より独立
昭和50年　京都府立文化芸術会館・辻本工房展
　以後、新しい染技法を含めた独自の世界を模索
平成2年　染色技法・彩墨友禅開発、発表
　その後、絵画の世界を中心に、彩墨美術館のスタイルで全国に展開中

【　京友禅について　】
経済産業大臣指定伝統的工芸品（1976年6月2日指定）
京都府知事指定伝統工芸品

京都の伝統工芸品の1つで古来の染色技法を
扇絵師の宮崎友禅斎が大成したもの。
元禄時代に京都で生み出された友禅技法で
日本三大友禅（京友禅、加賀友禅、
江戸（東京）友禅）の1つ。

「糸目糊」という糊を用い、筆で色付けする際に
滲んで色移りすることを防ぐ防染技術が用いられており、
基調の色が決まっておらず、当時の公家や大名好みの
デザインに多彩かつ鮮やかな色合いや金銀箔、刺繍などが
用いられた絢爛豪華、かつひときわ華やかな印象のものが多い。

明治時代には化学染料と糊で色糊を作り
型紙によって友禅模様を写し染める「写し友禅染め」が
友禅染めの中興の祖と称えられる廣瀬治助によって
発明され、「型友禅」として大量生産が可能となった。

量産できるようになった友禅染めは一気に普及し
飛躍的な発展を遂げ、昭和51年6月（1976年）には、
経済産業省指定伝統的工芸品として指定を受け、
現在も世界中から高い評価を得ている。