商品番号:1534313
(税込)
【仕入れ担当 吉岡より】
100%藤蔓を原料とし、藤織りの伝承技術に基づいて創作された希少な工芸帯。
今では大変貴重となりました丹後藤布の八寸名古屋帯をご紹介いたします。
原料である藤蔓の採取から機織りまで、
すべての工程をご自身でされております、
京もの認定工芸士である、芙留庵・小西暢子氏の作品です。
呉服の本場室町におりましても…滅多と出会うことができません。
まずはじっくりとご覧くださいませ。
【色・柄】
自然をそのままとじこめたような、深く落ち着いた枯色の自然布らしい濃淡、
ハリもよくシンプルの究極、無地。
きゅっと締めやすい締め心地のよさ。
そして、香り。
森の中、木々に包み込まれ、すっと深呼吸した瞬間のような、心が澄み渡る感覚。
手にされる度、その工程を思い…
この帯が作られるまでの自然の力の育みと、
多くの人の手によって作り上げられたという喜びの気持ちが、
心の奥深くに感じていただけることでしょう。
夏織物に洒落味を添える植物素材の帯。
近年では冬以外の3シーズン着用される方もいらっしゃるようです。
自然に育まれた繊維のたくましさ。
力強く美しい、織り手の誠実さ。
末永く大切に、お召しくださいませ。
【丹後藤布について】
1200年の歴史には明確な史実があり、古代布の代表ともされるのが「藤布」です。
歴史は古く古事記や万葉集にも藤衣を読んだ謌があります。
大王(おおきみ)の塩焼く海人(あま)の藤布(ふじごろも)
なるとはすれど いやべずらしくも
天皇の御料の塩を焼く海人の藤衣が、時がたつと着なれるように、
あなたに馴れはしても、いよいよ心引かれることですよ。
(万葉集12巻2971)
幕府によって隠岐の島に流された後醍醐天皇が、藤の苗木を隠岐に持参し…
都を想いながら身にまとったという逸話もあるほど。
藤布は、日本古代より人々に愛されてきた植物素材です。
藤布は、5月の中頃山々を美しく彩る藤つるの繊維を紡いで織り上げます。
丹後では、春の彼岸から秋の彼岸にかけて、蔓の皮はぎをして繊維をとり…
10月に、甘皮の繊維を乾かし長時間灰汁煮き、冷たい泥水でしごき洗います。
そうして雪に閉ざされた冬、赤々と燃える囲炉裏の傍らで一心に紡ぎ織り上げて、
やっと、長い時を経て、ぬくもり満ちる作品が完成するのです。
日本三景の一つ天の橋立近く、加悦町で伝えられるその手仕事の技術。
昭和58年、国の無形民俗文化財記録保存。
平成3年、京都府の無形民俗文化財に指定されました。
現在ではそれを受け継ぐ職人も少なくなり…
毎日仕入れをしておりましても、なかなか出会うことはございません。
【 丹後藤布について 】
国の無形文化財記録保存・「丹後藤織り」(1983年)
京都府無形民俗文化財
京都府知事指定・京もの指定工芸品「丹後藤布」(2001年3月)
京都府与謝野町で製織されている
野山に自生する藤の花の蔓で糸を紡ぎ
この糸で織り上げた布のこと。
藤蔓の繊維は麻よりも太めで、それを手で裂いて糸に撚るため
細い糸を紡ぐことは難しいが、細い糸を紡ぐことができる
綿糸の工業糸に比べ布に織ったときに透き間が多くなり
通気性が良く、夏の衣料に適している。
古くより庶民の衣料として北海道と沖縄を除く
ほぼ全国の山村で織られていたが、麻や木綿の
普及にともなって徐々に製織数が減少し藤布は衰退、
一時は途絶えたとされたが、1962年(昭和37年)
京都府宮津市下世屋地区で藤織りが行われていることが
明らかとなり、伝統文化の保存運動の皮切りとして1983年
(昭和603)年、藤布の機織りの講習会が開かれ、
伝承に向けての取り組みが開始された。
以後全国的に古代布の調査が進み、
1989年(平成元年)には『丹後藤織り保存会』が発足。
1991年(平成3年)京都府無形民俗文化財に指定後、
2001年(平成13年)京都府伝統工芸品に指定を受け、
その後、2010年(平成22年)、国の重要有形民俗文化財に指定された。
現在は各地の保存会や伝承会によって技術の継承が図られている。
藤布に用いられる原料の藤糸には水に濡れると強度が上がる
性質があり、経年劣化することもほとんどないため、年間を通して
着用しても10年は着られるほど丈夫だと言われている。
手績み藤糸100%(藤の蔓)
長さ約3.6m(お仕立て上がり時)
製作者:芙留庵・小西暢子
◆最適な着用時期 5月下旬~6月、9月~10月上旬の単衣頃
10月~翌年5月の袷頃(真冬を除く)
おすすめは盛夏(7~8月)
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 音楽鑑賞、観劇、お出かけ、カジュアルパーティー、ランチなど
◆あわせる着物 上布、小紋、織の着物など
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