【 仕入れ担当 田渕より 】
ひと目で分かる極上のセンス…
さりげない表情に秘められた、素晴らしい表現力。
刺繍技法において重要無形文化財保持者の
人間国宝・『福田喜重』氏による、手刺繍摺箔訪問着をご紹介いたします。
昨年末、人間国宝・福田喜重さんの訃報が飛び込んできました。
90歳でその実り多き人生に幕を下ろされました。
数多くの素晴らしき作品を世に遺されましたが、
今回ご紹介のお品もその一枚でございます。
そっとはなやぎを添えた、奥ゆかしくエレガントな和の装いを
様々な社交シーンにおいて、存分のご堪能いただきたいと思います。
なかなか入手できない福田氏のおきものの中でここまでのおもくちのお品、
室町界隈でもそうそうお目にかかれるものではございません。
もう新たに制作のない人間国宝の手技を、どうぞ心ゆくまでご堪能くださいませ…
【 お色柄 】
さらりとした質感。
上質の証、松岡姫の糸を用いて織り上げた浜ちりめん地は
発色も美しく、絹本来の光沢感を感じるような風合い…
その地を穏やかな赤香色を基調に染めて、
お裾やお袖に、葡萄鼠色のぼかし染めを加えました。
そこへ、福田氏独自の「摺箔」と「手刺繍」によって
雪輪に桜の意匠が表現されました。
裾へ落ちるにつれて葡萄鼠色へと暈し染めがなされており
金箔降り注ぐその華やかな意匠…
日暈のような雪輪文様とふわりと舞い上がり日の出に照らされたような
ふんわりと花弁を揺らす桜の一輪一輪。
それぞれの愛らしさを感じる、丁寧な染めに生地へ染み込む染料の深さを感じます。
艷やかな摺箔と完璧に融合した刺繍のアクセント。
さり気なく、上質ならではの立体感を作り出して、
余裕のある大人の気品が感じられる仕上がりでございます。
この機会にぜひご検討くださいませ。
【 福田喜重について 】
父である刺繍家福田喜三郎に1948年から師事。
厳しい指導によって本格的な伝統技法を習得される。
1976年に日本工芸会日本伝統工芸展に初入選後、
受賞を重ねられ、1997年重要無形文化財「刺繍」保持者に認定。
刺繍では唯一人の人間国宝となる。
1932年 京都市に生まれる
父喜三郎に刺繍を学ぶ
1976年 第23回日本伝統工芸展に「千翔」初入選
1977年 近畿支部第6回日本工芸会展に入選
第14回伝統工芸日本染織展に入選
1978年 第15回伝統工芸日本染織展「慶び」東京都教育委員会賞
第25回日本伝統工芸展「雪月花」日本工芸会奨励賞
1980年 第27回日本伝統工芸展「生々去来」日本工芸会奨励賞
文化庁収蔵
東京銀座資生堂ギャラリーで個展
京都朝日画廊で個展
1981年 東京日本橋高島屋で個展
1992年 京都府指定無形文化財保持者
1993年 福島県立美術館「現代の染織ー素材と技の美」
第40回日本伝統工芸展「平安」文化庁収蔵
1997年 重要無形文化財保持者に認定
紫綬褒章受賞
2022年 逝去
【 松岡姫について 】
農作物に恵まれた山形県の庄内地方。
養蚕にとっても恵まれた風土には、蚕の育成に必要な条件が備わっております。
粒ぞろいで均一、汚れや不良が少ない、上質な糸。
なかでも「松岡姫」は最高品質の品種であり、
天女の羽衣にたとえられる、極上の絹として知られております。
絹:100%
たちきり身丈181cm 内巾37cm(最長裄丈70cmまで 最長袖巾肩巾34cmまで)
白生地には伊と幸ブランド松岡姫の特選浜ちりめんを用いております。
下前には、京刺繍司「福田喜三郎」の落款が入っております。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 結婚式、披露宴、式典、パーティー、レセプション、お付き添い、
食事会、音楽鑑賞、観劇など
◆あわせる帯 袋帯、綴れ名古屋帯
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
お仕立て料金はこちら
解手のし6,050円+※胴裏7,260円~+海外手縫い仕立て35,200円(全て税込)
※国内手縫い仕立て+17,600円(税込)
※堅牢染め・本加賀など、染めのしっかりした御着物への抜き紋入れには、
堅牢抜き代4,400円(税込)が必要となります。
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