商品番号:1500625
(税込)
(税込)
【 仕入れ担当 田渕より 】
糸を紡いで、色を刷り込み、1反の反物として織り上げる。
究極の分業制が可能にした織りの結晶…
数ある結城紬の中から、またと無い良色の素晴らしいひと品をご紹介致します。
いつかは…と憧れの160山亀甲絣。
更には地杢の藝術品、まさに文化遺産と言えるものでございますから、
一般にはほとんど出回っておりません…
お目に留まりましたらどうぞごゆっくりとご覧下さいませ。
【 お色柄 】
やはりこの軽さには驚かされます。
極細の糸が生み出す、心地よき地風。
くすみのある灰青色の濃淡の地は杢の表情が浮き沈みしております。
杢の魅力は2色の色糸が演出する深みある混色の彩り。
色の異なる2本の糸を絡めた緯糸を用いることで、不規則に
現れる緯糸の色彩の変化が、単色の糸では表現できない
深みのある表情に仕上がっており、無地に近いけれど、
一味違う洒落味をお楽しみいただける事でしょう。
意匠には実に細やかな160山亀甲絣を用いて
手毬のお柄が織りなされて。
一幅に織り出す亀甲絣や蚊絣の数を『 ○山亀甲 』と
一般的に呼びますが、良くお見かけする80山亀甲の絣糸を
染めることさえも実は容易なことではなく、次ぐ100山亀甲、
さらに今回ご紹介の本品のような160山亀甲ともなりますと、
亀甲細工の大きさも本当に小さく、糸も必然的に細くなって参りますので、
糸を紡ぐ際にも、また絣を括る際にも並々ならぬ集中と手間ひまがかかります。
三代お召しになって味が出るといわれるのも納得のいく素晴らしい地風は、
丁寧に紡いだ上質な真綿を使用しておりますので、本当にしなやかです。
織り手さんや絣を括って糸を染める職人さんの根気が伝わってくる
確かな織物という美術工芸品。
まずお品がございません。
これだけの手間、糸へのこだわり…
織のお着物、特に結城紬を愛されておられる方に。
たいせつに、たいせつに御召いただきたい、織のたから。
一期一会を大切に…
終生の友としての装いをお楽しみいただきたく存じます。
【 商品の状態 】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
洗い、仕立て替えに出されたと見られるしつけ糸がついており、
胴裏は新品同様となっております。
【 本場結城紬について 】
日本三大紬に数えられる茨城県の伝統織物です。
糸づくりでは、蚕の繭からつくられた袋真綿を「つくし」と呼ばれる台にからませ、
この一端より職人が指先の魔術で糸を引き出します。
右手の指で内側へ糸を捻り、さらに左手で捻り戻しをいたしますので、
糸自体は平糸になって撚りがかかっておりません。
これが着れば着るほど風合いの良くなる結城紬の秘密です。
また、絣括りは経糸・緯糸を別々に目印の墨付けをして、木綿の糸でしっかりと絹糸を括ります。
括りが弱いと染料が括りの中に入り、綺麗な絣糸にはなりません。
地機の織り技法では、経糸の片側を機にとめ、
もう片側の手前の部分を枠に、きちんと糸を整列させた紐状のものを織り手さんの腰に巻きます。
経緯ともにピンと糸が張った状態で織り上げられるのではなく、
織り手さんが全身を使って経緯(タテヨコ)を調節して織り上げるので驚くほどしなやかに仕上がります。
平成17年6月3日、本場結城紬のラベルが新ラベルに生まれ変わりました。
現在「本場結城紬」に指定されるものは、以下の4つでございます。
(1)本場結城紬・平織り「地機」
(2)本場結城紬・縮織り「地機」
(3)本場結城紬・平織り「高機」(絣もの以外の無地と縞、格子のみ)
(4)本場結城紬・縮織り「高機」(絣もの以外の無地と縞、格子のみ)
なかでも、
<手紡ぎの無撚糸の使用、手括りの絣糸の使用、居座機で織り上げる事>
この三つの要件を満たしたものが
「重要無形文化財」の本場結城紬でございます。
【 結城紬について 】
経済産業大臣指定伝統的工芸品(1977年3月30日指定)
平織と縮織が茨城県無形文化財に指定(※1953年)
文部科学大臣指定重要無形文化財総合指定(1956年)
ユネスコ無形文化遺産への登録認定(2010年)
茨城県・栃木県を主な生産とする絹織物
茨城県西部の結城市と隣接する栃木県
小山市などで製織されている。
結城郡の旧石下町(現・常総市)にも
「いしげ結城紬」があり、手織のほか機械織
(力職機)による製織、糸も真綿手つむぎ糸、
石下の手紡糸、撚糸工場の強撚糸など様々である。
平織と縮織の2種類があり、現在の結城紬は
撚りのない糸を経と緯に使用する平織が主流で、
全体の約97%を占めるが、かつては横糸に
強撚糸を使い表面がちりめん状に仕上げられた
縮織が主流であった。
戦後昭和中期頃は縮織が結城紬全体の
約9割を占めていた。
元来は堅くて丈夫な織物であったが、絣の
精緻化に伴い糸が細くなってきたため、
現在は「軽くて柔らかい」と形容されることが多い。
本結城の工程は国の重要無形文化財で
「本場結城紬」は地域団体商標に登録されている。
【 歴史 】
1865年 初めて絣の結城紬が制作される
1873年 ウィーン万国博覧会出品
1953年 平織と縮織が茨城県無形文化財に指定される
1956年 4月24日重要無形文化財指定(平織のみ)
同時に従事者6名が技術保持者に認定
1961年 結城市を中心とした各市町村により
財団法人重要無形文化財技術保存会設立
1974年 NHK朝の連続テレビ小説で放映された
『鳩子の海』で一部結城市が舞台となり、
結城紬の知名度が高まる。
1976年 技術保持者6名の認定解除
保持団体の認定に変更
171名で本場結城紬技術保持会設立
同会が重要無形文化財「結城紬」の
保持団体として認定
1977年 3月30日経済産業指定伝統工芸品承認
結城紬伝統工芸士認
(この年の認定者は染2名、絣くくり6名、織り6名)
1986年 栃木県伝統工芸品
1988年 茨城県郷土工芸品の指定を受ける
2004年 品質検査の際に重要無形文化財の指定要件を
満たしていない反物にも「重要無形文化財指定」証票が
不正交付されていたことが明らかになり文化庁が保存会に
改善を指導
2005年 6月3日分の検査合格品より全反物が
「重要無形文化財」表記のない証票へと変更
2010年 ユネスコ無形文化遺産リストに登録。
2014年 小山市市職員「紬織士」の採用制度開始
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
◆八掛の色:白鼠色
身丈(背より) | 164cm (適応身長169cm~159cm) (4尺3寸3分) |
---|---|
裄丈 | 69cm(1尺8寸2分) |
袖巾 | 35cm(0尺9寸2分) |
袖丈 | 49cm(1尺2寸9分) |
前巾 | 24.5cm(6寸5分) |
後巾 | 30cm(7寸9分) |
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈69.5cm(1尺8寸3分) 袖巾35cm(9寸2分)
※目視での縫込みの確認による概算となります。詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、お食事、お出かけ、行楽など
◆あわせる帯 洒落袋帯、名古屋帯、半巾帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。
この商品を見た人はこんな商品も見ています