【 仕入れ担当 田渕より 】
通の織物好きには堪らない…
沖縄の芭蕉布、静岡の葛布と共に…
日本三大古代布のひとつに数えられる織物、『科布』。
ご存知の通り本当に本当に創作数の限られる、幻の織物。
近年ではご紹介の少なくなって参りました。
現品限りでのご紹介、どうぞお見逃しなくお願い致します。
【 お色柄 】
ざっくりとした太糸で織りなされた美しい狐色の地。
そのお太鼓に先染めの科で波の意匠を表しました。
さえずるように波音が、
だが確かに人を飲み込む危険ある、
そん大自然を感じる一条でございます。
お手に取られましたら、
その素材感、そして香りまでお愉しみください。
自然に囲まれる美しき風景が脳裏に浮かぶことでしょう。
お目に留まりましたら、どうぞお見逃しなくお願いいたします。
【 商品の状態 】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【 科布について 】
シナノキ(科の木)の樹皮を細かく裂いて績まれる科糸。
それを用いて織り上げた布が「科布」です。
その歴史は縄文・弥生時代にまでさかのぼり、
9・10・13世紀には文献にも登場、かつてはかなりの量が生産され、
衣類として需要があったものと考えられております。
山間の村々で織られていた科布。
大麻布や苧麻布の普及によって織り上げ数が少なくなり、
江戸時代に木綿栽培が始まるとより一層生産地が減少、
さらに第一次世界大戦後には風前の灯火、
もはや新潟県と山形県の一部にしか残らなくなりました。
その織り上げは、一年がかり。
木を切り、皮をはぎ、水につけ、煮る、洗う、裂く、績む、撚りをかける、織る。
20以上の工程を経て、はじめて布になります。
丹精込めた手仕事で作られますので、大変希少価値の高い織物と言えましょう。
市場にもほとんど出回りません。
その特徴は、ざっくりとした素朴な手触り、自然な色合い。
大変軽くて通気性に優れ、水に強く、陽射しによる変色の心配もございません。
使い込むほどに木肌の艶がでてまいります。
その強靱さ、耐水性、通気性、織り目の美しさと素朴さ。
人の心の通ったあたたかさは、現代の人々の感性に訴えるものがございます。
山里の暮らしの中で受け継がれてきた伝統と、
根気のいる作業を経て生み出される素朴な風合いの布には、
力強い生命感が溢れています。
科100%
長さ約3.6m
お太鼓柄
◆最適な着用時期 盛夏(6月末~9月上旬)
◆店長おすすめ着用 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 観劇、お食事、お出かけなど
◆合わせる着物 上布、小紋、織のお着物など
※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワが付いております。この点をご了解くださいませ。
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