”セール2日18時迄！” 【呉服の月最終セール】 【日本工芸会正会員　山岸幸一】 傑作最上紅花染寒染真綿紬 『銀座もとじ』誂え ≪御仕立て上がり・中古超美品≫ 「紅衣」 奇跡の出会い！ 色に宿る命。草木との対話… 身丈162.5　裄67

【　仕入れ担当　渡辺より　】

この様な作品には決して多くの言葉は必要のない物なのかもしれません。
日本工芸会正会員・山岸幸一氏の至極の逸品。
百貨店さんや専門店さんなどで特集も組まれる、
織物好きにはたまらない、至宝の染織品でございます。

染色のその道を極めし求道者の逸品紬。
ご検討いただける方へ
是非とも一度バイヤー渡辺にお問い合わせくださいませ。
お値段に付きまして、些細ではございますが、
できる限りご対応させていただきたく存じ上げます。

飽くなき”ほんもの”へのこだわり。
風合いの良い糸を探し求めた氏ですが、
なかなか自分の思いが叶う糸に出会えず、
ご自身で蚕を育てようと決心され、蚕の生育過程を知り、
それらの性質を詳しく知り、出来る限り最良の状態の時期に糸を紡ぐ、
こうして作られたお着物は真綿のほっこりとした印象からは想像できないほど軽く、
反物の状態で約630ｇと言われており、
これはごくごく一般的な丹後ちりめんの白生地の重さとほぼ同じでございます。

染色においては、

『濁りの無い自然流水』
『澄んだ空気と清らかな風』
『燦燦と輝く太陽』

その全てが揃った最も良い環境、それを育む最高の条件が集まっている場所を求めた結果、
現在の工房がございます、山形県米沢市の赤崩にたどり着かれました。
源流は最上川、弱アルカリ性の水質は絹にとっては最高の自然流水。

しかしながら人間にとってはそうはいきません。
氏の代名詞でもある寒染を行う季節は真冬。
しかも午前4時ごろの生きとし生けるものが寝静まり、
辺りが静寂に包まれるこの”一瞬”
気温が零下を示し、どんなに厚着をしてもものの数分で全身の感覚がなくなる気温の中、
心を無にし、腿まである長靴を履いて小川に入り、
素手で丹精込めて作った染液に糸を浸けていきます。
充分に糸に染液が染み込むとゆっくり引き上げ、
空気を含ませ、また染液に浸し糸を繰る。

これを染めに使っていた染液からすべて紅色が抜け、
真水のように澄んだ色になるまで繰り返していきます。
30分もかけて糸を小川で泳がせると、糸はどんどん澄んだ色に発色し、
雪の照り返しに包まれなんとも言えない輝きと人を包み込むような優しい発色。
いわゆる濡れ色と言われる驚くほど綺麗な糸になっていくのです。

蚕から育て、良い色を出すために厳寒の冬に寒染をし、
1年寝かせまた冬に染め重ね、3年かかって糸を染めて…
気が遠くなる程のきものをつくる工程を、お一人でされておられます。
書ききれぬぐらい多くのこだわり、まさに世界でただ一つ、唯一無二の1点でございます。

素朴とは何か。
本当の素晴らしさとは何なのか。
一織一織、丁寧に丁寧に創作されたおきもの。
草木の恵、熟練の技と美的感覚の研鑽…
それが生みだした味わい深い彩りと手触り、
着姿を考え作り出された一枚の着物。

美しい草木染めの色彩に胸をうたれます。
長々と言葉を連ねてしまいましたが、
やはり実際にご覧いただいた時の感動に勝るものはございません。
是非とも貴方様の目で直接味わってください！


【　お色柄　】
このお色　一言で薄紅と表現するのは
大変おこがましいような気がいたします。
段々と重ねられた いろどりの深さ。
真綿手引の糸に染み込んでゆく お色はまさに一期一会。
いろどりはもとより本結城なみの
ほっこりとした仕上がりは
通の方にも絶対お気にめしていただけることと思います。

全てにおいて大人の上質な素晴らしいお洒落を感じさせてくれます。
繊細な気品を感じさせ、心楽しく装っていただける…本当に素敵なお品です。

末長くご愛用いただけることと思います。
終生お手元でご愛用いただければと願いつつ、
大切にお届けさせていただきます。

【　商品の状態　】
未着用か断定が出来かねたため中古と記載しておりますが、
新古品として変わらぬ程度の、
仕付け糸もついたままの美品でお手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。


【　山岸幸一　経歴　】
1946年　米沢市に生まれる
1964年　山形県立米沢工業高等学校紡織科を卒業
1965年　家業の織物業に従事
1973年　山崎青樹に師事
1975年　米沢市大字赤崩に工房を開設
1980年　伝統工芸新作展に初入選（以降入選入賞多数）
1990年　ＮＨＫ番組で紅花寒染が紹介される
1992年　日本伝統工芸染織展に入選
1994年　ＮＨＫ「おはよう日本」で寒染を紹介される
1995年　伝統工芸新作展日本工芸会東日本支部賞を受賞
1996年　日本伝統工芸展に入選
1998年　日本工芸会正会員に認定
2000年　日本伝統工芸展奨励賞を受賞
2001年　伝統工芸新作展鑑審査委員に就任
2003年　ＮＨＫ「ひるどき日本列島」で全国放送
2005年　うすはたの会イギリスロンドン展羅織着物出品
2007年　日本伝統工芸展連続入選
2008年　日本伝統工芸染織展連続入選