商品番号:1536987
(税込)
(税込)
【 仕入れ担当 田渕より 】
飾らず、こびず、しなやかに。
琉球の『王府の布』と呼ばれた、首里織…
その名を広めた第一人者、人間国宝 故・宮平初子氏による
総道屯織の絶品でございます。
幸運にもご縁が重なり、奇跡的にご紹介が叶いました。
多くの染織作家や職人が神様のように畏敬の念を抱き、初子氏に導かれ、
染織の世界に魅入られた人間のなんと多いことか…
証紙、生地端も揃ったまさに完品。
今後このようなお品との出逢いはお約束ございません。
戦後、柳宗悦らによって見出された天才的な織の才能を…
どうぞお手元でご堪能下さいませ。
【 お色柄 】
絹本来の艶めきを浮かべる、しなやかな地風。
お色は梅鼠色に茶色の濃淡を基調として
ロートン織ならではの畝のある規則正しい間道のお柄が、
織りの美を一層引き立てて。
高度な技を要する織物ですので、一度お手にしていただければ、
その素晴らしさをひと目で感じとれることと思います。
織り手の巧みな技と、その織物だけが持つ独特の尊さや気高さ、
美しさを存分にお楽しみください。
紬を専門にされている業者さんでさえ、
ほとんど見たことがないと言われる逸品。
是非、このご機会を大切に…
末永くご愛顧していただける方に、
京都室町より心を込めてお届けいたします。
【 商品の状態 】
中古品として仕入れて参りましたが良好です。
洗いに出されたと見られるしつけ糸がついており、
お手元に届いてすぐにお召しいただける状態でございます。
【 宮平初子について 】
大正11年、古き良き王府時代の風情が残る首里に生まれました。
幼少時より、織物に関わることに大変興味を持ち、
好奇心旺盛で蚕と間違えて桑の葉で虫を育てて遊んでいたというエピソードも。
「首里の着倒れ」といわれた首里人気質なのか、
子供ながらも着物はこの世で一番大切なものと考えていたそうです。
初子氏の母親も祖母も、機織りや糸紡ぎを行っておりましたので、
機織りの様子や織り上がった布を見、
自然に首里の織物がどのようなものか身についたようです。
その後、首里の女性の最高のたしなみとされた織物を学ぼうと県立女子工芸学校に進学し、
卒業後、沖縄の工芸調査に訪れた柳宗悦・柳悦孝氏らの縁により、
研修に赴いた日本民藝館で多くの方々から技術や心構えを学びました。
戦時中でさえ、廃墟の中からパラシュートを拾って
紐をほどきネクタイを織るほど、寸暇を惜しんで機織りをつづける情熱。
また、模様に込められた想いや、
織り上がった喜びを琉歌に詠んで楽しまれている姿は、
技術だけではなく、お召しになられる方の幸福を願って織るという、
宮平初子氏の「織の心」が感じられます。
そうした功績により、昭和49年には、「首里花織(ハナウイ)・道屯(ロートン)織・
花倉織・ムルドゥッチリ・手縞(てじま)・煮綛(ニーガシ)芭蕉・花織手巾(ティサジ)」の
7つの技法で、故大城志津子氏と共に沖縄県指定無形文化財保持者の認定を受けます。
次いで平成10年、国指定重要無形文化財「首里の織物」保持者(人間国宝)に認定されました。
【 略年譜 】
大正11年 沖縄県に生まれる
昭和14年 (財)日本民館、柳悦孝染織研究所へ入所
16年 沖縄県立女子工業学校で教鞭をとる
33年 琉球政府経済局中央農業研究指導所教師
38年 琉球工業研究指導所勤務、主に植物染料研究に従事
40年 沖展会員(~現在)
44年 国画会会員(~現在)・第43回国展国画賞受賞(「蘇枋地手縞」)
45年 昭和45年度日本民芸館展日本民芸館賞受賞(「手縞着尺」他)
48年 第7回沖縄タイムス芸術選賞大賞受賞
49年 沖縄県指定無形文化財「本場首里の織物」保持者に認定
50年 労働大臣表彰(卓越技能章)
51年 那覇伝統織物協同組合理事長に就任
56年 黄綬褒章を受賞
59年 第4回伝統文化ポーラ特賞(首里の織物の復興)
平成 4年 ダイヤモンドレディ賞受賞
5年 「現代の染色ー素材と技の美ー」(福島県立美術館)招待出品
10年 国の重要無形文化財「首里の織物」の保持者(人間国宝)に認定される
【 首里織について 】
経済大臣指定伝統的工芸品指定(1983年4月27日指定)
「首里の織物」として沖縄県の重要無形文化財にも
指定を受けている。
※1998年に重要無形文化財に指定されたが、
2022年3月に保持者・宮平初子の死去により
指定が解除、2023年に改めて再指定された
琉球王国の城下町として栄えた首里の地で
織り継がれてきた絣織物と紋織物の総称。
分業せずに全工程を手作業で一貫して生産する
少量多品種の形態を取っている。
首里花織(ハナウイ)・道屯(ロートン)織、
花倉織、ムルドゥッチリ、手縞(てじま)、
煮綛(ニーガシ)芭蕉、花織手巾(ティサジ)
がある。
特に花倉織と道屯織は、首里王府の城下町として
栄えた首里のみで織られる王族や貴族専用の織物で、
花倉織は先染め紋織物、黄地、水地、紺地などの
無地や濃淡の配色が主流。
道屯織は琉球王朝時代には男性衣として用いられたが、
現在では着尺帯や小物類に使用されている。
表裏:絹100% (縫製:手縫い)
◆八掛の色:紅鳶色
身丈(背より) | 161cm (適応身長166cm~156cm) (4尺2寸5分) |
---|---|
裄丈 | 67cm(1尺7寸7分) |
袖巾 | 34.5cm(0尺9寸1分) |
袖丈 | 50cm(1尺3寸2分) |
前巾 | 26.5cm(7寸0分) |
後巾 | 30cm(7寸9分) |
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈68cm(1尺8寸0分) 袖巾35cm(9寸2分)
※目視での縫込みの確認による概算となります。詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃、
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン カジュアルパーティー、芸術鑑賞、観劇、お食事、お出かけ、行楽など
◆あわせる帯 洒落袋帯、名古屋帯など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。
この商品を見た人はこんな商品も見ています