商品番号:1533334
【 仕入れ担当 岡田より 】
人間国宝【 故:北村武資 】氏による、
縦方向に糸が揺らぎ、羅にも通じる構造美を感じさせる
【 羅文帛(らもんはく) 】の男物紬着尺のご紹介です。
かなり広巾の男物として製織されておりますが、
長さが13.3m程ございますので、裄の長い女性の方の
お着物としてもお誂え可能かと存じ上げます。
古代織の再現に留まらず、現代に生きる織を。
織物の新しい世界に挑戦し続けた武資氏の作品の中でも
かなり希少な織り上げのお品。
『羅』という名称が付けられておりますが、
羅の組織ではなく、平織を変化させて製織された
お品で、この繊細なゆらめきを同じ表情で
着尺丈もたせるのは至難の技とのこと。
織物に精通した武資氏だからこそ
製織を可能とした織物でございます。
そして残念ながら2022年3月31日に逝去されたため
これより先新たな作品の創作はございません。
もとより、お着物の創作数はかなり少なく、
これまでのご紹介も数えるばかりでございましたが
羅文帛はその中でも本当に数がございません。
お探しの方はお見逃しなきようご検討くださいませ。
【 お色柄 】
風のそよぎを表現したようなわずかなゆらぎが感じられる、
ごくごく細い消炭と墨黒の真綿糸を用いた混色の紬地に、
繊細な縞が織りだされております。
武資氏の代名詞ともいえる『経錦』の織とはまた違う、
軽やかでさりげない装いをお楽しみ頂ける事でしょう。
【 羅文帛(らもんはく)について 】
羅の文様の布の意。
人間国宝・北村武資の作家としての初期の作品で
綟り織ではなく緯糸を打ち込む筬に工夫を
加え、経糸を左右に動かして揺らめかせる事で
羅の表情を表現した特殊技法による平織の織物。
極細の真綿糸を使用し、通常は筬の目に
固定されているものを打ち込みごとに
宙に浮かせる事で平織であるのにゆらぎのある
独特の奥行きを感じさせる表情となる。
【 北村武資(重要無形文化財保持者)について 】
【 生年・認定年 】
1935年(昭和10年)8月18日生。
1995年(平成7年)重要無形文化財保持者「羅」保持者に認定
2000年(平成12年)重要無形文化財保持者「経錦」保持者に認定
2022年(令和4年)3月31日没 享年86歳
早くに父を亡くし、15歳から西陣の機屋に働きに出て、
そこで基本となる技術を習得、1959年には
初代・龍村平蔵の織の世界を継承する
龍村美術織物に入社。
1960年に京都市北区紫野に小さな機場を借りて
独立後は『織とはなにか』を研究、高度な製織技術を
精力的に探求し、裂の復元や再現、織の技術の発展に
尽力している。
【 略歴 】
1951年 京都西陣で織物業に従事
1962年 法衣金襴制作技術者として独立
1965年 第12回日本伝統工芸展入選
1968年 第15回日本伝統工芸展 NHK会長賞受賞・日本工芸会正会員
1971年 京都国立近代美術館「染織の新世代展」
1983年 「亀甲花葉文経錦」文化庁買上
1987年 「忍冬花文羅」京都府立総合資料館買上
1990年 京都府指定無形文化財保持者「羅」「経錦」認定
MOA美術館岡田茂吉賞工芸部門大賞受賞・日本工芸会理事
1994年 第41回日本伝統工芸展 日本工芸会保持者賞受賞
1995年 重要無形文化財保持者「羅」認定
日本伝統工芸展等の鑑・審査員を歴任[2]
1996年 紫綬褒章受章
2000年 重要無形文化財保持者「経錦」認定
2005年 旭日中綬章受章
2022年 3月31日没 享年86歳
絹100%
長さ約13.3m
内巾:約41.5cm(最長裄丈約79cm 袖巾肩巾39.5cm)
※素材の性質上、フシによる凹凸組織の変化、色の濃淡などございます。
風合いであって難ではございませんので、その点ご了承くださいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
※単衣のお誂えでしたら6月、9月の単衣の時期
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 芸術鑑賞、観劇、ご友人との気軽なお食事、街歩き など
◆あわせる帯 兵児帯、角帯
お仕立て料金はこちら
[ 着物 ]
地入れ3,300円+胴裏(金巾)13,200円+袖口布1,980円+海外手縫い仕立て30,800円(全て税込)
※国内手縫い仕立て+13,200円(税込)
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