商品番号:1524175
(税込)
【 仕入れ担当 中村より 】
日本工芸会正会員、群馬県指定無形文化財保持者であられた
江戸小紋染め師【 故:藍田正雄 】氏が染め上げた、
特選伊勢型手付け小紋のご紹介です。
滅多とご紹介の叶わない傑作品が入荷しました。
まさに一期一会。欲しいと思って手に入るお品ではございません。
究極の江戸小紋、お探しの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
縞柄は江戸小紋の中でも別格とされています。
縞の名手である藍田氏による究極の縞柄・玉縞。
今現在、伊勢型を使用してこの玉縞を染めることのできる職人が何人いるのでしょうか…。
本当に希少な作品でございますが、
寸法が小さめのため大変お値打ちにご紹介が叶いました。
今回は帯匠誉田屋の袋帯とのコーディネートセットをご紹介
バイヤーが自信をもっておすすめさせていただきます。
どうぞお見逃しなくお願い致します。
【 お色柄 】
[着物]
落ち着きのある黒色を基調に染め上げられた縞模様。
遠目には無地、近づいて浮かび上がる細やかな模様の粋。
申し上げるまでもなく、数あるお品ではございません。
一反を染め上げるのに、
数多くの職人が、長く厳しい修行の後、「道」と呼ぶまでに極められた
その心を、作品から感じ取っていただければ、これほどうれしいことはございません。
[帯]
帯地の軽さからは考えられない重厚な風格を感じさせる逸品。
ほどよいシャリ感を感じさせる帯地は、
黒緑、墨黒、ブロンズなどの濃淡のぼかしの表情が浮かぶ焼箔地。
お柄には、その名の通り、彫金を思わせる奥行きある織表現にて法隆寺の天馬文様を。
さすが誉田屋と言える、独特の箔糸使いの妙。
趣味性豊かながらも、日本文化に基づいた和の美しさが結実しております。
【 商品の状態 】
中古品として仕入れてまいりましたが、
大切に保存されていたのでしょう、美品でございます!
お手元で現品を確認の上、お値打ちに御召くださいませ!
【 藍田正雄について 】
日本工芸会正会員
群馬県指定無形文化財保持者
江戸小紋にすべてを捧げた職人。
その技術を守り後世に残すため、自分の学んだ技術を
惜しみなく弟子に教えた。
私財を投じて伊勢型紙を集め、伊勢の型彫職人の元に
通いつめて新しい型紙まで作る徹底したその仕事ぶり、
職人としての誇りと江戸小紋への愛は並々ならぬものであった。
【 江戸小紋・縞柄について 】
縞柄は江戸小紋の中でも別格とされています。
ごくごく簡単にご説明致しますと、今回の【玉縞】は【万筋】を更に細かく細くした縞でございます。
縞の本数が、3cm幅に19本の【毛万筋】、23本の【万筋】
そして26本の【玉縞】、本品はこの玉縞の超逸品でございます。
また縞柄が別格とされる所以は「型継」の難しさにございます。
他の柄のように切れ目がないため、反物の端から端までずれなく、真っ直ぐに型を継いでいかなくてはなりません。
文章で表現致しますとただそれだけではございますが、
一反に込められたその神業の数々、お手元でご覧いただければその精密さにご納得いただけることでしょう。
昔より染めものは、柄師(デザインを施すもの)、彫師(柄を彫るもの)、染め師(染色をするもの)の手から成り立っております。
【伊勢型紙】はその中で、柄を彫る工程にあたります。
彫り師は、求められた柄を、渋紙(和紙に柿渋を塗っていぶし、強度を高めたもの)にあてて、その通りに小刀を走らせます。
数ある伊勢型小紋の中でも特に縞文様は数ミリのズレも許されないまさに職人芸。
一つの作品に一ヶ月かかることなど珍しくなく、孤独な作業にとり組みます。
だからこそ、彫師の魂がやどった、神がかり的な作品が生まれるのでしょうか…
そしてその絶大なる集中力で刻された型紙は、「糸入れ」という工程を経ます。
慎重に二枚にはがされ、上下の間に「二十一中」という細い糸をはさみいれ、
再び柿渋で寸分狂わずに元通りの型紙にするという神業的な作業…
玉縞ほどの細やかな縞になりますと糸入れは、これもまた熟練の匠でないとできません。
その様な工程を経て、
職人の魂とも呼べる型紙、たった一枚の伊勢型紙だけで糊伏せを行い染め上げる、
中でも「縞」の染めは、数ミリずれるだけで仕上がりの印象が変わるほどの繊細な型紙。
他の柄模様は、型をおけるけれども縞は出来ないとおっしゃる職人も少なく有りません。
更には一部でも破損すれば、永遠に同じものを製作することはできないその緊張感の中での糊伏せ・・・
しっかりとご覧いただくと縞模様に浮かび上がるかすかな横線、これが糸入れの跡でございます。
【 誉田屋源兵衛について 】
1738年(元文年間)創業
京都室町の帯の製造販売の老舗。
現在は十代目である山口源兵衛が、代々受け継がれてきた
技術とともに革新の精神を持って意匠、配色、素材、
一切の妥協を許さず、洗練された帯を作り続けている。
【 沿革 】
1738年 初代矢代庄五郎により、南矢代誉田屋創業、
西陣大火災後の復興に尽力。
1868年 6代目矢代庄五郎より、京都松尾出身の
山口源兵衛が7代目を継承。初代誉田屋源兵衛を名乗る。
西陣帯地大元卸商として「横綱」の称号を得る。
1917年 7代目誉田屋源兵衛没、8代目誉田屋源兵衛襲名、継承。
1933年 8代目誉田屋源兵衛没。9代目誉田屋源兵衛襲名、継承。
1981年 9代目誉田屋源兵衛没、現10代目誉田屋源兵衛襲名、継承。
後、帯作りに専念。
1985年 全国の原始布を素材として個展を開催。
以後、インド、東南アジアの野蚕糸を帯に用いる。
1994年 京都六条の江戸末期の町屋にて創業260周年展。
1999年 「京都誉田屋源兵衛帯ときもの展」開催。
2000年 「誉田屋源兵衛 織りの帯展」開催。
2002年 小石丸企画に対して日経MJ賞受賞。
日本の原種の繭である小石丸の復活と継続、
日本の染色技術の活性化に努める。
2003年 日本文化デザイン大賞受賞。
[着物]
表裏:絹100% 縫製:手縫い
◆八掛の色:黒色
※中陰蔦の一つ紋が入っております。
[帯]
絹100%(金銀糸繊維除く)
長さ約4.4m
耳の縫製:かがり縫い
お柄付け:お太鼓柄
※ガード加工済み
身丈(背より) | 151cm (適応身長156cm~146cm) (3尺9寸9分) |
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裄丈 | 64cm(1尺6寸9分) |
袖巾 | 32cm(0尺8寸4分) |
袖丈 | 47cm(1尺2寸4分) |
前巾 | 24.5cm(6寸5分) |
後巾 | 28cm(7寸4分) |
【裄丈のお直しについて】
概算ではございますが、以下の最長裄丈までお出しできるものと思われます。
≪最長裄丈≫ 裄丈68.5cm(1尺8寸1分) 袖巾35cm(9寸2分)
※目視での縫込みの確認による概算となります。詳細はお気軽にお問い合わせ下さいませ。
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン お付き添い、お茶席、芸術鑑賞、観劇など
※着姿の画像はイメージ写真です。柄の出方が少々異なる場合がございます。
※仕立てあがった状態で保管されておりますので、たたみシワなどがあることがございます。この点をご了解くださいませ。
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