商品番号:1520196
【 仕入れ担当 戸高より 】
幾度となく衰退の危機を辿りながらも、
今なお新しい風を吹かせ感性に磨きをかけ、
琉球独特の雰囲気を織物に表現した世界。
紅型三宗家の一家「城間家」の15代目、
日本工芸会正会員【 城間栄順 】氏の特別な一条でございます。
お着物が好きな方でいらっしゃいましたら
その名を聞かない場が見つからない程、
当たり前となってしまった氏の作品。
父【 城間栄喜 】氏譲りの職人気質と並々ならぬ情熱を持ち、
海や魚などの自然から見出すテーマに心血を注ぎ、
精緻な手の感覚のみで表現される意匠は
興味を引き付けて放すことはないでしょう。
本品はその氏の風合いを、さらに激励する小千谷紬地を用いました。
織り上げは「越後おぐに くるまや工房」としても名の知れた
【 高三織物 】でございます。
新潟の小千谷紬を紫萁(ぜんまい)織にて構成。
味わいの深い面持ちを呼び出し、見事な世界観を創り上げて。
このフシ感の中、しっかりと迫力のある意匠を表現する技術は
「さすが、【 城間栄順 】。」と感嘆してしまいます。
2022年、氏は米寿を迎え、
ここまでのお品が新品として掲載される可能性は確実に減っております。
どれもが高額で易々と手を出せる値段では無いですが、
それでもおススメしたい一品。
終生ご満足いただける事はお約束します。
紅型帯ならではの風情をお楽しみ下さいませ。
【 お色柄 】
先述の通り、地は【 高三織物 】謹製、紫萁織の小千谷紬地でございます。
全体は真珠色にて織り上げられ、ふんわりと柔らかな印象を与えて。
紫萁(ぜんまい)織のフシのある横段を不等感覚に並べ、
素朴な世界を創り上げております。
お太鼓には海藻の中で見つめ合うタツノオトシゴの意匠。
海老赤色と杜若色を基調にした琉球紅型特有の彩で描かれたお柄は
ぼやけた感覚まで妥協せずに染め成し一切滲むことなく、
はっきりとそこに居ることを主張しています。
ひとつひとつの丁寧な手作業と、刺繍や金箔などを使わずに、
顔料の発色の鮮やかさと型のデザイン性だけで勝負した紅型。
妥協の許されないほんものの仕上がりを。
どうぞお手元でじっくりとお確かめください。
【 城間栄順(しろまえいじゅん)について 】
紅型三宗家城間家15代
日本工芸会正会員
沖縄県指定無形文化財「びん型」保持者
城間びんがた工房代表
1934年沖縄県・那覇市生まれ。
琉球王朝時代から続く紅型の三大宗家のひとつ、
城間家の15代目。戦後の混乱の中、紅型の復興に
尽力した城間栄喜の長男として生まれ、父より
城間家の伝統技術を継承。
魚や海、沖縄の大自然をモチーフにした
独自の世界観を織りなす作品をつくりだしている。
【 経歴 】
1934年 沖縄県首里市(現在・那覇市)に生れる
1959年 首里高等学校を卒業 家業の紅型に専念
1963年 沖縄美術展覧会(通称沖展)染織部門奨励賞受賞
1965年 沖展準会員に推挙
1966年 沖展準会員賞を受賞
1987年 城間栄順紅型展(青砂工芸館)
1997年 沖縄県指定無形文化財「びん型」保持者認定
「現代の名工」表彰
2006年 城間栄順紅型作品展「宝布に華咲かち」
(那覇市民ギャラリー、時事通信ホール・東京)
2015年 城間びんがた三代継承展(沖縄県立博物館・美術館)
2022年 城間栄順米寿記念「紅(いろ)の衣」展
(沖縄県立博物館・美術館)
【 琉球紅型について 】
経済大臣指定伝統的工芸品(1984年5月31日指定)
早くは13世紀から起源を持つと言われる、
独自の染技で育まれてきた沖縄の染物の総称。
鮮明な色彩、大胆な配色、図形の素朴さが特徴。
「紅型(びんがた)」の呼称は昭和に入ってからで
それまでは「型附(カタチキ)」と呼ばれた。
階級によって使用できる色と模様が異なり、黄色地は
王族以外は使用不可、図柄が大きく肩と裾に模様がある
二段肩付は王族を示す柄である。
大部分は首里で作られ、知念・沢岻・城間の三家が
御用紅型師であった。
琉球紅型には下記の種類がある
紅型:「琉球びんがた」のビンは「色彩」の意があり、
白地紅型、染地紅型、返し型、朧型、手附紅に分類される。
これらは型附(カタチキ)と呼ばれる糊置防染手法による
型染めで、型紙を当てて生地に糊を塗り、そのあとで
取り去った型紙の模様の部分に色を差す染め方で、
さらに地染めが施されるものもある。
藍型:藍の濃淡や墨で染められた紅型。
えーがたと呼ばれ、白地藍型、黒花出し、白花出し、
浅地花取り、藍朧(えーうぶるー)などに分類される。
型紙は染地(線彫り)型を使う。
濃藍から各種の藍の変化と地の白とで、大きめの模様で表現する。
筒描き:糊引(ヌイビチ)と呼ばれ、紙を使用せずに
防染糊を入れた円錐状の糊袋の先から糊を絞り出しながら
生地に模様を描き、そのあとで模様の部分に色を差す方法。
技法的にも難しく、均一に絞り出すために布面に垂直に置き、
進行方向に傾けながら一気に線を引かなければならない。
絹100%・金属糸風繊維除く 長さ約3.6m(お仕立て上がり時)
柄付け:お太鼓柄
おすすめの帯芯:綿芯「松」
◆最適な着用時期 10月~翌年5月の袷頃
5月下旬~6月、9月~10月上旬の単衣頃
◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません
◆着用シーン 音楽鑑賞、観劇、ランチ、お出掛け、ご旅行など
◆あわせる着物 小紋、御召、紬、織の着物など
★名古屋仕立て(税込9,350円※綿芯「松」代含む)
胴に巻く部分から手先までを半分に折って縫製された仕立て方です。
お着付けの際に半分に折る必要がないので、楽に着付けることが出来ます。
★開き仕立て(税込12,650円※綿芯「松」代含む)
半分に折らずに帯地と帯芯をかがって仕立てます。
胴回りをご自身の好きな巾で結ぶことができます。
★松葉仕立て(税込12,650円※綿芯「松」代含む)
手先の部分だけを半分に折って縫製された仕立て方です。
胴回りは折らずに仕立ててあるのでご自身の好きな巾に調節することができ、
かつ手先は半分に折っているので楽に着付けをすることが出来ます。
※開き仕立てと松葉仕立ては縫製の関係上帯芯が見える状態です。
着用時には見えませんので問題はございませんが、気になる方は+1,650円で裏地を付けることもできます。
ご希望の方は、「モス裏地付き」のお仕立てをお申し込み下さい。
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