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ひろこ的バイブル!“きもの番長”の素顔。【イラストレーター 松田恵美さん】(前編)「着物ひろこが会いに行く!憧れのキモノビト」vol.15

ひろこ的バイブル!“きもの番長”の素顔。【イラストレーター 松田恵美さん】(前編)「着物ひろこが会いに行く!憧れのキモノビト」vol.15

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タイ生活中に浴衣から着物生活をスタートした”着物ひろこ”こと長谷川普子さん。SNSでの発信がバズり、帰国後は静岡拠点での活動も多彩に。今回は、そんなひろこさんがタイ在住時から注目していた“きもの番長”ことイラストレーター・松田恵美さんが登場です。

2026.02.25

ライフスタイル

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イラストレーター 松田恵美さん

タイ在住中、“きもの番長”のイラストに出合い、一目で虜になったひろこさん。その活動をずっと追いかけている中、ちょうど台湾で暮らしているときに発売された台湾版の中文(繁体字)LINEスタンプも即購入したといいます。

ひろこさんにとってコーディネートのお手本でもある“きもの番長”の生みの親、イラストレーター・松田恵美さんとは、どんな女性なのでしょうか。

松田さんプロフィール画像

松田恵美

着物と猫が大好きなイラストレーター、エッセイスト。

著書に着物を日常におしゃれに楽しくをテーマにした『きもの番長 ことはじめ』『きもの番長2コーディネートレッスン編』『きもの番長の おしゃれのAtoZ』(共に祥伝社)がある。また、台湾版、中国語版も出版されている。

着物ひろこ(以下、ひろこ):まずは、ずっと気になっていた“きもの番長”という呼び名の由来からお聞きしても? おしゃれ番長という言葉もあるけれど……番長ってちょっと強い言葉ですよね。

松田恵美(以下、番長):いまはSNSやYouTubeから着物について学べますが、当時は情報をシェアする手段が少なくて、着物へのハードルが高かったんですよね。素敵なんだけど、どうしても「礼装・高級・難しそう」というイメージが強くて。そういった従来のイメージを言葉にすると「お嬢様」って感じ。それももちろん良いけれど、もっと普段着として楽しめたら……と。浴衣でビアガーデンへ行ったり、小紋でカフェ巡りをしたり。だから、「お嬢様」の対義語として「番長」を選びました。「着物番長」とすべて漢字にしてしまうと硬い印象なので、「きもの」はひらがなに。

ひろこ:なるほど!

番長:気がついたら友人たちにも「番長」って呼ばれるようになって。見ての通り、小柄なので、街中でそんなふうに声をかけられると、周囲の人たちが「え⁈」って振り返ることも(苦笑)。本のタイトルなんですけど、ね。

人気の著書

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海外生活で目覚めた和文化への興味

ひろこ:「きもの番長」シリーズは、私のコーディネートのお手本です。

何が凄いって、もう、全部が可愛いの!!シーズンごと、イベントごとに提案されているコーディネートがどれもお洒落!

中でも縞や水玉の取り入れ方がキュートで、まだ合わせ方が分からなかった頃に教本として愛読していました。幾何学模様に花柄か!とか、幾何学合わせも良いよね!なんて。イラストに描かれた柄に近いものが欲しくて、生地屋さんへ走りました(笑)。

番長:ありがとうございます。着物へのハードルを下げて関心をもってもらうには、身近な漫画やイラストで表現するのがいいと考えました。

元々、雑誌やWEBでエッセイ漫画を連載していたこともあって、初心者向けに着物のHowToというカタチにしました。

対談風景

ひろこ:当初から着物姿のイラストを描いてらしたということですが、幼い頃から着物が身近に?

番長:子どもの頃から、親戚の結婚式やお祭りのときに着せてもらうのは好きでした。小学生のときに浮世絵の写楽展を観て「着物って素敵だな」と思ってはいましたが……周りには着物の人がいなくて。

ひろこ:近くに着る人がいないと、なかなか飛び込めないですよね。何かきっかけがあったのかしら。

番長:はい。オーストラリアに住んでいたときに、日本製の家電や漫画を目にしたり、日本の文化を求められたりして、知識としてもっているつもりだったけど、「私って日本文化のことを何も知らないな」と気づき、知りたい!と思うようになりました。

帰国後、誘われては歌舞伎を観に行き、印伝※があれば買うなど、和のものに夢中でした。

※印伝(いんでん)……柔らかな鹿革に、漆で模様を付けた日本の伝統工芸品。

着物沼への入口は、“心の師”から

ひろこ:そこからどういう経緯で着物を始められたんですか?

番長:着始めたのは、まだ地元・久留米に住んでいた頃です。フリーのイラストレーターになったばかりでした。お仕事で福岡と東京を行ったり来たりしていたら、偶然、吉祥寺駅ビルにあるお店にポストカードを置いてもらえることになって。

そこの店長さんが、渋谷にあなたの好きそうなお店があるよと教えてくださったんです。

対談風景

ひろこ:そういうインプットって嬉しいですね。

番長:アンティークと現代着物が半々といった感じのお店で。どれもあまりに可愛くて、着られないけど買おう!ってテンションが上がりました(笑)。興奮して盛り上がったスタッフさんと、そのまま飲みに行ったんです。

ひろこ:え?! 店員さんをナンパされたの?(笑)

番長:はい(笑)。その人は着物のデザイナーさんでもあって、その頃出版されたばかりの雑誌『KIMONO姫』(現在の『KIMONO anne』)を教えてくれたんです。上京の度に会うようになって、裏原宿の着物店を案内してくれたり、アンティーク着物の組み合わせ方にヒントをくれたり。そこから着物沼にずぶずぶと……。彼女は、私の心の師匠です。

ひろこ:それは本当に素敵な出会いでしたね!

番長:こんなに素敵な世界があるんだ!って、カルチャーショックでした。アンティーク着物は、色もキレイだし、デザインもキレキレで。なんて豊かな文化なんだろうって、感動したのをいまでも憶えています。

松田さん

着物原体験から、初めての誂えまで

ひろこ:イラストの女性たちは全員がオシャレさんですが、モデルはいらっしゃるの?

番長:特にいませんが、ポーズは60年代の着物雑誌を参考にしています。半衿が好きなので、大きめに見せる着付けで描いています。

洋服のファッション画だと昔から頭身多めですが、着物は7頭身半がしっくりきます。

ひろこ:あの頃の着姿、私も好きです。ラインに惚れます。あんなスタイルになりたい!

番長:線をシンプルにして柄を見せるように意識しています。着物は洋服と違って型は同じなので、色柄や素材を楽しむ文化だと思うんです。江戸時代の小袖雛形※のように柄が生きる絵を目指しています。

※小袖雛形……寛文6(1666)年に刊行された初の小袖模様雛形本『新撰御(しんせんおん)ひいながた』。小袖の形をした雛形に様々な意匠を掲載した木版印刷本は、江戸時代前期から中期にかけて200冊余り出版された。人々はそれらの雛形本を参考に小袖を注文し、またファッション雑誌としてお洒落の手本とした。

著書

ひろこ:イラスト上のご自身の着物は、どれくらいの割合ですか?

番長:最初のイラストページ以外は、ほぼ自前です。

ひろこ:それは凄い!

番長:最初の本『きもの番長』(2010年刊)では、それまで自分の着姿を撮影してなかったので、ボディを購入して着付けました。それを教訓に、2冊目をつくるときは全部写真に撮って、201コーデから133枚を選びました。

ひろこ:着物の選び方にルールはありますか?

番長:好きなものを選ぶようにしています。プレタからお仕立てまで、アンティークでも現代ものでも。カジュアルな着物作家ものから伝統工芸まで。同じ着物でも時々でマイブームがあって、シンプルなもので組み合わせるのがいまのお気に入りです。

着物それひとつで完成する図案も好きですが、普段着がメインなので、一枚の着物でも小物でテイストを変えられる水玉・ストライプ・チェック・暈しなどが自然と多くなりますね。洋服のショップやアクセサリーなどの雑貨屋でも、着物に使えそうなものを買ってしまいます。

ひろこ:私も和と洋を行き来できるアイテムを選びがちです。洋テイストのものを取り入れても楽しくコーディネートできるのも、着物の懐の深さだと思います。

対談風景

続く後編では、おふたりのコーディネートの細部に宿る美意識を深掘り。それぞれのファッションへの想いを紐解きます。

構成・文/椿屋
撮影/伊藤圭

2022.04.04

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