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好きで選んだ着物たちが自信をくれる 尾上博美さん【YouTube連動】「着物沼Interview」vol.20

好きで選んだ着物たちが自信をくれる 尾上博美さん【YouTube連動】「着物沼Interview」vol.20

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着物沼に住まう民たちが着物への愛を語る、着物ラバー必見!YouTube連動連載。今回の沼住人は、尾上流日本舞踊名取および師範として活動する尾上博美さんです。ご自慢のコレクションから、自分を高みに連れていってくれる着物をご紹介します。

2026.10.09

ライフスタイル

着物を愛して40年――着物研究家の唯一無二なコレクション シーラ・クリフさん【YouTube連動】「着物沼Interview」vol.19

日本舞踊家の凛々しい着こなし3選

日本舞踊家として活躍する尾上博美さんは、後進育成のため「和楽美-warabi-」を主宰するだけでなく、和装ランジェリーブランド「Wafure」の代表として、美しい和装ランジェリーのデザイン・プロデュースを手掛けています。

今回は、そんな彼女が大切にしている着物100枚&帯100本のコレクションから、ワクワクが止まらないお気に入りたちをご紹介します。

誉田屋源兵衛とのご縁から生まれた思い出深い着物

誉田屋源兵衛とのご縁から生まれた思い出深い着物

まずは、撮影で披露してくれた着姿を見ていきましょう。

大輪の菊花が肩に咲き誇る着物は、どうしても着たいものを自身でデザインした記念すべき一枚。

テーブルで食事をする機会が多い現代では、膝部分に柄があったとしてもなかなか見えないため、「上半身が華やかになったら嬉しいな」と考えていた博美さん。

さらに「女性がパンッと立つような」インパクトのある柄を、と考えた結果、「菊一本で」大胆な意匠に。

「実は、脇のところに茎がすーっと通っているんです。それがしっかりと自分でしなやかに立つ印象に。さらには細見え効果もあって、自分でも気に入ってる一枚です」

花を主役とするため、帯や小物は引き算でシンプルに。

花を主役とするため、帯や小物は引き算でシンプルに。帯揚げは、「どんな着物にも合う」と重宝いている大好きな朱赤をちらり

二十歳で初めて買ってもらった思い出の着物や師匠に想いを馳せる一枚など、舞踊家としての半生を映し出す4枚の着物については、こちらをご覧ください。

和装ランジェリーブランド「Wafure」立ち上げは、意外にも〇〇がきっかけだった⁈

博美さん

「帯は博多などシンプルなものを合わせます」と、博美さん

次に、舞踊の稽古着として欠かせない流儀(流派)の浴衣姿です。

女形の踊りをお稽古するときの帯は蝶々文庫、男なら貝の口が定番

女形の踊りをお稽古するときの帯は蝶々文庫、男なら貝の口が定番

他流派ではあまりお目にかからない赤い浴衣。

流派ではあまりお目にかからない赤い浴衣。稽古だけでなく、外着としても愛用している

日本舞踊を通しての美しい着姿アドバイスは、こちらでチェック!

そして、こちらは正統派な印象の上品なコーディネート。

岡重の着物

岡重の着物

「いまこれを着ていて、本当にワクワクしています。岡重さんの甕覗かめのぞき色の小紋です。

当てた瞬間に、ふわっと自分の中の乙女がキラキラッと顔を出したような気がして。ここから10年間、楽しくこれを着ていけるわと思って、即決で買いました」

単衣の帯

合わせたのは、師匠からの頂き物である単衣用の帯。

「着物の柄の臙脂えんじ色がすごく印象的なので、同じ色の三分紐を選びました」と、博美さん。

柄行から何気ない色をピックアップしたコーディネートは統一感もあり、落ち着いた上品さを醸し出してくれます。

気分をアゲてくれる“褒められ着物”

着物の数々

真っ先に登場したのは、丹後でのイベントで買い求めた爽やかな単衣の色無地。ラメ感のある生地に一目惚れして、地紋様に合う水色でオーダーしたものだそう。

爽やかな単衣の色無地

「菊の大胆な帯を合わせることが多く、衿を正すような着物です」

こちらの着物は、京都きもの市場の展示会で登壇した際に着用。着姿はこちらから!

2023.02.15

イベント

「日本舞踊と“恋するWafure”」 尾上博美先生 日本最大級きもの展示会2022@東京丸の内KITTE イベントレポート vol.2

次なる一枚は、博美さんが「メロン色」と呼んでいる訪問着。

「メロン色」と呼んでいる訪問着

約25年前に、師匠である尾上菊保先生から「絶対これいいから買っておきなさい」と言われて購入したもの。

「その頃の私にはこの着物の良さが全く分からず、『なんだかなぁ……』って思っていたんです」

と苦笑いする博美さんでしたが、続けて、「でも、いま見ると本当に上品だし、可愛くなりすぎないギリギリのこのオレンジを金駒刺繍が綺麗に華やかに彩ってくれていて、こんなにゴージャスに自分のことを見せてくれる着物はありません。本当に師匠に感謝の一枚です」

続々登場!物語を“語れる”着物たち

「(流儀にちなんだ)菊の着物はたくさん持ってるんですけど、桜の着物は持っていないんです」と、取り出したのは、さり気なく桜花舞う美しい着物です。

桜の着物

「3月中旬から4月上旬ぐらいに着る一枚です。これを着ながら満開の桜の下を歩くと、なんだか自分の体の中まで春がやってきたような気持ちになります。これを着ると、『これから行くぞ!』『頑張ろう』という気持ちになりますね」

暈しに一目惚れした金彩友禅の着物。

暈しに一目惚れした金彩友禅の着物。和田光正氏の作品

他にも続々とお気に入りの着物たちが姿を現します。

寺田豊氏が手掛けた、ただそこに在るだけで美しい京絞りの着物。

京絞りの小紋

ひと目見た瞬間、この着物に似合う自分になりたいと思い手に入れた一枚

岩下志麻さんがデザインされたという白グレーの訪問着や、パーティ着物として愛用していたもののいまはお出かけ着として気軽に着用しているという墨流しの小紋、「転生」の意味を込めた蝶尽くしの着物などなど……。

詳しくは、動画でもご覧下さい!

誉田屋源兵衛謹製の小紋と振袖

何度もお願いして蝶を増やしてもらった小紋と、同じ柄で仕立てた振袖。誉田屋源兵衛謹製

母親から譲り受けた大胆な柄の一枚

母親から譲り受けた大胆な柄の一枚は、博美さんに自身をくれる着物

50代から愉しむ“オトナ振袖”

さらに、大判の風呂敷から顔を覗かせたのは、まだ仕立て上がっていない豪華な染着尺!
「まさに私がいまこうありたいと思っている一枚だと思います」と、博美さん。

振袖

「50代半ばになってきて、ここからまとまっていってもいいのかな……と思う時期でもあります。

ところが、去年振袖を着る機会があって、友人から借りたグリーンの振袖を着たんですね。それがめちゃくちゃカッコ可愛かったんです。ほんとにドキドキワクワクして!これアリなのかもと思って、自分の振袖が欲しくて買い求めました。一張羅を着て、自分を鼓舞するような、そんな秋になればと思っています」

“オトナ振袖”にトライしたい人たちへ、「とにかく楽しむこと」が大事だと微笑む博美さん曰く、

「新しく一枚買うもよし、昔の振袖を帯・帯揚げ・帯締めを変えて着るもよし。いまの自分とちゃんと会話すること、そしてせっかくの振袖ですから『ドヤッ!』って気持ちを楽しめたらいいですね」

2025.07.28

エッセイ

大人が振袖を楽しむ方法 「きくちいまが、今考えるきもののこと」vol.94

「着物は自分自身を高みに導いてくれるもの」

好きな着物を買い、身に纏うことで、自信を得てきた博美さん。基本は一目惚れ、購入は即決という彼女が、たくさんの出合いを経てきたからこそ、「お棺に入れてほしい」と望む品があります。

鳳凰と牡丹の帯

「鳳凰と牡丹という、王者と王者みたい組み合わせの帯です。『この帯に自分が見合う人間でいたい』と思わせてくれる一条です。

このちょっと紅型チックな感じが好きなんでしょうね。舞台でもパーティでも、とんでもなくよく締めてます。これを見たら私だと思ってください(笑)」

「この帯は、私に自信をくれる一本」(博美さん談)

「この帯は、私に自信をくれる一本」(博美さん談)

「『羽衣』という作品を自らの振付で、チェロとヴァイオリンの楽曲に合わせて踊った舞台でも「羽衣は天女が空に帰っていく作品なので、衣裳のことを考えたときに、間違いなくコレしかない!と思いました」

「着物って、自分で思っている以上にその時々のことが甦ってくるものですね。くださった方の想いだったり、買ったときの気持ちだったり――そういった想いをずっと持ったまま着られるのが着物なのかな。

着物を選ぶことは、いまの自分を知るチャンスかもしれないです。もちろんこれからも新しい出合いがあれば、ぜひそれを着こなせる女になりたいと思うと同時に、30年前に買ったけれども全く着こなせていない着物があるので、ここからその着物と一緒にもう一歩成長していけるかなとも思っています。その着物で淀みなく歩けるようになったら、いい歳を重ねてるんじゃないかなって」

これほど多彩な着物や帯を美しく凛々しく着こなす博美さんが近づきたいと思っている着物については、ぜひインタビュー動画にてお確かめください。

文/椿屋
スチール撮影/五十川満

2025.04.21

カルチャー

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