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人気着付け講師の着物収納術を拝見! みずのしのぶさん【YouTube連動】「着物沼Interview」vol.14

人気着付け講師の着物収納術を拝見! みずのしのぶさん【YouTube連動】「着物沼Interview」vol.14

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「着物沼Interview」は、着物沼住人の価値観や流儀から着物の魅力を深掘りするYouTube連動連載です。今回は、着付け講師・みずのしのぶさんがご登場。一軍を煮詰めた着物をいかに収納しているか、そのテクニックをお聞きしました。

2026.03.21

ライフスタイル

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大好きな唐子が主役!遊び心のある装い

みずのしのぶさん01

今回の着物沼住人は、着付け講師・みずのしのぶさんです。

整理整頓好きが高じて着物の世界へ飛び込んだ異色の経歴をもち、2013年に名古屋で「みずのしのぶ着付け教室」を開設しました。後に京都市中京区への移住に伴い、教室も移転。

Instagramが人気を博し、全国にファン多数!催事やイベントにひっぱりだこの人気講師です。

「お道具は使ってあげたい」

という想いから、しのぶさんは愛着ある調度品に囲まれた京町家で暮らしています。

着物の道に足を踏み入れたのは、整理と収納が大好きだったから。整頓しやすい着物を選択してシンプルに暮らすしのぶさんの思考の収納術とは?

みずのしのぶさん02

この日の装いは、焦茶色の江戸小紋。

「江戸小紋は、軽めのスーツみたいなかんじですごく使いやすい」

とのこと。そこに、唐子が描かれた丸帯を合わせて、短太鼓結び(短い帯で名古屋帯を結ぶ方法を流用したテクニック)に。

桜の柄が出ないように結ばれた丸帯

撮影が行われたのは2月。それゆえ、桜の柄が出ないように結ばれた丸帯

帯揚げは、オリジナルの2色ぼかしのグレージュ。あまり目立たないけれどもきちんと効く、顔色が悪くならない帯揚げを好むしのぶさん。

「グレージュは青みと黄みを馴染ませてくれるので使いやすいんですよ」

色を指定して染めてもらった正絹長襦袢

色を指定して染めてもらったというココアグレージュの正絹長襦袢

アンティークの唐子の帯留めを簪代わりに

アンティークの唐子の帯留めを簪代わりに

愛着ある古家具に囲まれた京町家暮らし

「絶対この家に住みたい!」という熱い想いで京町家へ移り住んだしのぶさん。

周囲を明るくするようなイエローのチューリップが飾られている机に目を向けて、「可愛いでしょ」と、うっとりするような表情に。

インテリア

「岐阜に古道具mokkumokkuさんっていうお気に入りのアンティーク家具屋さんがあるんです。Instagramを見てくださってるので、うちのインテリアについてもよくご存じで。家の雰囲気に合う大正から昭和初期みたいな机が欲しいってお願いしたら、ええのあるよって」

その見立ては、着物にも通ずるもの。

「昔は馴染みの呉服屋さんがパーソナルコーディネーターみたいなことをしてはったと思うんですよね。箪笥の中まで把握してくれてはるというか」

と、しのぶさん。

自身の好みを熟知してくれているプロにいつでも相談できる環境も、暮らしを調えるためには必要な要素なのかもしれません。

身支度関係の品が収納されている引戸棚

身支度関係の品が収納されている引戸棚

「ほっとくと要らんもんも増えてくるし、散らかってくるんですよ。だから、アイテムは常にマイナーチェンジしてますね」

と、美しさを保つ秘訣をさらりと伝授。

マジョリカタイルを貼ったキッチン。

マジョリカタイルを貼ったキッチン。飾り棚にはフランス産の壁掛け時計やとぼけた表情がキュートな犬の置物など

「プラスチックのものってあんまり合わない気がするので見えるところには全く置かないですね」

キッチンハイターなど、見せたくないものは頭上に設置した収納棚へ。

「こだわってるわけではなくて……好きなものを集めてその空間を見たい。どんな雰囲気になるのか考えて、気になるものを合わせてみたい。着物もそんな感じです。これとこれやったら、アンティークと現代物でも合うんじゃない?と思ったらやらなしゃあないじゃないですか。だって見たいから(笑)」

2023.02.15

インタビュー

しっくりくる、ただそれだけ。 「ご自宅訪問!みずのの着物収納」vol.3(最終回)

ブルー系でまとめられた寝室空間を拝見

いざ、着物部屋のある2階へ。

「1階は赤をメインカラーにしていて、上はブルーっぽい感じでまとめてるんですよ」

青系の趣あるランプシェード

青系の趣あるランプシェードが寝室空間を彩る

枕元には犬型のティッシュケース。

枕元には犬型のティッシュケース。昭和に手芸界で流行った「ドキドキワンちゃん」の編み図を参考に、元生徒さんで編み物教室の先生に編んでもらった思い入れのあるもの

ベッド周りには可愛いアンティーク布地のクッションがずらり。何でも骨董市で見つけては買い、コレクションは増える一方。

相棒の「ミーシャ」。

抱きしめるぬいぐるみは、しのぶさんが小学2年から一緒に寝ているという相棒の「ミーシャ」。「棺に入れてもらって一緒に逝こうと思っております」というほど

「古いものってね、埃も目立たないんですよね」と、しのぶさん。静電気で埃を呼び寄せるプラスチックに比べると、「そんなに気にならない(笑)」のだそう。

犬のティッシュケースが置いてある机には、ミシンの姿も。

「昔は帯づくりをしてたので……。いまもしたいんですけど、なかなか時間が取れなくて。そのまますぐ使えるようにここに置いてあるんです。ミシンやなんかは、とにかく押し入れの下の段に入れたらあかんと思います。急にやる気がなくなるんで(苦笑)」

なるほど、それもまた、しのぶ流の暮らしの知恵のひとつというわけなのです。

自宅の着物部屋に潜入!収納術を大公開

さあ、いよいよ!着物の収納スペースをご紹介しましょう。

鞄棚には気合いで買い求めた憧れのバーキンも!

鞄棚には気合いで買い求めた憧れのバーキンも!

空いていた空間にぴったりとはまるように付けてもらった棚は、

「三つ折りのたとう紙がちょうど入るサイズにしてもらいました」

と、しのぶさん。

棚板は可動式。収納する物によって棚幅を変更できることが一番大事だそう。

着物棚

「左側には1月から12月までの季節の帯がざっくり入っています。たとう紙を積んだときに見えるように、ふちに帯の特徴と使う時期を書き込んでるんですよ。ポイントは、きちんと書かないこと。綺麗に書かないといけないと思うと続かないので。自分だけにしか分からへんような言葉でいいんです」

重要なのは、出しやすくてしまいやすいこと。だからこそ、一目見て分かる状態にしておくことが継続のコツです。

「どんな柄でもしまったら全部同じ形になるたとう紙はほんまにすごいと思います。これだけスッキリするっていうのが、また好きなんですよね」

右側上半分は、季節を問わない名古屋帯と袋帯。下半分で、夏物・単衣・袷が分けて収納されています。

右側の一番上の棚は何も入っていません。それは……

「絶対何かひとつ空いている棚をつくっとくのが、散らからないポイント」

だから。この空間がないと、つい足元に置くなどして、部屋が散乱するとしのぶさんは指摘します。

「あんまりぎゅうぎゅうにしない。自分が持っているものをきちんと把握することが、私は好きなんやろうなと思います。使いやすいようにいろいろ工夫して、『これあかんな』と思ったらもう一回やり直すとか。

それを繰り返していくうちに、その人その人に合った、向いてる収納になっていきますし、ついちゃんと畳んでしまいたくなるような動線ができていくんちゃいますかね。

いまは完成形への道の途中で、いろいろ試してる感じ。その過程もまた楽しい」

2023.03.22

インタビュー

“グルーピング”がキーポイント 「ご自宅訪問!みずのの着物収納」vol.2

収納のコツは、一軍着物を煮詰めること

着物をスッキリと収納するコツは?という質問に、「一軍着物だけにする」という力強い答えをくれたしのぶさん。

「置ける場所には限界があるので、いくら好きと思って買ったものでも、全部は持っていられない。ある程度、散らかりやすくなってきたら思い切って手放していくのも肝心です。そうやって、どんどん『一軍着物を煮詰めていく感じ』がまた楽しいんですよ」

自身が最終的に、何を手放して何を手元に残すのか――そこに興味があるとしのぶさんは苦笑します。

2023.02.15

インタビュー

”偏愛アイテム”は常に一軍で 「ご自宅訪問!みずのの着物収納」vol.1

そのセレクトの基準は?と重ねて問えば、「いまの気分のものだけ置くようにしています」とシンプルな言葉。なぜなら、「その方が絶対コーディネートが楽ちん」だから。

「一週間コーデみたいな雑誌の企画って人気なんでしょうけど、私は全部同じもんでいいと思ってるんですよ。気に入っている感じをちょこちょこ自分で詰めていくのが好きなので。同じもん着てて何があかんのか分からへんし、毎回同じもん着てはる人がいたら痺れます。恰好いい!って思います」

つくり付けた棚の隣は、一番上に鞄、その下に訪問着・黒留袖(と帯)、続いて夏から袷までの全てのコートが美しくしまわれています。さらに、その下の棚には長襦袢、肌着、冬用のコートやロンググローブが格納されて。

ベージュ・グレー・黒の3色で揃えるのがしのぶ流

ベージュ・グレー・黒の3色で揃えるのがしのぶ流

足元の棚には、しのぶさんが愛する畳表の草履たち。白・ベージュ・茶系・黒と鼻緒の色で並び順が決まっています。

さらに、烏表の白っぽいものや雨草履。15年ほど前に息子さんと一緒に手づくりしたという鼻緒キーパー付きで管理されています。

鼻緒キーパー付きで管理

いろんなタイプを履いた結果、「自分は白と茶色と黒があれば大丈夫」という境地に至ったというしのぶさんは、既製品ではなくオーダーメイド派。

「好きなもんだけでギュッと固まってきたので、やっとここまで減りました。同じ色の草履と鞄があるだけでコーディネートがめちゃくちゃ楽なので、私はどのアイテムも白・茶色・黒をベースに揃えるようにしています」

味わい深い木製棚の引き出しに

味わい深い木製棚の引き出しには、羽織紐や根付など帯回りの小物・帯締め・帯揚げ・半衿などがイン。その横は、脱いだ長襦袢や洋服を吊るスペースも確保されている

2025.07.08

着物のお直し・お手入れ

着物や浴衣の最適な収納・保管方法とは?より美しく保管するために必要なお手入れとは?

主役は帯!帯ありきのコーディネート術とは

帯回りの小物も、目を見張るコレクション!

ですが、しのぶさんは「これでも随分と減らしたんですよ。どうしても残しておきたいものだけにしていこうと思って」と言います。

帯回りの小物も、目を見張るコレクション

メルカリや骨董市で掘り出し物を見つけるのも日々の楽しみ

どうすれば上手に物を減らすのでしょうか?

「帯留めがもうよそに行きたがっとるっていう感じ(笑)。上手く言えないんですけど、『うちはもういい』ってなっとる気がするというか……。自分のもんなんですけど、“うちにいまおるだけ”みたいな感覚がすごく強いですよね」

整理整頓好きと聞けば、理路整然した思考とセットかと思いきや、意外にも感覚派のしのぶさん。たとう紙のラベル書きと同様に、きっちりしすぎない“ざっくり感”が継続の秘訣なのかもしれません。

せっかくなので、3月のコーディネートを組んでもらいました。

お太鼓の部分が見えるように置くのもポイント

お太鼓の部分が見えるように置くのもポイント

コーディネートは締めたい帯から組んでいくのが、みずの流。「ちょうど春っぽくなってきたので……」と取り出したのは、パンジー柄の帯です。

次は、着物。袷の棚を上から順に見ていき、「これやな」と思う一枚を出してきます。現れたのは、紫根染め。

「帯が好きなので、着物は帯に合わせやすいものが必然的に多くなってきますね。小花柄はあんまり似合わないこともあって、シンプルな着物が増えます」

それから、帯揚げ。紫でリンクさせた帯と着物の間に入る帯揚げは、両者を繋ぐような色で、悪目立ちせず馴染むものを考えます。

引き出しごと机に置いて、実際に間に挟み込みながら印象を確かめます。

帯締めの保管には、手早く収納できる透明のカバーを愛用

帯締めの保管には、手早く収納できる透明のカバーを愛用

「帯留め入れるのもいいんですけど、簪もあるしな……とか考えながら、これ以上あんまり増やさんようにしようかな」と言いながら、今度は帯締めの引き出しを取り出してきたしのぶさん。

「いけそうなものをパパパッと出してきて、そこから合わせながらトーナメント戦が始まります(笑)」

「可愛すぎる!」
「方向性が違う!」
「おもんない!」

と、どんどん選別されていく帯締めは、最終的に「えぐい感じ」な一本に決定。

「帯締めにベージュが入ってるから、白のエナメルの草履を持ってきて、白のバーキンとパール合わせてスキッとさせるのもいいけど……。今日はもうちょっとくどい感じでいきたいなぁ」

そう言って選んだ白の畳表で、「えぐみのある」雰囲気に。草履が白なので、鞄は白のバーキン。

常に心底楽しそうなしのぶさん

常に心底楽しそうなしのぶさん

「バッチリやん。抜け感もあって」と、満足気なしのぶさん。扉を開けたついでに、肌着・襦袢・コートを出してきます。

最後に、簪。

帯と着物と同じく紫で。そこへ草履の黄みに寄り添ってグレージュも合わせて、パールを足して3本使いに。

「全体で見たときに大きなグラデーションになる感じでまとめることが多いですね。物と物を合わせたときの間の空気を見てる感じかな。

今回は、ちょっとレディライクなコーディネートになったので、草履のえぐみを踏まえてアンティークっぽい感じにしようと思えば、もうちょい黄みと艶が欲しいので、白鼈甲をプラスしてさらにナチュラルするか、シルバーのカードケースを入れようとか」

と、口と手が同時に動きながら、小物を足して素早くコーデが仕上がりました。

帯ありきの組み合わせについて、「この順番が一番早いんです」としのぶさん。全てのアイテムが決まれば、眼鏡を掛けるか否か、メイクはどんな感じにするか、なども考えます。

「着物ってすごいですよね。買うのも楽しいし、コーデも楽しくて。お気に入りのものを外に連れて出かけられる。今日こそお太鼓を歪まさへんぞ、とか、衿をきちんと出してみよう、とか、着付けにも楽しみがあって。着物はやっぱり面白いと思います」

みずのしのぶさん03

しのぶさんほど一軍着物を煮詰めた至高の収納スペースをつくり上げるのは容易なことではありませんが、ポイントをひとつずつ真似するだけでもスッキリとした空間にアップデートできるはず。

ぜひ動画を参考に、トライしてみてください。

文章/椿屋
撮影/松村シナ

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