着物・和・京都に関する情報ならきものと

物語を彩る花火大会のための浴衣『汝、星のごとく』 「きもの de シネマ」vol.82

物語を彩る花火大会のための浴衣『汝、星のごとく』 「きもの de シネマ」vol.82

記事を共有する

銀幕に登場する数々の着物たちは、着こなしやコーディネートの良きお手本。せっかくなら、歌舞伎やコンサートみたいに映画だって着物で愉しみませんか。今回の注目作は、横浜流星さんと広瀬すずさんが15年にわたる大恋愛を熱演する『汝、星のごとく』です。

こちらも公開中!

2026.09.11

カルチャー

令和版ならではの説得力ある衣裳に注目『八つ墓村』 「きもの de シネマ」vol.81

実際の花火が物語を彩る、今治の「おんまく」

ごきげんよう、椿屋です。
今夏は酷暑に心が折れ、一度も花火大会へ行けませんでした。不甲斐ない限りです。
「きものと」読者の皆様は、花火を見上げる夜があったでしょうか。

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

今回ご紹介する『汝、星のごとく』には、今治で親しまれる夏の風物詩「おんまく※」の花火が物語の象徴として登場します。

※おんまく……今治市民が誇る熱気あふれる夏祭り。2026年で第29回を迎えた。「おんまく」とは今治の方言で、「めちゃくちゃ、いっぱい、思いっきり」という意味の言葉。 

花火大会当日、撮影クルーは2班に分かれて、ホテルの窓の向こうに眺める花火と砂浜から見える花火をそれぞれに撮影するだけでなく、今治市協力のもと、撮影のためだけに特別な花火が打ち上げられたほど。

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

2026年8月に開催された「おんまく」では、映画の公開に先駆けて、作品をイメージしたスペシャルコラボレーション花火が今治の夜空を彩りました。

ちなみに、2023年には、原作者・凪良ゆうさん、藤井道人監督、主演の横浜流星さん、編集者やプロデューサーらが集い、「おんまく」の花火を見物されたそう。

ファーストコンタクトがお祭り会場だったいうエピソードを聞き、この花火が映画の象徴となっているのも納得です。

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

そして、花火やお祭りに欠かせないのが、そう!浴衣です。

劇中、広瀬すずさん演じる井上暁海いのうえあきみが着ている黄色の浴衣に海と空が混ざったようなブルーのミンサー織りの帯は、パッと周囲を明るくするような色味でありながら、宵の口の少し暗みを帯びた周辺の景色にも馴染むコーディネート。

この衣裳、後々、人と人とを繋ぐ大事なアイテムとして再び登場するので、どうぞお見逃しなく!

広瀬すずさんの美しい着姿はこちらでも!

2025.07.28

ファッション

女優に扮する広瀬すずの衣裳裏話『ゆきてかへらぬ』 「きもの de シネマ」vol.60

人生の岐路で、幾度もお互いを選んだ15年間

物語の舞台は、瀬戸内と東京。

京都から転校してきた青埜櫂あおのかい(横浜流星)と、島育ちの暁海(広瀬すず)は、家庭に恵まれず、孤独を抱えています。

そんなふたりが出会い、お互いに唯一の心の支えとなると同時に、恋をするのは必然と言えるかもしれません。

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

正直な話、情報解禁されたときは、「まだ高校生やるのね……」と思いました。ええ、思いましたとも。けれども、実際に観てみると、そこには17歳の男子と女子がいました!制服になんの違和感もない高校生が!!

俳優部の力を舐めてました……この場を借りて、深くお詫び申し上げます。

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

そして、そこから15年。櫂と暁海は、何度も岐路を突き付けられ、迷い、諦め、怒り――それでも、その都度、相手を求めます。

夢を掴むため上京した櫂と母を捨てられず島で働く暁海にとっての、17歳から32歳までの15年間は決して短くありません。すれ違い、ぶつかり合い、反発しつつも、相手と対峙し、自分自身とも向き合うことになる歳月です。

環境や状況によって変化する価値観や優先順位に振り回され、抗い、ときに受け入れ、周囲の人たちに支えられながらアップデートされていく関係性も、長い時間を描く物語の魅力でしょう。

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

その繊細な心の機微を、思わぬカメラワークで切り取り、映し出していく藤井道人監督の手腕たるや!あっぱれと言うほかありません。

40キロ台まで減量して臨んだクライマックスの横浜さんの渾身の演技、必見です。

横浜流星さんと藤井道人監督がタッグを組んだ作品はこちらも!

2025.07.06

ファッション

孤独に寄り添い心静める能の力『ヴィレッジ』 「きもの de シネマ」vol.28

感涙必至!バイプレーヤーたちの見事な存在感

試写室なのに!とちょっと恥ずかしくなるくらい、わたくしの涙腺が決壊した本作。

ネタバレにならない範囲にて、見どころ(泣きどころ?)をご紹介しておきたいと存じます。

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

まずは、櫂と彼の相棒・久住尚人(松村北斗)をプロの漫画家へと導く編集担当・植木渋柿(濱田岳)。

とある事件が起こった際、真っ先に櫂のもとへと駆けつけ、彼を抱きしめながら何度も呟くセリフが、何よりも胸をえぐります。

どのシーンにおいても、濱田さんの緩急あるお芝居は素晴らしく、彼のような担当さんにサポートされるのは漫画家冥利に尽きるなぁ、と思わせる愛すべきキャラクターです。

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

次に、櫂と暁海が通う高校の化学教師・北原草介(長谷川博己)。

ふたりの卒業後も何かと気かけてくれるメンター的存在の彼は、バランス感覚に優れた視野の広い理知的な人物で、18年にわたってライターと講師の二足の草鞋を履いてきたわたくしから言わせれば、「こんなデキた先生、そうおらんで!!」です(笑)。

役をそのまんま生きているかのような長谷川さんの演技――中でも、慈愛に満ちたシーンでじーんとさせられるのはわたくしだけではないはず。

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

そして、誰よりもこの世界観にリアリティをもたらしてくれているのは、櫂の母親を演じた尾野真千子さんだと言っても過言ではないでしょう。

恋多き、問題だらけの母ちゃんで、見ていて腹が立つほど櫂を振り回し、最後の最後まで向き合おうとしない、ダメダメ母ちゃん……。なのに憎めないとか言いません。「おい、こら……」と思わずツッコミ入れてしまいます。

ですが、こういうキャラこそが、物語の厚みや深みになることは否めないのです。

暁海の母・志穂(木村佳乃)も、その父親を略奪する刺繍作家・林瞳子(石田ゆり子)も、ベクトルは違えど、勝手で我儘。

彼女たちの姿を見ていると、生きていくために必要なものって何か?と考えさせられます。

そんな彼らの躍動は、ぜひ劇場にてご覧くださいませ。

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

©2026 「汝、星のごとく」製作委員会 ©凪良ゆう/講談社

2026.07.20

インタビュー

きもの、着てみませんか?

2026.03.29

ファッション

徒然雨夜話ーつれづれ、あめのよばなしー

シェア

BACK NUMBERバックナンバー

LATEST最新記事

すべての記事

RANKINGランキング

  • デイリー
  • ウィークリー
  • マンスリー

HOT KEYWORDS急上昇キーワード

記事を共有する