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『松井酒造』初夏、浴衣とお酒の化学式「着物で一献、ふわり上機嫌」vol.5

『松井酒造』初夏、浴衣とお酒の化学式「着物で一献、ふわり上機嫌」vol.5

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着物を纏い、日本の伝統と文化に触れながら酒蔵を訪ねるシリーズ第五弾。今回は、ひと足早く夏気分♪ 浴衣で京都・出町柳の洛中最古級の酒蔵『松井酒造』へ。日本文化と日本酒を愛するやおよろずJAPAN代表・よろずが“日本酒物語”を綴ります。

2026.05.20

カルチャー

大横綱 白鵬と、伝説の杜氏 農口尚彦―『農口尚彦研究所』「着物で一献、ふわり上機嫌」vol.4

京都洛中、松井酒造を訪ねて

松井酒造のカウンターにて

今回は浴衣でお邪魔しました♪ なんと、ボトルと帯のカラーが運命的にリンク!
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今回訪れたのは、京都・出町柳。鴨川の流れをほど近くに感じるこの場所に、享保11年(1726年)創業の酒蔵、松井酒造があります。

今年、創業300年を迎える松井酒造。洛中に現存する酒蔵としては最古級の歴史を持ち、代表銘柄『神蔵 KAGURA』をはじめ、『富士千歳』『京千歳』などを醸しています。

松井酒造前にて

マンションの1階がエントランスなんです!

酒蔵と聞くと、白壁や木造の大きな蔵を思い浮かべる方も多いかもしれません。けれど、松井酒造は少し違います。

蔵があるのは、なんとマンションの一階! 京都の街並みに自然と溶け込む、現代的な空間の中で酒造りが行われています。

蔵人の仕事風景

日本酒の他にも酒粕を使用したジンやロスフラワー使用のフラワージン、京都産サトウキビのラムも製造

実は松井酒造は、一度酒造りを休止した過去があります。京都市内の都市化やインフラ整備の影響により、酒蔵にとって命ともいえる「井戸水」を失ったことで、酒造りを続けることができなくなりました。

それから長い年月を経て、17年前――新たに井戸を掘削し、再び良質な水が湧き出たことで、松井酒造は“復活”への道を歩み始めます。

ただ続いてきた、というのではなく、途絶えかけた灯をもう一度灯した人たちがいた。だからこそ、この300年という歴史の重みをより一層感じます。

松井酒造の日本酒の数々

松井酒造の日本酒は目を引く華やかさがあります

ワクワクドキドキ♪ 浴衣で酒蔵見学

蔵人が案内してくださる酒蔵見学。

蔵見学前の準備

酒造りの現場はとても繊細で神聖な場所。完全防備で行きます!

松井酒造では、日本語・英語の両方で見学を受け付けており、発酵タンクや麹室、日本酒造りの工程を間近で体感することができます。

蔵の扉を開けた瞬間……空気がふっと変わるのが分かります。

蔵見学前の準備

一気にお酒の香りに包まれて

松井酒造で使用する京都産の酒造好適米『祝(いわい)』。

「お米を磨けば磨くほど、綺麗で華やかなお酒になります。ただ、それが“良いお酒”とは限らないんです」

と、松井社長。

松井社長が蔵内部を案内

日本酒に欠かせない酒米のお話を。社長自らご案内くださいました!

日本酒は、お米を削ぎ落としていく文化。

けれど、削ぎ落とした先にある“透明感”だけが正解ではありません。あえて残した雑味が、味わいに奥行きや余韻を生み出していく。その感覚はどこか、着物の世界の美しさにも通じているように感じました。

発酵するもろみ

タンクの中で、ぷくぷくと呼吸を続けるもろみ

「夜になると、もっと発酵の音が聞こえるんですよ。よろずさん、そこに気づくということは夜中の見回り向いてますよ(笑)」

そう微笑む社長の言葉に、蔵人だけが知る深夜の景色を思い浮かべました。街の喧騒が静まった後も、もろみは静かに呼吸を続けています。

農口尚彦研究仕込み中の夏酒所にて

今夏発売予定のお酒だそう!出来上がりが楽しみ♪

「日本酒は、“並行複発酵”という世界でも珍しい発酵方法なんです」

難しい発酵の話も、どこか楽しそうに語ってくださいます。

酒米を蒸す『むす蔵君』

『むす蔵君』という名前がついています(笑)

「麹づくりが酒造りの中で最も大切」と語る松井社長。

お米をどこまで磨くのか。どこを削ぎ落とし、どこを残すのか。引き算の中に、美しさを宿すこと。あらためて、着物と日本酒の共通点を意識しました。

蔵内に併設されているタンク

ズラッと並ぶ日本酒タンクに驚き!

松井社長の想い「日本酒の今と向き合う」

松井酒造・松井社長と

気さくでとっても面白い松井社長

「最初は、皆さん“酒蔵っぽくない”って思われるだろうなと思っていたんです」(松井社長)

酒蔵と聞くと、白壁や木造の蔵を思い浮かべる方も多いかもしれません。けれど松井酒造は、そのイメージとは少し違います。だからこそ、「ここでしかできない酒造りを考えた」のだと話してくださいました。

サイエンスTシャツ

「お酒づくりはサイエンス!」の思想をTシャツに!

「僕、お酒造りはサイエンスだと思っています」

その言葉通り、松井酒造では発酵データや再現性も非常に大切にされています。

ボトルのラベルにQRコードがある

ラベルが説明用のQRコードに様変わり。面白い!

ラベルには発酵の化学式やQRコードが施され、スマートフォンをかざすと酒造りの映像が流れる仕掛けも。300年の歴史を持ちながらも、現代の感性を柔軟に取り入れて挑戦し続ける姿がとても印象的でした。

代表銘柄『神蔵 KAGURA』には季節限定酒も販売しており、春夏秋冬の四季を意識した冬の『初夢』、春『東風 KOCHI』夏『南風 HAE』秋の『 西風 NARAI』というとっても可愛いシリーズがあります。

季節限定酒『神蔵KAGURA』シリーズ

カラーもデザインもとっても可愛い!

それぞれ異なる色彩を纏ったボトルは、とっても可愛くてまるでアートピースのよう。この美しいカラーとデザイン起用は、社長の奥様の発案だそうです。

松井酒造の角打ちカウンターで

社長とのお酒談義に花が咲きます!

「お酒の名前って覚えてもらいにくいので、色で覚えてもらえたら」

気負いなくこうおっしゃる松井社長の姿に、日本酒という枠に留まらず、新しい文化との接点を生み出そうとする「しなやかな強さ」を感じます。

松井酒造が目指しているのは、“誰かの最初の日本酒になること”なのかもしれません。

季節限定酒「神蔵KAGURA」シリーズと

松井酒造の挑戦に興味津々

若い世代へ。
日本酒を飲み慣れていない人へ。

その入口をもっと自由に、美しく広げていこうとする松井酒造の挑戦には、温かな想いが溢れていました。

着物ファンにおすすめ!この日本酒

浴衣に似合う一本「南風HAE」

ボトルが可愛くて大興奮。今夏発売予定です♪

今回、浴衣に合う一本としてオススメしていただいたのが、夏限定酒『神蔵 KAGURA 南風 HAE』。まさに先ほど蔵見学で発酵タンクの中で、覗き込んだ際に育っていた夏のお酒です。

和姿に似合う一本「南風HAE」

可愛いボトルでギフトにもぴったり。

青から緑へ移ろう、美しいグラデーションのボトルは、夏の鴨川をそのまま閉じ込めたような涼やかさがあります。

ラベルには、風鈴を手にした浴衣姿の女性のデザイン。繊細でどこか懐かしい作画は、中島潔氏によるものだそうです。

長年、NHK『みんなのうた』のイラストも手掛けてきた中島氏の作品は、優しく凛とした強さがあってとても素敵です。

蔵の入り口に飾られる中島潔氏の絵

蔵の入り口にも中島潔氏の作品が掲げられています。女性杜氏が利き酒をする瞬間が捉えられて

実は昨年『南風HAE』をいただき、とっても美味しかった記憶が。

味わいは、透明感がありながらも華やかで軽やか。けれど、口の中に静かに柔らかな余韻が残るその絶妙なバランスが、個人的にも「浴衣の女性にピッタリ!」と思っていたので、オススメしていただき嬉しくなりました。

松井社長インタビュー

角打ちでいただくお酒のおいしいこと!

着物や浴衣を纏うこと、それは「誰かのため」ではなく「自分自身の心や感性に正直になる」こと。

着物を通して自分が心地よいと思うものを選び、晴れやかになる――『南風 HAE』は、そんな着物女性たちの時間に寄り添い華を添えてくれる一本です。

今年も夏限定酒『神蔵 KAGURA 南風 HAE』に出会えるのが楽しみです♪

日本酒は「感性をひらく文化」なのかもしれない

京都という土地への敬意。
発酵という、目に見えない命への真摯さ。

今回、松井酒造を訪れて感じたのは、日本酒は単なる「飲み物」ではないということ。それは文化であり感性であり、その人自身の美意識や生き方を映し出すものでもあります。

「華やかだけれど、媚びていない」
「洗練されているけれど、どこか温かい」

松井酒造のお酒には、そんな凛とした空気が流れていました。300年という歴史を持ちながらも、そこには軽やかで現代的な感性が息づいています。

神蔵のボトルと浴衣の柄

神蔵と浴衣のデザインが両方朝顔! 飲むだけでなく、柄合わせの楽しみ方もありますね♪

神蔵のお酒を試飲

芳醇な味わいの多いラインナップ。女性からの根強い支持も

旅の余白 ― 「夏を待つ、皐月風」

蔵をあとにして上機嫌で歩いていると、優しい5月の風が浴衣の袖を抜け、少しだけ夏の気配を感じました。

日本酒は、知識のある人だけが楽しむ世界ではなく、ただ「心が動く」ことから始まってもいいもの。

「味やデザイン」に惹かれてもいい。
「世界観」に惹かれてもいい。
「感性に合う」という理由で選んでもいい。

着物も、同じ。

京都きもの着物市場レンタルさんの着物

ひと足早く浴衣を身に纏いました♪
浴衣【竺仙】 朝顔 コーマ白地 Y021 レンタル

松井酒造のお酒には、現代をしなやかに生きる女性像が体現されていました。

松井社長、松井酒造の皆さん、貴重なお時間を頂き本当にありがとうございました!また伺います♪

松井社長とカウンターで

今年は日本酒のイベント企画します♪

さてさて、夏を待ち焦がれ、浴衣を纏いながら旅路は続きます。

次回もお楽しみに♪

撮影/スタジオヒサフジ
着付け/着つけヒラリ

2026.06.27

カルチャー

着物で一献、ふわり上機嫌

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