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名家も信頼を寄せる名門ジュエラー 『OKURADO』前編 「日本のジュエラーを訪ねて」vol.3

名家も信頼を寄せる名門ジュエラー 『OKURADO』前編 「日本のジュエラーを訪ねて」vol.3

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『OKURADO』が手がけるジュエリーは、精緻なティアラや毎年発表される豪華なハイジュエリーから、普段使いできるリングやネックレスまで多岐にわたります。その特徴は、デザインに日本の美意識を取り入れていること、素材に日本の伝統技を活かしていること、そして自社のアトリエに職人が常駐して制作していることです。

2025.08.11

ファッション

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Chapter 1 本格的なティアラも手がけるジュエラー

身に着けられる小さな芸術品ともいえるジュエリー。今回は、職人の技と情熱が宿る『OKURADO(大倉堂)』のジュエリーをご紹介します。

「あぢさゐ」シリーズ

アジサイを繊細にかたどったブローチ。「あぢさゐ」シリーズはOKURADOを代表するジュエリー。
ブローチ(K18WG×K18×ダイヤモンド×サファイア×ガーネット)3,960,000円

1969年、東京・神田で、ハイジュエリーに特化したもの作りを行う技術者が集まり、立ち上げた工房『アトリエ・マイエドール』。

大倉恒光氏が作ったこの工房を、ご子息の大倉 仁さんが継ぎ、2009年に新たなブランド『OKURADO』(大倉堂)としてスタートさせました。

大倉 仁さん

『OKURADO』が手がけるジュエリーは、精緻なティアラや毎年発表される豪華なハイジュエリーから、普段使いできるリングやネックレスまで多岐にわたります。

精緻なティアラ

その特徴は、デザインに日本の美意識を取り入れていること、素材に日本の伝統技を活かしていること、そして自社のアトリエに職人が常駐して制作していることです。

特に2024年、現在の場所にサロンを移転し、ガラス越しに職人の仕事が見えるアトリエを構えてから、ものづくりの現場が見えるサロンとして注目が集まっています。

アトリエ

ガラス越しに職人の様子が見えるアトリエ。テーブルとショーケースのある手前のサロンとアトリエが一体になっているよう。

Chapter 2 職人から職人へ受け継がれるOKURADOの実力

『OKURADO』のジュエリー制作の実力は、1970年代の作品からも窺うことができます。

例えば、下の「組紐ブレスレット」は、ドイツのジュエリーコンクールで大賞を受賞したもの。

組紐をモチーフとしたジュエリー

マスターピースとして『OKURADO』に残る組紐をモチーフとしたジュエリー。イエローゴールドなどの硬い金属とは思えないほどしなやか。

18金を糸状にし、実際に丸台で唐組を組み、繊細な彫金を施しています。絹糸と違い、固く伸び縮みのない金属をどうやって組みあげたのか……。制作工程は謎に包まれていますが、こちらの完成品が、目の肥えたヨーロッパの人々を驚かせたのは事実でしょう。

現在、制作されている組紐シリーズ(下)は、イエローゴールド、ピンクゴールド、ホワイトゴールドという硬さの異なる金で組まれています。

組紐をモチーフとしたジュエリー

右:二重付けできる組紐バングル。存在感ある逸品。
バングル(Pt×K18×K18PG×ダイヤモンド)5,280,000円 
左:ユニセックスでも着用できるブレスレット。センターにダイヤが煌めいて。
ブレスレット(K18×ダイヤモンド)2,090,000円

この作業ができるのは、日本でもたった一人。組紐という日本の技を活かしたジュエリーは『OKURADO』を代表する逸品です。

また留め金のセッティングや彫金技術にも注目を。細かな彫金細工で知られるイタリア屈指のジュエラー『ブチェラッティ』で長年、仕事をした職人がOKURADOに所属し、精緻な彫金の技を伝えています。

Chapter 3 日本の美意識をジュエリーに込めて

『OKURADO』は、日本で数少ないハイジュエリーを手がけるブランドでもあります。風にそよぐ葉、今にも咲かんとする花……。刹那の儚い美を切り取り、ハイジュエリーとして、デザインするのは大倉 仁さんです。

大倉さんは、こう語ります。

「季節の移ろいを、どうジュエリーに写し取るのか……。それを常に考えています。難しいのは、“儚い”モチーフをどう“硬い”ジュエリーで表現するかです。例えば、散る桜はどこから散るのか、つぼみはどのように膨らんでいくのかを観察し、ジュエリーとして完結するデザインに落とし込むところに、もっとも知恵を絞ります」

と語ります。

ネックレス「桜花」

ネックレス「桜花」(オウカ)。正面を向いた花は雌蕊や雄蕊まで繊細に表現され、今にも咲かんとするつぼみは軸に漆が塗られており、開花を予言しているよう。ナチュラルに湾曲した葉など生命が宿るような表現は、優れた職人技の賜物。
ネックレス(K18WG×K18YG×ダイヤモンド×イエローダイヤモンド×ツァボライト×漆)44,000,000円

Chapter 4 日本ならではの素材をジュエリーに

先にご紹介したジュエリーにも使用されていた漆。ジュエリーに日本古来の漆を用いたのは、もともと日本の伝統伎に興味をお持ちだった大倉さんならではの発想です。

椿のブローチ

椿のブローチ

帯留として着用させていただいたブローチ。椿の艶やかな花弁を朱漆で表現。ぷっくりした漆が厚みのある花弁を見事に再現。あえて下向きにデザインされているのも特徴。
ブローチ(Pt×K18×ダイヤモンド×ガーネット×漆)2,860,000円

「ダイヤモンドやプラチナなど“硬い”素材に対し、とろりとした漆の艶が映えるのではないかと思ったのがきっかけ」

と大倉さん。例えば桜の枝の一部に、花のつぼみの一筋に、赤い漆が加わることで、はっとするような効果を生んでいます。

“Japan”と呼ばれる漆を用いたシリーズは、日本発のジュエリーとして存在感を放っています。

オーダーメイドも得意とする『OKURADO』

オーダーメイドも得意とする『OKURADO』。次回は本格的なティアラの制作秘話や職人に相談しながらオーダーできる『OKURADO』のジュエリーの魅力をお伝えします。

今日の装い

ピンクのぼかし地に手絞りの訪問着に「洛陽織物」の唐草模様の袋帯を合わせました。いずれも「京都きもの市場」さまのもの。

小物は私物です。帯〆は龍工房、帯あげは加藤萬、バッグはブルガリ、草履は伊と忠。帯留にOKURADOの漆のブローチを添えて。

撮影/田村浩章
ヘアメイク/安藤朝子
着付け/石山美津江

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