着物・和・京都に関する情報ならきものと

京都で160年の歴史を誇るジュエラー 『今与』前編 「日本のジュエラーを訪ねて」vol.5

京都で160年の歴史を誇るジュエラー 『今与』前編 「日本のジュエラーを訪ねて」vol.5

記事を共有する

今回は 『今与』にお邪魔します。京都で160年の歴史を誇るジュエラーは、京都から世界へ大きく羽ばたこうとしています。

2025.12.04

ファッション

一点もののオーダージュエリーからティアラまで 『OKURADO』後編 「日本のジュエラーを訪ねて」vol.4

Chapter 1 老舗の矜持~おもしろのはなざかり~

「IMAYO京都御池店」

『今与』は1861年、小間物卸問屋として創業。今西與兵衛よへいが五条堺町に開いた店舗では、かんざしや櫛を取り扱っていました。

二代目・今西與兵衛が、翡翠の取り扱いを、三代目が翡翠に加えて、珊瑚、真珠、ダイヤモンドの取り扱いを開始。戦後は四代目のもとで「今與」として新たな一歩を踏み出すこととなりました。

「IMAYO京都御池店」で、リングを試着

「IMAYO京都御池店」で、リングを試着。藍型の着物に合わせたのは、深いブルーに星が輝くスターサファイアリング。神々しいまでの輝きに心を奪われます。
リング(スターサファイア×ダイヤモンド×Pt)29,700,000円

『今与』には、創業当時から使われてきた符丁(価格の数字を暗号化したもので0~9を指す)「おもしろのはなざかり」が企業理念として残っています。

「おもしろい(お客の心をとらえる)」ものを、「はなざかり(さまざまに取り揃える)」。商売の基本となる数字を、このような言葉で表したところに、 『今与』の精神が宿っています。

『今与』は1861年、小間物卸問屋として創業

1861年創業当時の店頭の様子。左から3人目が二代目、左から2人目が三代目。写真右端には「萬小間物類」という看板がかかっている。 画像提供:今与

Chapter 2 受賞歴を誇るハイジュエリー

『今与』が世界に誇るハイジュエリーコレクション「kagayoi(かがよい)」を発表したのは、2014年。

京都ならではの和の美意識と、自然を愛でる感性、優れた職人技を融合させたハイジュエリーは、またたくまに世界中のジュエリーファンを魅了しました。

「はなざかり」かんざし

寺院にある円窓から、春夏秋冬の美を愛でる……。そんな観点からデザインされた「kagayoi」コレクションのひとつ、「はなざかり」かんざし。リングやペンダントとしても着用できる。
かんざし(アメシスト×エメラルド×ガーネット×サファイア×ダイヤモンド×モルガナイト×ルビー×YG×Pt)55,000,000円[参考価格] 画像提供:今与

繊細な色使い、自然の美をそのまま写し取ったかのような造形……。日本の京都から発信されるハイジュエリー

「kagayoi」は「はなざかり」「かぐるま」「はなおうぎ」

など8種のラインナップで構成され、高い人気を誇っています。

着物の紋様にも多用される御所車がモチーフ

着物の紋様にも多用される御所車がモチーフ。車輪の一つひとつが回っているように見えるのは「しのぎ」という特殊な技法を用いているから。放射状の刻みがプラチナの輝きを強めて。
ペンダント(ダイヤモンド×Pt)29,700,000円[参考価格] 画像提供:今与

2025 年には「kagayoi」の新作「Black&White」で、JJA(日本ジュエリー協会)主催のジュエリーデザインアワード(JDA)のグランプリ・内閣総理大臣賞を受賞。

これまでも、東京都知事賞(2016年)、技術賞・厚生労働大臣賞(2018年)、準グランプリ・厚生労働大臣賞(2021年)を受賞するなど、その技術と芸術性が高く評価されてきました。

「Black&White~見えないものを観る」というタイトルが付けられたグランプリ受賞作

「Black&White~見えないものを観る」というタイトルが付けられたグランプリ受賞作。東福寺・龍吟庵の庭園をモチーフに、曲線と立体的な構造で表現した力作。
「Black&White」(ダイヤモンド×あこや真珠×K18WG×黒色ルテニウムメッキ) イヤーカフ11,000,000円 バングル33,000,000円 リング8,800,000円 画像提供:今与

Chapter 3 デザイナーがジュエリーに込めた想い

「kagayoi」のデザイナーである沢村つか沙さんは、イギリスでジュエリー制作のキャリアを積み、帰国後、今与に入社しました。

「日本の精神文化的美と、西洋の装飾的な美を融合させた、今与にしかできないデザインを心がけています」と語ります。

「kagayoi」デザイナーの沢村つか沙さん

「kagayoi」デザイナーの沢村つか沙さん。画像提供:今与

「日本文化を突き詰めるミニマムになりがちですが、ジュエリーには華やかさが必須。過度な装飾を避けつつ、造形の美しさと身に着けたときのバランスを探りながら」デザインしていると沢村さん。

JDAグランプリ受賞作は、「ぎりぎりまで削りながら、不可欠な装飾は残す」というせめぎ合いのなかから生まれたそう。背景には、日本人の職人の繊細な技術があると語ります。

末広がりの演技模様・扇をモチーフにした「はなおうぎ」コレクション

末広がりの演技模様・扇をモチーフにした「はなおうぎ」コレクション。ルビーがあしらわれた扇面から、プラチナの房が垂れる優美なデザイン。
リング(ルビー×ピンクサファイア×ダイヤモンド×Pt)19,800,000円 画像提供:今与

「かぐるま」コレクションのかんざし

「かぐるま」コレクションのかんざし。ヘッドの部分はペンダントにもなる。
かんざし(ダイヤモンド×Pt)2,310,000円

Chapter 4 デザイナーと職人の二人三脚

デザイナー沢村さんの想いを具現化するのが、アトリエ室マネージャーの岩崎裕司さん。沢村さんとは12年以上もタッグを組み、数々の受賞作を作り出してきました。

アトリエ室マネージャーの岩崎裕司さん

アトリエ室マネージャーの岩崎裕司さん。画像提供:今与

「話し合いを積み上げてきたので、今では沢村とあうんの呼吸で制作できるようになっています」

と岩崎さん。

「現在のアトリエは職人にとって最善の環境になっています。良質な石や素材、正確で繊細な技術を持つ先輩や仲間に囲まれ、互いに切磋琢磨して技術力を磨いています」

「はなざかり」のブローチ兼ペンダント

美しい藤の花房がモチーフの「はなざかり」のブローチ兼ペンダント。揺れる房を支える留め具、露を現すダイヤモンドのセッティングなど、随所に職人技が感じられて。
ブローチペンダント(ダイヤモンド×エメラルド×アメシスト×Pt)2,970,000円

優れたデザインと精緻な職人技が融合し、初めて生まれる“価値あるジュエリー”。デザイナーと職人は表裏一体なのです。

アトリエでは9人の職人が日々、ジュエリー制作に励んでいます

アトリエでは9人の職人が日々、ジュエリー制作に励んでいます。技術の継承もしっかり行われ、丁寧なものづくりの基本が受け継がれています。

揺れるタッセルが目を引く「はなおうぎ」のリング

揺れるタッセルが目を引く「はなおうぎ」のリング。レースのように透ける扇部分にはダイヤモンドが煌めいて。
リング(ダイヤモンド×Pt)1,760,000円

次回は、今与の幅広いラインナップと、いま注目を集める“ラボグロウンダイヤモンド”を取り上げます。

今日の装い

城間栄順さんの琉球紅型の紬地のおしゃれ訪問着に、秋山眞和さんの浮織袋帯を合わせました。

着物は5弁の花と蔓性植物が藍型でぼかし染めされ、藍の深さと余白のコントラストがみごと。張りのある生地で、着姿がすっきり整います。

帯は草木染にこだわる秋山さんならではの美しい発色が特徴です。観劇や昼間のお集まりの席にもお薦め。

城間栄順さんの琉球紅型の紬地

「kagayoi」の「はなみどり」のブローチを帯留に。最高品質の翡翠をダイヤモンドや白翡翠が取り巻く優美なデザイン。創業直後から翡翠を取り扱ってきた『今与』ならではのハイクオリティな翡翠は希少価値が高いもの。専用の留め具で帯留仕様に。
ブローチ(翡翠×白翡翠×ダイヤモンド×Pt)2,200,000円

リングはエメラルドカットの大粒ダイヤモンドをエメラルドが囲むゴージャスな一点。アームにもダイヤモンドが敷き詰められ、華やかな印象。
リング(ダイヤモンド×エメラルド×Pt)5,940,000円

撮影/安河内誠

ヘアメイク/田中信子
メイク・着付け/豆多景子(ともに市田ひろみ美容室)

2026.04.20

ライフスタイル

12星座で実践!着物1枚に帯3本

2026.03.25

ライフスタイル

着物ひろこが会いに行く!憧れのキモノビト

シェア

BACK NUMBERバックナンバー

LATEST最新記事

すべての記事

RANKINGランキング

  • デイリー
  • ウィークリー
  • マンスリー

HOT KEYWORDS急上昇キーワード

記事を共有する