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草木が奏でる命の色に出会う。「人間国宝・志村ふくみさん百一寿を祝う、志村洋子さんを迎えたディナートークセッション」

草木が奏でる命の色に出会う。「人間国宝・志村ふくみさん百一寿を祝う、志村洋子さんを迎えたディナートークセッション」

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人間国宝・志村ふくみさんの百一寿を祝し、長女の染織家・志村洋子さんを迎えた特別イベント。通常は目にするのも困難な作品の数々に彩られた会場から、レポートをお届けします。「志村」に受け継がれる美の神髄と哲学に触れる一夜を、ぜひご覧ください。

2026.08.31

イベント

イベントレポート

命の色を紡ぐ「志村」の染織世界

植物の命を糸に宿す草木染めと手織りの紬織は、日本の伝統技法を語る上でも特別な存在です。

その第一人者であり、重要無形文化財「紬織」の人間国宝でもあるのが、志村ふくみさん。そしてその長女・洋子さんも染織家として、共に歩んで来られました。

志村ふくみさん

染織家・随筆家
志村ふくみ

滋賀県生まれ。31歳のとき母・小野豊の指導で植物染料と紬糸による織物を始める。重要無形文化財保持者(人間国宝)、文化功労者、第30回京都賞(思想・芸術部門)受賞、文化勲章受章。京都市名誉市民。著書に『一色一生』(大佛次郎賞)、『語りかける花』(日本エッセイスト・クラブ賞)、『ちょう、はたり』など多数。作品集に『織と文』、『篝火』、『つむぎおり』など。2013年に芸術学校アルスシムラを娘・洋子、孫・昌司とともに開校。

志村洋子さん

染織家・随筆家
志村洋子

東京都生まれ。「藍建て」に強く心を引かれ、30代から母・志村ふくみと同じ染織の世界に入る。1989年に、宗教、芸術、教育など文化の全体像を織物を通して総合的に学ぶ場として「都機工房(つきこうぼう)」を創設。2013年に芸術学校アルスシムラをふくみ、息子・昌司とともに開校。

今年101歳を迎えられたふくみさんの記念すべき「百一寿ひゃくいちじゅ」を祝し、志村洋子さんを京都からお招きしたのが今回の特別イベントです。

2025.07.07

おでかけ

『志村ふくみ 100 歳記念 ―《秋霞》から《野の果て》まで―』大倉集古館 「きものでミュージアム」vol.40

真夏の新宿に極上の織物が集う夜

会場は京王プラザホテル東京。8月頭の厳しい暑さの中での開催となりましたが、ほとんどの方が着物姿で駆けつけてくださいました。

もちろん、志村ふくみさん、洋子さんの作品をお召しの方も多数! 開場までにホテル内でお召し替えをして準備くださった方も多く、ご参加の皆さまが洋子さんとの会を心待ちにしてくださっていたことが伝わってきます。

京王プラザホテル東京内のイベント会場

会場には、通常では目にすることすら困難な志村ふくみさん・志村洋子さんの作品や工房作品がずらりと一堂に会し、美術展かのようなムード。めったとない機会に、開演前からあちこちで興奮の声が聞こえていました。

志村ふくみさんの着物をバックに写真を撮る女性2名

壇上には、志村ふくみさんの作品(左)と志村洋子さんの作品(右)が並べられて。早速記念撮影を楽しむ方々も

ご参加のみなさまの装いはと言えば――志村作品はもちろんのこと、宮古上布や八重山上布、首里花倉織などの琉球染織をはじめ、越後上布、夏黄八丈など、夏の憧れとも呼べる織物をまとって来場されている方が多数。

都内ホテルの会場がこれほどまでにすばらしい織りの着物姿で埋め尽くされる光景は、滅多に見られるものではありません。

志村ふくみさんイベントが始まる前の会場

乾杯前。記念写真撮影が盛り上がり、開始前から熱気を感じる会場

京都きもの市場代表の田中、バイヤー野瀬よりそれぞれご挨拶を申し上げ、乾杯をもってイベント開始となりました。まずはディナーとご歓談をお楽しみいただきます。

志村ふくみさんイベントの挨拶をする男性

YouTubeチャンネルでの発信も好評なバイヤー野瀬

志村ふくみさんイベントで乾杯する男女

きもの著述家・山崎陽子さんの姿も!志村作品をお召しのおふたりとともに、代表田中も乾杯!

2025.02.10

コーディネート

きものでスイート

貴重な夏作品の生絹(すずし)にブルガリのバッグ。 志村洋子さんの瑞々しく洒脱な装い

いよいよお待ちかね、志村洋子さんのご登壇です。

イベントに登壇する、着物姿の志村洋子さん

この日の洋子さんの装いは生絹すずしを用いたご自身の作品でした。

通常、志村ふくみさん・洋子さんの作品に夏物はほとんどありませんが、これはご自身用として例外的に織られたもの。黄とグリーンが美しく配置された肩身変わりの意匠が、おしゃれで瑞々しい印象です。

イベントに登壇する、着物姿の志村洋子さん

モダンで少し意外性のある洒落心の効いたコーディネートを着こなすお姿が、目を惹きつけて離さない

帯は人間国宝・北川平朗さんによる有職織物の作品を合わせ、帯留めには洋子さんがイランへの旅で買い求めたという、現地の玉(ぎょく)をあしらって。

手元を飾っていたのは、ブルガリと、志村ふくみさん・洋子さんが主宰する都機工房とのコラボレーションによる限定バッグ「セルペンティ フォーエバー」。

グリーンのグラデーションが美しい「夕虹ゆうにじ」が、モダンなアクセントになっています。

イベントに登壇する、着物姿の志村洋子さん

アイテムごとに意匠は異なるのにもかかわらず自然にマッチする。根底に流れる魂を垣間見る着こなしにうっとり

自然の藍を紡ぐ鼎談。意外な素顔がのぞく微笑ましいトーク・セッション

イベントに登壇する、着物姿の志村洋子さんと鼎談相手の男性

世界各国への染色調査の旅路や、『家庭画報』での連載秘話。

植物の命をいただく草木染めで、もっとも表現することが難しいとされる紫の染料をめぐる葛藤や、創作の背景にあるテーマ「愛」について、母娘二人三脚で歩んできた染織の旅路が紐解かれます。

イベントに登壇する、着物姿の志村洋子さん

ユーモアにあふれた洋子さん。会場には笑い声が起こることもしばしば

洋子さんの語りは静かながらも、その視点はグローバルに広がっており、これまで目にしてきたものの大きさと広さがうかがえるものばかり。引き込まれるように聴き入っていると、まるで世界を共に旅しているような感覚になります。

イベントに登壇する、着物姿の志村洋子さんと鼎談相手の男性

その視線の先には世界があることが伝わるお話

トークの終盤には洋子さんのチャーミングな素顔も垣間見えました。

「実はマイケル・ジャクソンが大好きで、私が家で踊っていると、母(ふくみさん)も一緒に真似して踊っていたのよ」

という微笑ましいオフのエピソードが披露され、会場が親近感で温かい空気になりました。

幻の名作「野の果て」の登場!紬で心を通わせ交流

トーク・セッションのもう一つの主役は、全国から集まったお客様方の見事な着姿でした。

ご参加のお客様の中には志村作品をお召の方もいらっしゃいました。中でも、志村ふくみさんの代名詞とも言える名作『野の果て』を着こなすお客様も。

イベントに登壇する、着物姿の志村洋子さんと志村ふくみさんの着物を着る女性

洋子さんが見つけてお声をかけられ、壇上にお誘い。お披露目して会場を大きく沸かせました。

他にもお客様のお召しものを見て「あら、あなたもすずしを着ているのね、珍しいわね」と声をかけるなど、気さくにコミュニケーションを取る場面も印象的でした。

イベントに登壇する、着物姿の志村洋子さんと志村ふくみさんの着物を着る女性
イベントに登壇する、着物姿の志村洋子さんと志村ふくみさんの着物を着る女性

トーク終了後には、ギャラリースペースで洋子さん自ら作品解説をしていただきました。「あなたにはこれが似合いそう」と、お客様にお見立てされる一幕も。

志村洋子さんのイベントの、着物展示販売会場

今、志村作品を目にできる機会は日本でも限られています。会場内の展示・販売スペースは存分に鑑賞いただける機会となりました

作品の鑑賞や洋子さんと会話のできる機会はなかなかありません。貴重な機会に感激するお客様もいらっしゃいました。

作品と残す今日の着姿

最後には撮影会を実施いたしました。

こちらは洋子さんと、志村作品をお召しのお客様で並んでいただいたものです。草木の持つ美しさがよくわかります。

志村洋子さんのイベントに参加する着物姿の女性数人
志村洋子さんのイベントに参加する着物姿の女性と男性
志村洋子さんのイベントに参加する着物姿の女性2名
志村洋子さんのイベントに参加する着物姿の女性
志村洋子さんのイベントに参加する着物姿の女性
志村洋子さんのイベントに参加する着物姿の女性
志村洋子さんのイベントに参加する着物姿の女性

2026.05.22

イベント

みなさまの着物コーディネート拝見!

草木が紡いだ美しさを未来へ

志村洋子さんの気品あふれるお人柄とユーモア、志村作品を愛する皆さまの華やかな着姿、そして会場全体を包む温かな空気。そして何より、草木から授かった輝く色彩が心に刻まれる一夜となりました。

ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

撮影/五十川満

2024.10.10

カルチャー

バイヤー野瀬の、きもの産地巡り

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