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永楽屋14代細辻伊兵衛の心意気!おおきに財団へ150反の白生地寄贈

永楽屋14代細辻伊兵衛の心意気!おおきに財団へ150反の白生地寄贈

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8月19日、ホテルオークラ京都にて京都伝統伎芸振興財団創立30周年を記念し、白生地反物150反の寄贈式典が執り行われました。寄贈したのは、永楽屋14代細辻伊兵衛氏。本記事ではその式典の様子に加え、白生地の魅力や反物に込められた想いについてご紹介します。

2026.05.15

ファッション

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花街文化を支え、着物づくりの技を繋ぐ

まだまだ暑さが残る京都にて行われた『京都伝統伎芸振興財団(おおきに財団)創立30周年記念 反物寄贈式』の様子をお届けします。

集合写真

写真左から、祇園東芸妓組合組合長・つね和さん、上七軒芸妓組合組合長代理・尚可寿さん、おおきに財団理事長・鈴鹿且久氏、14代細辻伊兵衛氏、先斗町芸妓組合組合長・市園さん、宮川町芸妓組合組合長・ふく葉さん、祇園甲部芸妓組合組合長・まめ鶴さん

寄贈主は、京都で411年の歴史を誇る太物商であり、多種多様な手ぬぐい・風呂敷を生み出し続けている永楽屋。

京の行事や二十四節気をモチーフとする季節感あふれる手ぬぐいは、額に入れてインテリアとしても愉しめる芸術性の高さも相俟って、京土産としても高い人気を誇ります。

また、カルビーの人気スナック「じゃがりこ」とコラボレーションしたり、名立たる作家・アーティストらの作品を手ぬぐいに仕立てたりと、常に話題には事欠かない老舗手ぬぐい専門店です。

そんな永楽屋が、この度、京都五花街で活躍する自前の芸妓※へ寄贈するための白生地を手掛けました。

※自前の芸妓……住み込みの置屋(屋形)を出て自活する芸妓のこと。芸事とおもてなしのプロとして独り立ちすることを「自前になる」という。

「長年お世話になってきた花街のため、少しでもお役に立ちたいという想いから綸子の白生地を寄贈します。芸妓さんたちの装いを支える伝統工芸や職人の技術を次世代へ繋ぐ一助になればと願っての取り組みです」

と、胸の内を語ったのは、永楽屋14代細辻伊兵衛ほそつじいへえ氏。

京の伝統・技術を育む“循環”を維持する

永楽屋と花街の縁は古く、創業当時の江戸時代、初代細辻伊兵衛氏は大石内蔵助とも親交があり、彼が贔屓にしていたお茶屋にも出入りしていたと伝わっています。

その後、明治5(1872)年には、8代細辻伊兵衛氏が京都博覧会の立ち上げに尽力し、附博覧として始まった『都をどり』の運営にも携わります。

2025.07.28

カルチャー

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さらには100年ほど前から、舞妓の姿や花街文化を題材とするシリーズ「舞妓手拭」を制作し、多くのファンを魅了しているのです。

舞妓手拭
舞妓手拭

(写真左)「舞妓さんの四季」は季節の移ろいを感じながら橋を渡る舞妓さんの姿を描いた作品。四季ごと、帯の模様も異なる。(写真右)舞妓さんの紅葉狩りの風景を表現した「紅葉と舞妓さん」。各3850円(税込)

「芸妓さんが着物を誂え、着用し続けることで、花街文化はもちろん、染織・刺繍・金彩・仕立てなど、着物づくりを支える多くの仕事とその技術の継承に繋がります。

着物づくりを担う機屋や職人の減少および高齢化に強い危機感を抱くなかで、今回の寄贈をきっかけのひとつとして、今後は呉服事業を通じて、京友禅をはじめとする着物づくりの担い手となる若手職人の採用・育成にも力を注ぎ、京都の伝統文化や伝統工芸を次の世代へ受け継いでいきたいと考えています」

“花街文化を守ること”が単なる文化支援に留まらず、芸舞妓を頂点とする産業連鎖を維持する術すべとなることで、長らく受け継がれてきた伝統技術と職人の営みが次世代へと継承されていく循環を止めないことが何より重要だと、細辻伊兵衛氏は考えているのです。

2025.07.07

カルチャー

令和の芸舞妓図鑑

お好みで自在に使える白生地のままで

今回寄贈された白生地は、正絹の綸子150反。芸妓らの間で人気が高い紗綾形さやがたの地紋が華やかなもの。光の当たり方や見る角度によって、文様が美しく浮かび上がります。

紗綾形は卍繋ぎを斜めに連ねた文様で、その名は綾織りという絹地に用いられたことに由来します。

「不断長久(絶え間なく長く続く)」の意味を持ち、家の繁栄や長寿を願う文様として古くから愛される柄です。中でも、菊と蘭の花を合わせた「本紋」は綸子の地紋に多用されてきました。

白生地アップ

端正で品格がある紗綾形は白生地の地紋の定番柄。今回用意されたのは、地紋の大きさが異なる2種類

なぜ、完成した着物ではなく白生地なのか――。

細辻伊兵衛氏曰く、「芸妓さんがそれぞれ好みや用途に合わせて色柄を選び、誂えることができるように、白生地の状態でお渡しすることにしました」。

白生地反物

1反は、約38㎝×12.5㎝

「きものと」編集部からの「どんな色に染めたいですか?」という問いに、

「屋形のおかあさんからあんたは濃い色は似合わへんなぁって言われたことがいまでも沁みついているので、淡いお色にしようとおもてます。どんなお色や柄がええかなぁて考えるのも楽しい時間どす」

と答えてくださったのは、宮川町芸妓組合組合長のふく葉さん。

宮川町芸妓組合組合長を務めるふく葉さん

宮川町芸妓組合組合長を務めるふく葉さん

2025.07.07

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それを受けて、おおきに財団理事長の鈴鹿且久すずかかつひさ氏は、

「お好みに合わせた皆さんそれぞれの装いを、夜の街でお見掛けできる日が楽しみです」

とコメントし、会場が和やかな雰囲気に包まれました。

取材・文/椿屋
写真提供/株式会社永楽屋

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