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琉球絣・琉球壁上布 大城誠光工房 大城進さん(沖縄県島尻郡南風原町) 「バイヤー野瀬の、きもの産地巡り」vol.13

琉球絣・琉球壁上布 大城誠光工房 大城進さん(沖縄県島尻郡南風原町) 「バイヤー野瀬の、きもの産地巡り」vol.13

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バイヤー野瀬の仕入れ旅、沖縄編。続いては南風原・琉球絣の大城進さんを訪ねます。かつては30人以上いらっしゃった織り手さんも現在は3人に……だからこそ「ほかにはないものを作りたい」と意欲的に語られます。

2024.06.10

まなぶ

首里織 首里織工房紗紗 宮国文愛さん(沖縄県那覇市) 「バイヤー野瀬の、きもの産地巡り」vol.12

南風原・琉球絣の大城進さんを訪ねて

琉球絣・琉球壁上布

バイヤー野瀬の仕入れ旅、沖縄編。

続いては南風原・琉球絣の大城進さんを訪ねます。

大城進さん

絣をくくる大城進さん

沖縄では、自宅で機織りをしていた主婦兼織子さんが織物文化を支えてきました。

しかし、女性も外で働くようになり、職人の人口は激減。大城さんの工房でもかつては30人以上いたという織り手が現在は3人に。

だからこそ、「ほかにはないものを作りたい」と意欲的に語ります。

大城進さんと野瀬

大城進さんと野瀬

2024.05.16

まなぶ

琉球絣・琉球壁上布 丸正織物 大城幸司さん(沖縄県島尻郡南風原町)「バイヤー野瀬の、きもの産地巡り」vol.11

絣くくり、達人の技に感動

大城進さんは、琉球絣「意匠部門」の伝統工芸士で絣くくりが専門ですが、工房を継いでからはほとんどの工程を自分でやっているそうです。

そのためか、”これは大城進さんの作品”というのがひと目でわかるほど、特徴的。

雑誌『美しいキモノ』では、京都きもの市場より掲載協力いたしました大城さんの作品が大好評。

リゾートを満喫する洗練のカジュアルスタイルとしてご紹介され、たくさんのお問い合わせをいただきました。

バイヤー野瀬:大城さんはずっとこの道に携わっておられるのですか?

大城さん:そうです。最初は兄弟で父(大城誠光氏)を手伝いはじめたのですが、自分が継いでから30年以上経ちました。

もともとは絣くくりを専門にやっていたんですが、いまは巻き取りと織り以外はすべて私がしています。ここに父の代から使っているノートがありますよ。

ノートを拝見する野瀬

バイヤー野瀬:おお!さまざまな実験をなさって、それを記録してきたのですね。

これは大変貴重。この資料からさまざまな要素を組み合わせて構築していく……布は平面ですけれど、織の仕組みは建築に通じるなあといつも思います。

ノート

大城さん:資料通りにしてもまったく同じにならないこともあるので、そこがまた面白さでもありますね。

バイヤー野瀬:よかったら絣くくりを実演していただけますか?

大城さん:はい、もちろん。こんなふうにやるんですよ。

絣くくり

バイヤー野瀬:すごいスピード感!絣くくりって、糸の音がするんですね!

指がしっかり糸を締めていく……大城さん、力強い手!!僕の手と比べてみると、糸に鍛えられた職人さんの手というのか、ご自身の手は大事な道具なんですね!

職人の手

大城さんの手(左)と野瀬の手(右)

絣くくり2

壁上布とこれからの琉球絣

バイヤー野瀬:大城進さんの作品と言えば、”いかにも琉球絣”といったデザインが多いですが、紫や黄色といった鮮やかな色が印象的です。

今日着ているシャツも壁上布ですよね?

着る人が楽しくなるようなものを織っていきたい。

大城さん:いいでしょ?壁上布アロハです(笑)。壁上布はつくる人が減ってしまっているので、なるべく織るようにしています。

シャリ感のある壁糸を緯糸にして織りますが、打ち込みが少なくできるので、軽くて透けるんです。

軽くて透ける

バイヤー野瀬:沖縄ものには紺はよく使われますが、黒はあまりないイメージなので、この壁上布の黒と紺の格子もカッコイイ感じでとてもいいですね。

黒と紺の壁上布

大城さん:よそがつくってないものをつくりたいという思いはつねにありますね。

バイヤー野瀬:モザイク画のようなグラデーションも美しいですし、絣模様もチカラがあります。しかし、いざ着るとなると絣のきものは上級者にしか着こなせないとおっしゃるお客さまも多くて……

かといってせっかくの沖縄らしさがなくなってしまってはつまらないし、タテのグラデーションがすごくきれいなのでそれを生かすようなアイデアがあればと思うのですが。

よそがつくってないものをつくりたい

大城さん:たとえば、この格子のヨコをなくして、縞の中にトゥイグワーが飛んでいるとか?技法的には格子のほうが難しいのだけれどね。

黒と紺の壁上布

バイヤー野瀬:技術力の高い作り手にとっては技法的に少しもの足りないかもしれませんが、「着る」という観点ではそれがちょうどよかったりします。

絣柄の大きさを小さくする手もありますね。それと、大城さんの鮮やかな色出しを生かして、もっとターコイズくらいの珍しさあっても面白いかもしれません。

作業中の大城さんと野瀬

大城さん:そうですね。やってみましょう。常々、いままでない沖縄らしい柄とかにも挑戦したいとも思っています。ソテツとか守礼門とかシーサーとかね。

バイヤー野瀬:シーサー絣ですか!?楽しそうですね。

大城さん:実際にはシーサーを絣で表すのは難しいですけど、着る人が楽しくなるようなものを織っていきたいですね。

経糸は美しいマルチカラー。

経糸は美しいマルチカラー

より雰囲気のある絣のきものが生まれます。

緯糸を入れて織っていくと、より雰囲気のある絣のきものが生まれる

撮影/田里弐裸衣 @niraiphotostudio
取材・文/SOLIS&Co. @wabijin_na_jikan

2023.04.28

まなぶ

南風原花織・琉球絣 宮城麻里江さん (沖縄県島尻郡南風原町)「バイヤー野瀬の、きもの産地巡り」vol.5

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