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首里織 首里織工房紗紗 宮国文愛さん(沖縄県那覇市) 「バイヤー野瀬の、きもの産地巡り」vol.12

首里織 首里織工房紗紗 宮国文愛さん(沖縄県那覇市) 「バイヤー野瀬の、きもの産地巡り」vol.12

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沖縄仕入れ旅、今回は野瀬が「どんな方かずっとお会いしたかった」という宮国文愛さんの元へ。那覇伝統織物事業協同組合のある『首里染織館suikara』を訪ねました。

2024.05.19

まなぶ

きものすなおさんと”織の原点”へ (ラオス・ヴィエンチャン) 「バイヤー野瀬の、きもの産地巡り」番外編

色に惹かれて

宮国さん

「色に惹かれて仕入れてみると、宮国文愛さんの作品だったということがよくある」という着物バイヤー野瀬。

宮国さんが染めと糸の準備をしている、那覇伝統織物事業協同組合のある『首里染織館suikara』を訪ねました。

2年前にできたばかりの『首里染織館suikara』へ

宮国さんを訪ねると、この日はちょうどコチニールで糸を染めている真っ最中

※コチニール……主にメキシコなどで採取されるオウギサボテンにつくカイガラムシの一種。別名エンジムシとも呼ばれ、臙脂色に由来するという説も

染色液の中で絶え間なく糸を動かし、染料が浸透したら、じゃぶじゃぶと流水を通して色を定着させていきます。

染色作業中の宮国さん

染色作業中の宮国文愛さん

「青っぽいほうが銅媒染、少し赤味があるのがチタン媒染です。出したい色にするまで何度か染め重ねます」

染め場の施設も充実

染織を勉強したいと思ったとき、何を専攻しようか迷っていた宮国さんに首里織を勧めたのは、琉球紅型をされているお母様

お母様は首里のご出身で、習うなら「王府の布として首里に伝わる首里織を」と後押ししてくれたそう。

染め場

染め場の施設も充実

「繊細な作業なのですが、肉体系の仕事ですね(笑)。講習が終わってすぐに子宝に恵まれ、首里は絹に限らず木綿の半幅帯などもあるので、子育てしながらできる範囲でものづくりをしています

大先輩がたくさんいらして、和宇慶むつみさんや山口良子さんにもアドバイスをいただいています

2023.09.17

イベントレポート

作り手の思いに触れる ~和宇慶むつみさん、玉那覇有勝さんを訪ねて~ 「琉球染織ツアー2023」レポート(前編)

和宇慶さんには、「いまはいっぱい織りなさい」と言われ、ひたすら励む日々

山口さんとは折に触れ教えてもらう関係で、糸を分けていただいたことも

ひとりではなかなか難しい洗い張りの作業となれば、組合にいるみんなが手伝ってくれたり、首里という場所だから続けていられると言います。

首里という場所だから続けていられると言います。

2023.04.28

まなぶ

南風原花織・琉球絣 宮城麻里江さん (沖縄県島尻郡南風原町)「バイヤー野瀬の、きもの産地巡り」vol.5

そのときに出た色を受け入れる

作品

仲間たちの作品とともに宮国さんの作品も並ぶ

講習で一番心に残った言葉が「天然染料は出た色を受け入れなさい」という教え。

大量生産の洋服のように同じものを作るなら化学染料でいい、天然染料はそれぞれの”いのちの色”

宮国さんの作品

月桃染めの宮国さんの作品

宮国さん:たとえば、月桃ゲットウを染めているととてもいい香りがするんです。それまでそんなにピンクは好きな色ではなかったんですが、いいなと思うようになりました。

バイヤー野瀬:月桃のピンクはいいと思います! 月橘ゲッキツのブルーがかったグリーンもすごく人気がありますよ

宮国さん:ここのところ紫が続いているので、次は黄緑系もいいかもしれませんね。

2023.02.02

まなぶ

首里花倉織 工房涼 金城涼子さん(沖縄県那覇市)「バイヤー野瀬の、きもの産地巡り」vol.3

染めと糸巻きが好き

染織の工程の中で「染めと糸巻き」が一番好きな作業、という宮国さん。

その理由は、無になるから。

温かい先輩と組合員の仲間たちとともに、首里織のホープとして期待されているひとりです。

那覇伝統織物事業協同組合の仲間たち

那覇伝統織物事業協同組合の仲間たち

野瀬と宮国さん

撮影/田里弐裸衣 @niraiphotostudio
取材・文/SOLIS&Co.

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