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琉球絣・琉球壁上布・南風原花織 マル信工房 具志堅悦子さん・金城広子さん(沖縄県島尻郡南風原町) 「バイヤー野瀬の、きもの産地巡り」vol.14

琉球絣・琉球壁上布・南風原花織 マル信工房 具志堅悦子さん・金城広子さん(沖縄県島尻郡南風原町) 「バイヤー野瀬の、きもの産地巡り」vol.14

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バイヤー野瀬の沖縄仕入れ旅、姉妹で織の仕事に従事するマル信工房さんへ。沖縄の海の色のような鮮やかに透き通る壁上布に心が奪われます。

2024.07.08

まなぶ

琉球絣・琉球壁上布 大城誠光工房 大城進さん(沖縄県島尻郡南風原町) 「バイヤー野瀬の、きもの産地巡り」vol.13

琉球絣・琉球壁上布・南風原花織の具志堅悦子さん・金城広子さんを訪ねて

バイヤー野瀬の沖縄仕入れ旅、姉妹で織の仕事に従事するマル信工房さんへ。

沖縄の海の色のような鮮やかに透き通る壁上布に心奪われます。

琉球壁上布

丸正織物の大城幸司さんへの取材で、琉球絣の夏ものである「壁上布」の年間生産数は250反ほどに激減しているという現状を耳にした野瀬。

焦燥感に駆られながら丸正織物に隣接するマル信工房さんへ

2024.05.16

まなぶ

琉球絣・琉球壁上布 丸正織物 大城幸司さん(沖縄県島尻郡南風原町)「バイヤー野瀬の、きもの産地巡り」vol.11

希少な壁上布を個性的な色づかいで製作している南風原琉球絣・製織部門の伝統工芸士である具志堅悦子さんを訪ねます。

きものsalon 2024春夏号より

きものSalon 2024春夏号より(P129)

すると……

そんな不安な気持ちを晴らすかのように鮮やかに輝くターコイズブルーの壁上布が!

野瀬、鮮やかな色の壁上布に感動!

具志堅さんと野瀬

バイヤー野瀬:うわーめちゃくちゃきれいですね!!これくらい鮮やかな色は壁上布のよさがわかってとてもいいですね!

具志堅さん:自分が好きでつくっているので、色がどうかなと思ってましたが、気に入って
いただけましたか? もう少し落ち着いた感じにしたものも織ってみたんですけど、どちらがお好みですか?

バイヤー野瀬:こっちで!(と、ターコイズブル×黄色の横段を選択)この色の組み合わせは、きものではあまり見ないと思います。夏ものらしさがあってまた素敵です。

嬉しそうに微笑む具志堅さん

具志堅さん:そうなんですねー(ちょっと嬉しそうに微笑んで)。

バイヤー野瀬:あ、もちろん両方いただきたいです! 展示会場などでは何千点と商品を飾るので、こういうパンチのある色目は、必ずお客さまの目を惹きます。

それに、決して「派手」ではないんですよ。パワーのあるブルーですが、赤やピンクといった少し威圧感を含む派手さとは違う、見る人を元気にする色です。壁上布は透けますから、長襦袢の白も入ると爽やかな印象になると思います。

大胆な横段の壁上布

具志堅さん:このブルーはとても好きな色なので、そう言っていただけると嬉しいです。

バイヤー野瀬:壁上布で大胆な横段というのは織りにくいとされる壁糸の難が目立つでしょうから、織るのも苦労されますよね?

具志堅さん:そうですね。周りでも織っている人が少なくなりましたね。いま途中まで織っているものがありますが、それも見ていただけますか。

野瀬と具志堅さん2

バイヤー野瀬:またこれはこれでシックでいいですねえ。グレーがいい雰囲気。小さい絣模様が欲しいと思っていたのですが、ここにあった!という感じです。

シックなグレーがいい感じ

姉妹ふたりの工房

南風原花織

南風原の織物には琉球絣のほかに南風原花織もあります。

マル信工房は、具志堅悦子さんのお姉さんである金城広子さんが、南風原花織のつくり手。
姉妹ふたりの工房です。

金城広子さんが南風原花織のつくり手

金城さん:祖母がはじめた工房で、母が2代目、妹が3代目になります。母がずっと絣を
やっていて、妹も20年以上のベテランで工房の後継者。私は始めたのが遅かったので、まだまだなんです。

絽の花織の帯

絽の花織の帯

絽の花織の帯

バイヤー野瀬:これは絽の花織の帯ですね? 絽目の数が多い! 

デザインはシンプルなのでこのまま姉妹作品コーディネートができますね。単衣の時期の汎用性のある帯を探している方も多いので使いやすいと思います。

金城さん:なるほど。お客さまの目線を教えていただくと、わたしたちも勉強になります。ちょっと織ってみましょうか。

作家とお客様との繋ぎ役に

バイヤー野瀬:お! 南風原花織では8枚~10枚もの綜絖を順番に操作して図柄を浮かび上がらせるとは聞いていましたが、足がつりそうなくらい、踏み込むんですね。

金城さん:そうなんです、そうでないと糸綜絖の部分が開いてくれないので。おかげで足が
鍛えられますよ(笑)。

バイヤー野瀬:思ったより全身運動な感じですね。こんなに杼が大きいのもそのためですか?

金城さん:そうです。ほとんど反物の幅くらいの長さがありますね。妹の後を追いかけて、
私もこれからどんどん作品をつくっていきたいなと思っているところです。

野瀬、金城さん、具志堅さん

左から、着物バイヤー野瀬、南風原花織の金城さん(姉)、琉球壁上布の具志堅さん(妹)

バイヤー野瀬:南風原の手仕事はもっと注目されていいと思うので、こうして現場を見せていただいた経験を、僕もお客さまに広く伝えていきたいです。

作家さんのクリエイティビティとお客さまのニーズが合致すると、全員が幸せ。
そういう繋ぎ役になりたいなといつも思っています。

撮影/田里弐裸衣 @niraiphotostudio
取材・文/SOLIS&Co. @wabijin_na_jikan

2023.04.28

まなぶ

南風原花織・琉球絣 宮城麻里江さん (沖縄県島尻郡南風原町)「バイヤー野瀬の、きもの産地巡り」vol.5

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