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【Q18】着物の衿がすぐに汚れてしまいます「いまさんの着物お悩み相談室」

【Q18】着物の衿がすぐに汚れてしまいます「いまさんの着物お悩み相談室」

【Q18】着物の衿がすぐに汚れてしまいます「いまさんの着物お悩み相談室」

2024.06.18 （2024.06.19 更新）

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エッセイスト・イラストレーターきくちいまさんによる人気連載、”着物お悩み相談室”。Instagramにて実際にいただいたお悩みより…… 今回は、衿汚れのお悩みについて。

たしかに、きものを着終えたあと、帯の形がうまく整っているかを鏡で確認します。左右対称になっているかな？と、右からも左からも確認します。

そのときが衿の汚れるタイミング！

ぎゃー！完全に無意識でした。帯をチェックするときに、フェイスラインがきものの衿に直接触れていたなんて。ぐぬぬ。

ベンジンで汚れを落とす方法もありますが、少しだけ出して使っては落ちるものも落ちません。

以前職人さんの仕事っぷりを間近で拝見させていただきましたが、おおお！そんなに！？すぐ瓶が空っぽになっちゃう！とびっくりするくらいの量を使っていました。少しの量では輪ジミになってしまったり、布地が摩擦で傷んでしまったりするのだとか。

さらに、ベンジンは引火性が高いので火災の危険も伴います。空気が乾燥しているときだと静電気でも発火したりするとのことで、それを聞いてから、わたしは正絹のきものはなるべくプロにお任せすることにしています。

とはいえ、ふだん着ている紬やお召にはいいんですけど、ものすごく頑張って買った一張羅のきものには、いくらガード加工がしてあるからとて自分で汚れ落としをする気にはどうしてもなれない小心者のわたしです……

最近、衿元から膝までをガードする食事用の簡易エプロンをいただきました。衿元に挟む部分に固くて小さな三角定規のようなものが入っていて、これが安定感があってとても使い勝手がいいのです。

真似して作ってみたいなと思いつつ、用尺を測ったら縫い代も含めて90cm以上は必要みたい。何度か洗った手ぬぐいは縮んでいて長さが足りませんでした。

次男のために作った白地に細かい青の十字絣の浴衣の残布があったので、これで簡易エプロンを作ってみようと思ったのですが、洗うことを考えて水に濡らしてから乾かして、簡単な水通しをしてみたら、やはり縮んで90cmには長さが足りません。

せっかくいい手触りなのにもったいない……あっ！と閃きました。

この布を、帯チェックのときに衿をガードする布にして、いつも使う鏡のところに用意しておけばいいのでは！？

今わたしの姿見には、帯チェック用の布がひっかけられています。浴衣の残布の日もあれば、手ぬぐいの日もあります。

帯チェックのときに使ったら、そのまま畳んで袖に入れて出かけるのもアリ。袖に入れてさえおけば、出先の化粧室で帯チェックしたくなったときにも使うことができます。

この布一枚のおかげで、衿汚れに悩むことが断然少なくなりました。ぜひお試しください！

ほぼ一年中を着物で過ごし、着物ライフの楽しさをイラストとエッセイでつづる。執筆の他、着物や帯などのプロデュースも手がけ「着物は人生に寄り添うもの。おしゃれで楽しくて、お守りのような存在の布になれたらと願い、ものづくりをしています」と語る。著書に「大人かわいい着物読本」(主婦と生活社)、「おとなのときめきふだん着物」(河出書房新社)、「買ってはいけない着物と着物まわり」(実業之日本社)などがあり、最新刊は「東京着物さんぽ」(GB)。山形県在住で、子3人犬1匹の母でもある。

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