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その愛嬌こそが愛される所以 祇園東・雛佑さん 「令和の芸舞妓図鑑」vol.10

その愛嬌こそが愛される所以 祇園東・雛佑さん 「令和の芸舞妓図鑑」vol.10

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京都の寺社仏閣や芸舞妓さんの写真で注目を集める写真家・小見直人さん。日々更新される彼の作品から、きものと版「令和の花街図鑑」をお届けします。今回、初の祇園東から。トップバッターを飾るのは、小見さんとのご縁が深い雛佑さんです。

2024.05.15

よみもの

持ち前の明るさが人気の秘訣 宮川町・叶朋さん 「令和の芸舞妓図鑑」vol.9

雛佑さん01

雛佑ひなゆう

 出身地:大阪府
  屋形:祇園東・田中菜美
見世出し:2015年3月23日
ひとこと:コロナ禍に『ピクミンブルーム』にハマって以来、お座敷かごに付けたピクミンがいつもお供してくれています(笑)。

雛佑さん
雛佑さん03
雛佑さん04
雛佑さん09

ご本人コメント

秋にも着られるかな、と青もみじに紅を足してもらったお着物ですが、爽やかに仕上がったのでやっぱり初夏が似合います。合わせたのは、大胆な流水柄の帯。いろいろあって合わせるのが愉しい裾引きはええどすね、大好きどす。

コロナ禍前は忙しすぎてなかなかお休みをいただくこともできず……コロナの影響でお休みが増えたときに、ゆっくり遠出する機会があって、旅行が趣味になりました。近場でも意外と行ったことのない場所へいきたいですね。海外もええと思いますけど、うちはやっぱり日本国内を余すところなく訪れてみたいと思っています。

雛佑さん05

隠れた紅葉の名所、金戒光明寺塔頭・栄摂院(通常非公開)にて。青もみじの爽やかさにすっと溶け込む美しい佇まい

雛佑さん06

紅をひく仕草だけでもそこはかとなく色気が漂い、絵になる一枚

雛佑さん07

祇園東の芸妓がつける「合切(がっさい)」は合切紙という京懐紙を巻いたもので、帯のアクセントとして用いられるアイテム。自身の名が意匠となった根付は、衿替えの際に贈られたお気に入り

雛佑さん08

お座敷かごにはピクミンとともに、推し力士のキーホルダーも。「ご結婚しはったときは大失恋どした。いまは心から高安関の幸せを願っています(笑)」と雛佑さんの愛は深い

雛佑さん10

こちらは建仁寺塔頭・西来院の庭園縁側にて。秋の訪れを感じさせる葡萄葉の帯と蔦柄の着物で

撮影後記

カメラを始めてすぐの頃にとある撮影会で、雛佑さんとお会いしたときのことをよく憶えています。「なんでこんなとこに?!」と驚かれて、逆に個体認識してくださっていることにビックリしました。

大雪の日に花見小路でばったり出遭って、「姉さん、撮らせてもらってもいい?」って声をかけたら、「ええよ、傘広げてポーズ決めよか?」と気軽に応じてくださり、そのときの笑顔と気さくさに、多くの人が「五花街で一番ええ人!」と口を揃えて言う訳がよく分かりました。

そんなロマンチックなシチュエーションなのに、お互い「ほな」って別れたのは失敗でしたね。こんど大雪の中で偶然会うことがあったら、二軒目に誘いたいと思います(笑)。

青もみじのお着物姿の撮影場所は、金戒光明寺の塔頭・栄摂院(えいしょういん)。その庭園は例年秋のみ公開される、京都の隠れた紅葉スポットです。紅葉の名所は、青もみじも当然美しい。庭がお着物を染めたような出で立ちで、自然に溶け込みつつも存在感を失わない――そんな立ち姿が印象的でした。

2023.01.30

よみもの

是枝裕和監督が描く花街の文化 Netflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』〈前編〉

2023.02.27

インタビュー

小紋屋主人と現役芸妓も納得! Netflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』〈後編〉

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