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コラム
実の妹と芸の道を突き進む　宮川町・ふく光さん「令和の芸舞妓図鑑」vol.16

実の妹と芸の道を突き進む　宮川町・ふく光さん「令和の芸舞妓図鑑」vol.16

2024.12.15 （2024.12.16 更新）

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京都の寺社仏閣や芸舞妓さんの美しい写真を得意とする写真家・小見直人さんの作品で編む、きものと版「令和の花街図鑑」。普段はなかなかお目にかかれない芸舞妓さんたちの着姿をお愉しみください。令和6年最後を飾るのは、宮川町の芸妓・ふく光さんです。実の妹・ふく愛さんとの仲良しエピソードと共にお届けします。

ふく光てる

　出身地：島根県
　　屋形：宮川町・堀八重
見世出し：2001年12月6日
ひとこと：数年前にお座敷でお客様からゴルフする？車の免許は？と聞かれ、芸妓さんに必要なもんかなぁ(笑)と内心思いながらも、悔しい思いも湧いてきて、出来るに越したことはないなと、お稽古の合間にレッスンや教習所へきばって通っています。来年にはどちらも出来ているはずどす(笑)。お稽古事はもちろんなのどすけど、色々な事に挑戦して経験してみとおす。

ご本人コメント

妹のふく愛とは、顔立ちはそこまで似てへんのどすけど、お拵えをして舞台に立つとよく似ていると言われます。「京おどり」フィナーレの宮川音頭では、地方の姉さんから「光てるちゃん、愛ちゃんいつ入れ替わったん？」と言われたこともあります。正面で向き合い踊ったときには、心通じ合って笑ってしまいそうに。実の姉妹であり花街でも盃を交わした姉、妹どすねん。お互いにとても心強い存在どす。妹のお三味線は凄いと思うています。お三味線を弾く姿、バチ捌きや音色もとても素敵と思います。

うちはお三味線はお稽古させてもうていますけどとても苦手どして……一番舞いが好きどす。これからも他の芸事も含めて、より一層お稽古きばっていきたいと思います。

お着物の着付けや身だしなみについては、舞妓の頃から屋形のお母さんに厳しく教えていただいて、いまでも身についています。衿の合わせ方や舞妓さんの日本髪、芸妓さんの島田の鬘。当たり前のことなのどすけど、とても大切なこと。綺麗にしてなあきまへんどす。京都弁で「じじむさい」と言われてしまいますので(笑)。

歌舞伎、宝塚、ミュージカル、落語など、お舞台観劇は舞妓さん時代から大好きどす。うちの姉さんには、「歌舞伎お芝居そんな沢山観に連れていただいてるのやから自分の舞台に役立てなさい」とよくお叱りをうけます。

最近、興味があることは、美容関係の話題どすね。とし夏菜ちゃんがとっても詳しくて、愛ちゃん、夏菜ちゃんと温泉旅行に行ったときには、美容関係の話で夜中まで女子会どしたよ。

撮影後記

ふく光てるさんといえば、おっとりキャラ。そして、ふく愛さんという実の妹さんが同じ屋形出身の自前さんとして活躍されていていることでも有名です。

僕がまだスマートフォンで撮った写真をInstagramに上げていた頃におふたりと街でお会いしたことがありました。光てるさんが「撮ってくださ～い」って言うてくださったので、「撮りましょ！！」とノリノリで撮影していたら、一緒に歩いていた愛さんがお座敷に遅刻しそうだったようで「姉さん、早く！」みたいな感じで急いておられて。

でも、光さんは光さんで、僕が撮った写真を「一回確認させてください」ってチェックされてて。

何度も愛さんが「ほんまに早く！」ってじりじりしてるなか、画面を見て、たぶんお気に召さなかったんでしょうね、「もう一回いい？」って撮り直すことに。その間、愛さんはずっと「ほんまに」「早く」を繰り返していて。

再度確認してOKを出してくださった光さんは全然焦らず「いってきま～す」って。その横で愛さんは汗かきながら「早く！お願いします！！」。ほんまに仲良し姉妹やなぁって、妹に叱られてるお姉ちゃんが意に介していない様子が微笑ましかったです。

撮影中にその話をしたら、「姉さん、いつも速く歩いてください」ってよく言われると仰ってました。「うち、歩くのも遅いんどす～」って（笑）。

1975年、京都市生まれ。京都調理師専門学校を卒業後、ソムリエデビュー。日本ソムリエ協会認定ソムリエ、同シニアソムリエ、同ソムリエエクセレンス取得。2009年から、京都にある著名なワインバーのカウンターに立つ。
趣味で京都の寺社仏閣、芸舞妓さんの撮影をしている間に、カメラにどっぷりハマってしまう。ライフワークとして、Instagram等で写真をアップする日々。二代目愛機は、SONYのα７Ⅳ。