嫁入りとなれば、着物をぎっしり入れた桐箪笥とともに送り出す―

そんな古くからの風習が長年根付いていた愛知県出身の美奈代さん。

「私も結婚するときに母が何着か着物を用意してくれました。ただ、なかなか袖を通す機会がなく、今は箪笥と一緒にトランクルームで眠っています。

もちろんお仕事では頻繁に着させていただく機会もあります。着物は、着ると背筋がピンと伸びる感じがしますね」

お母さまから贈られた着物とともに、美奈代さんが今でも大事にしているのが、成人式のときに当時所属していた事務所の社長さんがプレゼントしてくれた振袖。

ご自身のライフスタイルを綴るブログでも、その振袖を着てNHK主催のイベントに出演した際の貴重な画像をアップされています。

「当時、成人式を迎える若者が自分の想いを発表する『青年の主張』という弁論大会が毎年開催されていたんです。私もそのイベントにタレントとして参加することになって。

社長が、好きな着物をプレゼントするよと言ってくれたので、マネージャーさんと一緒に選びにいきました」

今は赤や黒などはっきりとした色味にしっかりと模様の入った振袖を選ぶ方が多いようですが、美奈代さんはあえて落ち着きのあるものを選ばれたのだとか。

「母に相談したら、『袖を切れば訪問着にもなるから地味目なものを選んだら』とアドバイスされたんです。だから大人っぽい振袖を選んだんですけど、妹が成人するときに着ただけで、それ以降は結局袖を通せていませんね（笑）」

芸能生活は今年で37年目。現在も精力的にタレントして活躍される美奈代さんは7月、埼玉県川越市の納涼祭でも浴衣姿でトークショーに出演されています。

そのときお召しになったフルーツ柄の浴衣姿も大きな話題に。ご自身のインスタグラムに浴衣姿をアップすると絶賛の声が相次ぎ、ネットニュースにもなりました。

洋服も和装も、何を着ても様になる美奈代さん。インスタグラムやブログをチェックして、おしゃれの参考にしているという方も多いのではないでしょうか。

美奈代さんは現在、家具やインテリア、そしてアパレルのプロデュースや販売など、経営者・プロデューサーとしてもご活躍中。

―― 同世代女性のファッションアイコンにもなっている美奈代さんが思われる着物の魅力とは？

「着物は色や柄の合わせ方で遊びを効かせられるという良さがありますよね。洋服よりも冒険がしやすいのかなと思います」

今回のパーティでお召しになった着物一式は、京都きもの市場・銀座店に足をお運びいただき、美奈代さんご自身が選ばれたもの。

着物は艶感のあるシルク地に、ふっくらとした絹糸や金糸で萩や菊などの秋花模様を一面に配した総手刺繍の訪問着。蘇州刺繍と呼ばれる世界最高峰の刺繍技術を用いた、豊かで気品あふれる一着です。

特別な魅力を持つ純白の絹地にシャンパンゴールドの重ね衿が、美奈代さんの持つオーラをさらに際立たせています。

「白の訪問着って着る場所を選びますよね。花嫁さんがウェディングドレスや白無垢を着る結婚式などでは避けないといけない色ですし。

今回は、お客様も思い思いのお洒落な着物姿で集まるパーティということで、思い切って白を選びました！レフ板効果があって、顔色も明るく映りますよね。総刺繍の着物というのも自分としては珍しく、とても気に入っています」

美奈代さんといえば、2020年4月に開設したご自身のYoutubeチャンネル『Minayoチャンネル』が今、大人気！チャンネル登録者数は6万人（2022年11月現在）を超えています。

そこには毎日のルーティンや家族と過ごす様子を日々動画でアップしており、料理やなんと掃除までも、せっせと家事をこなす自然体の姿が映し出されています。チャンネルについてお聞きすると―

「見た目で”この人何もできないんだろうな”と思われやすいから、ちょっとしたことでみなさん驚いてくれるんだと思います（笑）。

でもブログもそうですが、主婦のみなさんや、お仕事と育児や家事を両立して頑張っている方々の身近な存在でいたいと思っていますし、なるべく素の自分をお届けできたらなと」

同じところに留まるのではなく、常にご自身をアップデートされている美奈代さん。

誰しも新しいことを始めるときには億劫になってしまったり、他人からの反応を気にしてしまったりするものですが―

「私はそういう不安は一切ないですね。自分の好きなこと、やりたいことだったら何でも楽しめます！」

とキッパリ。

そんな潔さも美奈代さんが愛される理由のひとつ。取材に同行してくださった夫・矢島昌樹さんも、美奈代さんの魅力について「毎日飽きないところ」だと語ります。