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素材と文様で涼を呼ぶ文月 「月々の文様ばなし」vol.4

素材と文様で涼を呼ぶ文月 「月々の文様ばなし」vol.4

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梅雨もあければ、いよいよ本格的な暑さがやってきます。日本の夏ならではの布素材の違いとともに、夏の文様も、涼感を呼ぶお洒落として取り入れて楽しみましょう。

月々の文様ばなし

草木の葉も、いまでは雨を受けとめるのに充分な大きさに成長しました。私たちも、気持ちを広やかに、ゆったりとして梅雨を迎えたいものですね。

夏素材と夏の文様で涼感を

梅雨もあければ、いよいよ本格的な暑さがやってきます。

日本の夏ならではの布素材の違いとともに、夏の文様も、涼感を呼ぶお洒落として取り入れて楽しみましょう。

お祭りの日を待ちながら楽しむ「七夕」

皐月の文様 「七夕」

七月七日は「七夕」さま。

中国由来の「乞巧奠(きこうでん)」にもまつわる星祭りで、織女と牽牛が天の河をはさんで年に一度会えるお話にちなみ、星模様や五色の糸、梶の葉のほか、願い事を書いた色とりどりの短冊や切り紙飾りをさげた笹の葉竹がモチーフの文様が、特に染め帯などに多くみられます。

ところによって旧暦の八月に催される地方もあり、お祭りの日を待ちながら楽しみたい絵柄ですね。

七月に映える「ツユクサ」

皐月の文様 「ツユクサ」

朝に咲いて、午後には萎んでしまう青い花の「ツユクサ」。

きれいな青い色は、小さくても存在感があり、お洒落着物や染め帯によく映える色です。

俳句の季語としては秋なのですが、和装で装うには七月くらいからがよいかと思います。

「貝尽くし」から聴こえる波の音

皐月の文様 「貝尽くし」

七月は涼を求めて水辺へ行きたくなる季節ですね。

美しい巻貝や二枚貝など、いろいろな貝殻や藻類を寄せ集めた「貝尽くし」文様を見ていると、
どこからともなく浜辺の波の音が聴こえてきそうな、そんな情景が浮かぶ文様です。

「網干」で感じる夏の風情

皐月の文様 「網干」

人々の暮らしから生まれる文様にはユニークなものが多いのですが、その一つが、海や川
での漁に用いる網を、高い棒にかけて干す様子を文様にした「網干(あぼし)」だと思います。

葦や波、船などと一緒に水辺の景色に見立てた絵柄は、夏の風情を感じさせる文様として好ま
れています。

古くから人々に親しまれる「千鳥」

皐月の文様 「千鳥」

河原や浜辺の岸などで見かけるかわいらしい「千鳥」は、古くから意匠化されて人々に親しまれてきました。

波と取り合わせることが多いこともあり、和装では夏の文様として多くみられます。

着物や帯だけでなく、浴衣や長襦袢、小物にいたるまで、チラリとあしらわれているだけでも楽しくなる文様ですね。

夏ならではのモチーフ「朝顔」

皐月の文様 「朝顔」

むかし中国から薬用として伝えられたという「朝顔」。

江戸時代、観賞用として盛んに栽培されるようになり、人々に馴染み深い花となりました。夏ならではのモチーフとして、和装の中でも、特に浴衣の柄として、いまも数多くの朝顔文様が新しくデザインされ染められています。

紺地、白地、多色使い、どちらにも映えるポピュラーな絵柄です。

地球温暖化という問題を抱える現代ですが、暑さ対策も工夫しながら、その日その時のお天気と、ご自分の体調にあわせ、調節しながら装っていただければと思います。

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