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小紋・江戸小紋の着物の選び方。種類やふさわしいシーンとは?

小紋・江戸小紋とは?柄の種類や選び方【着物の種類 基本中のき!カジュアル編②】

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着物の種類を知る上で基本のき!となる「小紋」と「江戸小紋」について解説します。小紋や江戸小紋は柄や合わせる帯によって着用するシーンが異なります。特に、江戸小紋はおしゃれ着やお出かけ着としてだけでなく、紋を入れることで結婚式や入学式でも着用することができます。その場にふさわしい着こなしで小紋・江戸小紋の着物コーディネートを楽しんでみましょう。

着物には、第一礼装、準礼装、略礼装といった、格を重んじる礼装の他に、
外出着、街着等と呼ばれ、幅広く装えるカジュアル寄りの着物もあります。
カジュアル寄りの着物においては、もちろんTPOに合った装いはあるものの、礼装と比較すると決まりごとが少なく、自由に装うことが可能です。

また、同じ種類の着物であっても、色、模様、雰囲気や合わせる帯、小物により、晴れやかさやよそ行き感ある装いとしたり、逆にくだけた装いや個性的な装いとしたり、幅広くお洒落を楽しむことができます。

なお一部の江戸小紋については、後述するように、紋を入れることで準礼装、略礼装として着用できます。

江戸小紋

小紋のなかでも着回しのしやすい「江戸小紋」。おしゃれ着としての着用はもちろん、紋を入れることで式典などのセミフォーマルな場面でも着用することができます。今回はそんな江戸小紋の種類や意味、着用シーンなどをご紹介いたします。

小紋

小紋ってどんな着物?コーディネートの方法を解説!

まず、「小紋」とはどんな着物なのかについて解説していきます。
このあとご紹介する「江戸小紋」との違いも比較しながら、特徴や着用する場面を覚えてみましょう。

小紋とは?種類や柄の選び方

「小紋」とは、型紙を用いた型染めの方法により、模様を繰り返し反物に染めた着物です。
その名称から一つ一つが小さな模様のものを指すと思われることがありますが、模様の大きさは大小様々です。
また、画像のように無地場の多い飛び柄小紋と呼ばれるものから、無地場がほとんどなく柄で埋め尽くされた総柄小紋と呼ばれるものまで、模様も様々です。
さらに、模様の格や雰囲気によりよそ行き具合も大きく異なります。
このように、一口に小紋と言っても非常に幅が広いものです。
そのため、着用に適した場面も、合う帯も、それぞれの小紋に応じて考える必要があります。

飛び柄の小紋

小紋を着るべきシーンとは?

小紋は、模様によって着用する場面やコーディネートの方法が異なります。
華やかな模様や古典文様の小紋は、カジュアルなパーティへの出席、観劇、食事会、大寄せのお茶席等に着用でき、この場合は帯も、袋帯、織りの名古屋帯、染めの名古屋帯など幅広くあわせることができます。帯締め・帯揚げも、帯の雰囲気にあわせて幅広くコーディネートすることができます。

小紋を着るべきシーンとは
小紋は様々なシーンで活躍
コーディネートする帯揚げも様々
帯締めもいろいろ楽しめます

気の張らない外出着や普段着としての小紋は、普段のお稽古事や親しい友人との集まり、街歩き等で着用し、しゃれ袋帯、織り・染めの名古屋帯、半巾帯を合わせます。
帯締めは、金糸・銀糸を使っておらず重厚感のないあっさりとしたものが似合います。
帯揚げも、金箔を使っていないものを合わせます。
強い色や個性的な柄の小物を合わせるのはカジュアルな着物ならではのお洒落ですので、そのようなものを選ぶのも楽しいでしょう。

一面に柄の入った小紋

江戸小紋ってどんな着物?歴史からタイプ別着こなしまで!

次に、「江戸小紋」について解説していきます。
江戸小紋は小紋の一種ですが、染め方が先ほどご紹介した小紋とは異なります。

江戸小紋とは?種類や柄の選び方

江戸小紋は、遠目には無地に見えるほどのごく小さな柄を、一色のみの型染めで染め上げた小紋のことです。
型染めという工法から小紋の一種ではありますが、他の小紋と区別するために江戸小紋と呼ばれています。
模様により格の違いがあり、江戸時代に武士が裃(かみしも)として着用していた格の高い模様は、各大名家が自藩の模様を定め、他の藩が着用することを禁止していました。
これらは、江戸小紋の中でも特に裃小紋等と呼ばれます。

画像の「鮫小紋」と呼ばれる模様は、紀州徳川家の模様です。

鮫柄は紀州徳川家の模様

一方、庶民が着用していた江戸小紋には、四字熟語の漢字や、野菜の模様等、遊び心のあるものも多く見られます。

「家内安全」が図案化されたもの
「大根とおろし金」柄

裃小紋の中で特に格の高いものとして、「三役」と呼ばれる鮫、行儀、角通しがあり、これらに一つ紋を入れると、一つ紋の色無地同様に略礼装として慶弔で着用できます。
また、裃小紋は柄が細かくなるほど格が高いものとして扱われます。

「鮫」
「行儀(ぎょうぎ)」
「角通し」

江戸小紋を着るべきシーンとは?

江戸小紋を着用する場面や合わせる帯は、裃小紋については色無地と同様に考えます。
つまり、一つ紋を入れた略礼装としての裃小紋は、一つ紋の色無地と同様、紋を入れない裃小紋は、紋を入れない色無地と同様の扱いです。
遊び心のある江戸小紋は、気の張らない外出着や普段着としての小紋と同様に考えます。

小紋・江戸小紋で着物コーディネートを楽しみましょう!

小紋や江戸小紋は、着物そのものの柄や合わせる帯によって着ていくシーンが異なります。
その日の目的に合わせて種類を選びながら、小紋・江戸小紋の着物コーディネートを楽しみましょう。

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