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シック系紬から、小花柄の“愛されお嬢さん”に 「コバヤシクミのパーソナルスタイリング」 vol.2

シック系紬から、小花柄の“愛されお嬢さん”に 「コバヤシクミのパーソナルスタイリング」 vol.2

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着物スタイリストのコバヤシクミさんが、きものと読者をパーソナルスタイリング!「カワイイもの大好き」というゲスト麻衣さんが、明るい小花柄の小紋で“愛されお嬢さん”に。とってもお似合いです。ビフォーアフターの変化をお楽しみください♪

お二人の2ショット

自分の魅力って、自分では案外気がつかなかったりするもの。今回、”魅力を引き出すプロ”である着物スタイリストのコバヤシクミさんが、「きものと」読者の方のためにパーソナルスタイリングを実施!ご自身の新たな魅力に気づかれるその模様を、ビフォーアフターでレポートいたします。

着物スタイリスト コバヤシクミさんがナビゲート!

2022年の幕開けとともにスタートした「パーソナルスタイリング」の新連載。
ご好評をいただきましたvol.1に引き続き今回も、着物スタイリスト コバヤシクミさんが、「きものと」読者の新たな魅力を発掘いたします!

コバヤシさん

TVや雑誌をはじめ、女優・モデル・著名人のきものスタイリングを手がけてきたコバヤシクミさん。

これまでに5000人以上手掛けたという個人スタイリングでは、顔のパーツの直線・曲線の組み合わせ等を測定分析し得意なテイスト・柄・色合い・素材を診断する「顔タイプ着物診断」や、その方の内面性をふまえた論理的なアドバイス、さらには思わずハッと目をみはるような色使いや小物合わせといったコバヤシさんの天性のセンスが加わり、みたことのない新鮮なコーディネートが次々と繰り広げられます。

さぁ今回は、どんな新しい魅力が引き出されるのでしょうか?

自由な感性で着物を楽しむ、ゲスト麻衣さん

第2回のゲストは、着物を始めてまだ1年弱という麻衣さん。

仲良しの先輩がお正月に着物を着ているのを見て「私も自分で着られるようになりたい!」と思っていたところ、おうち時間が増えたのをきっかけに始めたのだそう。

着物を着る頻度は月に5回ほど。
大好きなミュージカルの観劇、オーケストラのコンサート、映画鑑賞、食事、旅行、テーマパークなど、どこへでも着物を着ていき、着る機会を増やすようにしています。雨の日でも着物でお出かけするそうで、上達の理由がよくわかります。

BeforeのFさん

この日のコーディネートは、シックなグレーの紬にお気に入りのレースの帯を銀座結びにして。織りの着物ですが、更紗模様の縦縞模様が染め描かれた少し珍しい表情があります。

半衿と帯揚げには、お揃いの生地で作られたピンクと青の花柄をあわせて。草履もお誂えのものだそう。

アクセサリーには、ガラスの帯留めとビーズのピアスの白がリンク。洋服感覚も取り入れた自由なコーディネートに思わずスタッフの顔がほころびます。

「カワイイものが大好き!花柄を取り入れた、ふんわりとしたかわいらしい雰囲気が理想です。

普段のコーディネートは赤やピンク、きれいめのパステルカラーが中心です。自分ではパステルカラーが似合うと思っていますが、濃い色はどうだろう?黄色に苦手意識があります。

持っている着物が似たようなものばかりになってしまっているので、今回は別の色にも挑戦して幅を広げたいです」

BeforeのFさん後ろ姿

そんな麻衣さんの言葉に頷くコバヤシさん。

「パステル系やふんわり可愛い雰囲気がお好きとのことですが、顔タイプ診断と照らし合わせて見ても、麻衣さんはご自身で似合うものをよく理解していらっしゃると思います。今日は第三者の目線から麻衣さんの魅力をさらに引き出すべく、吟味に吟味を重ね、約3,000点のお着物の中から選ばせていただきました」

心華やぐパステルカラーの着物を

コバヤシさんが麻衣さんのために用意した着物と帯はこちら。

用意された着物と帯

事前のヒアリングから、目指すイメージに近い3枚の着物がセレクトされています。

帯には、菱柄のパステルピンクの染め帯と、薄香色の花雪輪柄の染め帯、いずれも塩瀬地の名古屋帯が準備されました。

1枚目を羽織るFさん

1枚目の着物は、市松の地紋の入った青磁色地に橘が染め出された小紋です。

「この小紋の橘には麻衣さんのお好きな赤が使われていて、ワンポイントになっています。寒色系はあまり着ないとのことでしたが、お似合いになる淡いトーンなので、これなら抵抗なく着ていただけるのではと思いました」

とコバヤシさん。

鏡を見てハッとした表情を浮かべる麻衣さん。

「寒色はあまり着ませんが、地紋があるのでさみしい印象にならないですし、やわらかいピンクの帯ととても合いますね!好みの色合わせです」

2枚目を羽織るFさん

2枚目は、青みがかった灰色の紬地に、大人っぽいグレイッシュなピンクの花が印象的な辻が花の小紋。

「麻衣さんはふんわり優しいお顔立ちなので、顔タイプ着物診断からみても、コントラストが強めのものより、ふわっとした優しいお色味が、よりお似合いになると思います」

コバヤシさんの言葉通り、ご本人もとてもしっくりきたご様子。

「カワイイ〜!これもとっても好みです」

スタッフからも「今日はこれを着ていらっしゃったの?というくらいお似合い!」との声があがります。

3枚目は、緑がかったブルーと淡いピンク等の道長取りに、小花や葉模様のマルチカラー小紋。細やかなお柄ながら、とても華やかな一枚です。

「苦手とお聞きしていた黄色も少し入っているのですが、ピンクやブルー等沢山のお色が入っているので、そこまで気にならないかと思います。パァっと明るく、お肌の透明感が際立ちます」

「これもカワイイ〜!!」

と麻衣さん。気に入っていただけたようです。

多数決で着物が決定!

さて、3枚の着物を試着し終えた麻衣さん。

「どれもかわいくて…決めきれない!特に2枚目と3枚目が気になります」

と悩ましいご様子。

多数決の様子1
多数決の様子2

そこでなんと、全員で多数決をすることに!

その結果、3枚目のマルチカラーの小紋に決定!

帯は、「迷うけど…こっちが好きです」とおっしゃられた雪輪柄。雪輪の内には桜や椿・竹・橘があしらわれています。

「前帯の構図のバランスがいいですよね。赤が効いています。
華やかな総柄着物の場合、無地場の広いポイント柄帯や無地感の帯を合わせると、抜け感とメリハリ効果が出ますよ」とコバヤシさん。

帯締めの色は大きなポイント

次は小物選び。帯の地色が淡く無地部分も多いだけに、帯締めの色は印象を左右する大きなポイントです。

小物選びの様子1

「この鶸色(ひわいろ)の帯締めならフレッシュな印象になりますし、薄い紫なら上品でエレガントな印象。水色とオレンジの帯締めならキュートな表情になります。着物が多色なので、帯締めに多色使いのものもボリューム感のバランスがとれておすすめです。」

小物選びの様子2

「コントラストの強い色の帯締めは全体がキリッと引き締まるので、こちらの赤い帯締めもありですね」

コバヤシさんの小物選びへ熱い想いが伝わります。さぁ麻衣さんはいずれを選ばれたのでしょうか…?

ヘアメイクと着付けもプロの手で

小物による印象の違いに驚き迷いつつも、全身のコーディネートを選び終えた麻衣さん。

ヘアメイクは薬真寺香さん

別コラム『きもの、着てみませんか?』が好評の着物スタイリスト 薬真寺 香さんによるヘアメイクで、麻衣さんの持つ優しい雰囲気とかわいらしさがさらに引き出されていきます。

プロに着つけてもらうことで、背筋も凛と。

着付け中のFさん

着付けを終えた麻衣さんがくるりと振り返ると…「カワイイ〜!!」の大歓声。

afterのFさん-1
afterのFさん-2

誰からも好印象を持たれること間違いなしの、はんなりと愛らしい”お嬢さん”スタイルの麻衣さん。はにかんだ笑顔が印象的です。

選ばれた帯締めと帯揚げはこちら。
着物のブルーグリーンとオレンジが、二色使いの帯締めとリンク。多色使いの華やかなコーディネートでも統一感が感じられます。

麻衣さまの置きコーデ

ビフォーアフター拝見

それでは再度、ビフォーアフターで拝見してみましょう!

ビフォー

和姿ビフォー

アフター

和姿アフター

どちらも、とってもかわいらしい麻衣さん。

アフターでは上品な華やかさが麻衣さんをふんわりと包み、女性らしい優しいお人柄を体現したかのような着物姿となりました。

私たちを幸せにしてくれる、着物

「着物って、着るだけでも、いいえ、さわるだけでも、不思議と癒されますよね。
私自身なんども救われてきました。着物は、どんなときも私たちを幸せにしてくれるんです」

と、コバヤシさん。着物のスタイリングには強い想いが込められています。

笑顔で語るコバヤシさん

「一方通行ではなく、一緒に作り上げていくスタイリングで、内側からあふれる個性を引き出したい。その人の魅力を引き出し、ご自身のすばらしさに気がついてもらいたいんです。新しい一面を発見して日常生活にフィードバックしてほしい。
それは必ず、人の気持ちを前向きにしたり、自己肯定感を高めたりする効果があると思うから」

そんなコバヤシさんの言葉を裏付けるように、「この着物で、普段行かないようなちょっといいレストランにお食事に行きたいな」という麻衣さん。

「いい靴を履くとその靴がいいところに連れて行ってくれる」ということわざがありますが、着物も同じなのかもしれませんね!

明るく談笑するおふたり

撮影/湯澤藍
文章/都留詩織

迫力のあるヘッドドレスで装いを新たに。

薬真寺 香さん(本記事 着付け・ヘアメイク)のコラムもどうぞ!

「きもの、着てみませんか?」

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都留詩織さん(本記事 ライティング)のコラムもどうぞ!

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