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お洒落の仕上げは「バゴンギ」で! 「古谷尚子がみつけた素敵なもの」vol.4

お洒落の仕上げは「バゴンギ」で! 「古谷尚子がみつけた素敵なもの」vol.4

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リッチなムードが気になる年末年始、そろそろ着物でのおでかけ解禁の気配も。そんな時に、いつものスタイルをぐんと格上げするのはやっぱり、特別感のあるブランド小物。元『きものSalon』編集長・古谷尚子さんが見つけた素敵なもの、今回は「ロベルタ ディ カメリーノ」のバゴンギバッグが登場です!

桐箪笥、このように開きます

元『きものSalon』編集長・古谷尚子さんが見つけた素敵なもの。おうち時間に古谷さん自らひらめいたアイデアを商品化した桐箪笥は、現代の着物ファンの率直なニーズにぴったり。”ちょうどいい”桐箪笥、お探しではいらっしゃいませんか?

お洒落の仕上げはブランドバッグでしょ!

デルヴォー、フェンディ、ディオール……

“きものにブランドバッグ”というスタイルを定着させたのは、私が編集長を務めていた雑誌『きものSalon』ではないかと、少しばかり自負があります。

掲載審査が厳しい海外ブランドから貸し出し許可をもらえる専門誌は限られた数誌。
本体の月刊誌『家庭画報』のワールドワイドな知名度もあり、きものとの新鮮なコーディネートは欧米ブランドの本社サイドからも高く評価されています。

結婚式などのフォーマルシーンなら、いわゆる利休バッグがしっくりきますが、同じきものと帯にブランドバッグを持つだけでパーティやオペラ鑑賞へと、たちまちお洒落な雰囲気に。ブランドバッグはきものにとっても魅力的なエッセンスです。

そんな中で私がいま改めて気になっているのが、ロベルタ ディ カメリーノのバゴンギバッグなのです。

バゴンキバック

1948年の誕生から変わらぬクラフトマンシップ

先日、何気なく入った素敵な銀座のセレクトショップにバゴンギのヴィンテージを見つけました。

素材のよさと大切に使われていたことを物語るエイジングが魅力を増していて、「結城紬に合わせて持ちたい!」としばし釘付けに。

バゴンギの誕生はデザイナーであるジュリアーナ・カメリーノがブランドを発足させてから3年目の1948年。
当時はまだ、ハンドバッグは靴とセットのもの、靴の従属的な小物であるという時代でした。

故郷ヴェネチアの有名な手織り工房ベヴィ・ラックワを訪ねたジュリアーナは、そこで織られていたヴァチカン御用達の絹のベルベットに魅了されます。

そしてベルベットをバッグに用いるための留め金やベルトを発注して、当時どこにもなかったアクセサリーとしてのバッグ「バゴンギ・メリディアーナ」をつくり上げます。

バゴンギを愛用するグレース・ケリー

インテリアファブリックであるベルベットをバッグに使うという大胆な発想は非常にセンセーショナルで、かのグレース・ケリーが何色も揃えて愛用したことで「プリンセスのバッグ」と呼ばれ、一世を風靡することになります。

バゴンギと西陣織との共通点

バゴンギのバッグ中央に織り込まれた象徴的なマークは、太陽を表すメリディアーナ(日時計)。

サンマルコ広場の時計から発想した「幸福の象徴」が刻まれています。

「幸福の象徴」が刻まれています。
美しい色糸

メリディアーナを織り出す生地は、現在も変わらずに18世紀の木製織機で織られていて、それは日本の西陣織と同じジャカード織り。

日本の西陣織と同じジャガード織り。

熟練の職人が1週間かけて5400本もの絹糸を整経、一日に40㎝しか織ることができません。

一日に40cmしか織れない。
マエストロの手作業で丁寧に作られる工房

さらにひとつのバッグが完成するまでに48工程を要し、最終段階はマエストロと呼ばれる限られた数人の職人が仕上げます。
匠たちの丁寧な手作業による、100%イタリア製です。

日本とイタリアに息づく装いの美

ジュリアーナは語ります。

「きものが、着る人本来の美しさ・内面の美しさまでも引き出す装いであることを学びました。そこには私の求めているモノづくりの姿勢がありました。日本の装いの美とイタリアの装いの美には、同じ精神が息づいていると強く感じています」

ショーで振袖を着て登場したジュリアーナ

1997年には日本で「着物」のライセンス展開をはじめ、彼女の代名詞であるトロンプイユ(だまし絵)のパネルドレスをきものにデザインし、自身も振袖をまとってファッションショーに登場しました。

2011年には『きものサロン』オリジナルの”帯揚げになるスカーフ”を限定で制作いただいたり、2015年には龍村美術織物と婦人画報との企画で西陣織のバゴンギも作られています。

龍村美術織物と婦人画報との企画のバゴンギ
龍村美術織物と婦人画報との企画のバゴンギ

カラベラのデザイン性も見逃せない

じつはバゴンギと同様に気になっているのが「カラベラ」。

創業当時にデザインされたカラベラは、15~16世紀の小型帆船のマストをイメージしてバッグの四隅にRロゴのチャームが揺れる独創的なデザイン。

カラベラ ロベルタ

持ち手が2つなのでバゴンギより少しラフで活動的な印象です。
キャラ的にこっちかなーと悩み中。笑

レザーを使った明るい配色の「カラベラ」

バゴンギとカラベラは一時製造が中止されていましたが、2021-22新作が12月1日より公式オンラインショップに登場します。
レザーを使った明るい配色のものも発表されます。

お問い合わせ
ロベルタ ディ カメリーノ ファーイースト株式会社
03-3546-6681

今回の取材で知れば知るほどきものとの親和性を再認識したロベルタ ディ カメリーノ、メリディアーナシリーズ「バゴンギ」と「カラベラ」。

鞄もきものも、いいものを長く丁寧に使って、自分の歴史を刻んでいきたい…
これからは、こなれた風合いの紬が似合うオンナを目指そう!と決意する私でした。

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