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着物の基本的なたたみ方の種類や方法・ポイントを、写真付きでご紹介!

着物の基本的なたたみ方の種類や方法・ポイントを、写真付きでご紹介!

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着物や振袖はどんな状態で保管していらっしゃいますか。着物は種類ごとに正しいたたみ方があります。正しいたたみ方ができていない場合、着物にシワがついてしまったり傷んだりする原因にもなります。今回は、自宅でも簡単にできる着物の種類別のたたみ方をご紹介いたします。

着物をお持ちの方が頭を悩ませるのが、着物のお片付け。
洋服とは違ってたたみ方が複雑だと思われる方も多いのですが、一度覚えてしまえば安心です。
着物のたたみ方にはいくつかの方法があり、着物の種類や、保管する状況によってたたみ方を変えることが着物を傷みにくく長持ちさせることにつながります。

今回は、ご自宅でも簡単にできる着物のたたみ方をご紹介いたします。
着物や振袖は、正しいたたみ方で保管することで次に着るときまで美しさをキープできますので、ぜひ覚えてみてください。

着物のたたみ方の種類と方法

着物や振袖は、種類によって適切なたたみ方があります。
まずは、たたみ方の種類についてご紹介します。

着物 本だたみ 大半の着物で活用できる万能なたたみ方です。
袖だたみ 急いで片付ける場合やなどの一時的な保管の場合に行うたたみ方です。長襦袢や羽織など、着物以外のものも行うことができます。
夜着だたみ 豪華な模様のある留袖や訪問用の着物、子供用の着物などに使えるたたみ方です。
長襦袢 長襦袢のたたみ方 長襦袢のたたみ方です。
羽織 羽織のたたみ方 羽織のたたみ方です。

本だたみ

「本だたみ」は、大半の着物で活用できる万能なたたみ方です。
本だたみは、男性用か女性用か、どのような着物の種類なのかを問わず、全ての着物のたたみ方の基本になります。
着物、振袖、浴衣などの和装をお持ちの方は覚えておくと便利ですので、最初に習得しておきましょう。

本だたみ

袖だたみ

「袖だたみ」は、急いで片付ける場合やなどの一時的な保管の場合に行うたたみ方です。

長い間保管する場合には「本だたみ」を使用することが望ましいですが、出先で着物を着た帰りや、急いでいてゆっくりとたたむ余裕がないなどの時には、簡易的でより簡単な「袖ただみ」がおすすめです。
袖ただみは立ったままの姿勢で簡単にできるたたみ方なので、外で着物を着ることの多い方は覚えておくと便利です。
また、こちらは浴衣などを自宅で洗濯する際にも活用できます。

袖だたみ

夜着だたみ

「夜着だたみ」は、豪華な模様のある留袖や訪問用の着物、子供用の着物などに使えるたたみ方です。
このたたみ方は「本だたみ」と比べて折り線が少なくなっており、留袖に多い模様や刺繍といった装飾を守るたたみ方です。
留袖などの礼装や豪華な着物をお持ちの方は、着物を傷ませず保管できるよう「夜着だたみ」を覚えておくと良いでしょう。

夜着だたみ

長襦袢

着物のたたみ方と合わせて覚えておきたいのが「長襦袢」のたたみ方です。
着物のインナーとしての役割を果たす長襦袢は、上述した着物のたたみ方とは異なるたたみ方をします。

長襦袢

羽織

防寒や礼装のために着用する「羽織」も、着物とは異なるたたみ方をします。
羽織は着用する季節が限られていることが多く、保管期間が長くなる場合もありますので、シワが残りにくく美しい状態で保管できるよう覚えておくと便利です。

羽織

着物や振袖をたたむ際のポイント・注意点

着物や振袖は洋服と比べると繊細で、傷みやすいものです。
また着用頻度が少ない場合もあり、長く保管するという人も多いのではないでしょうか。
そのため、保管前には着物を万全の状態にしておくことが大切です。
ここからは、着物をたたむ前に見ておきたいポイントをご紹介いたします。
たたみ方の実践の前に、必ずチェックしておきましょう。

たたむ前に汚れがないか確認する!

着物をたたむ前に、着物に汚れが付着していないかを確認しましょう。
着物についたシミなどの汚れは着物の黄ばみなどの原因となりますし、カビの繁殖の要因にもなります。
大切な着物を傷ませずに保管するためにも、着用後には汚れがないかを確認し、汚れがあればクリーニングに出すなどしてきれいな状態にしておきましょう。

ホコリはカビの栄養源となります。着物をたたむ際にはできる限りホコリが付着しないよう、たとう紙などを敷いた上で着物をたたむことをおすすめします。
また、手の汚れやハンドクリームなども着物についてしまうとカビの栄養源となることがあるので、必ず手洗いをしてから着物をたたむよう心がけましょう。

たたむ前に汚れがないか確認する

湿気に要注意

着物に湿気は大敵です。
湿気はカビ発生の最大の原因となりますので、着物をたたむときには湿気を籠らせないようにすることがポイントです。

着物の着用後は冬場でも汗などの湿気が着物の繊維にこもっている状態なので、着用後は着物用ハンガーに吊るして、風を通して乾燥させておきましょう。
1日〜2日程度を目安にハンガーに吊るすことで、湿気を除去することができる上、ある程度のシワが伸ばせるというメリットもあります。

また着物をたたむ際には、除湿効果の高い”たとう紙”を使用すると、通気性も良くなりカビ繁殖の防止に繋がります。
たとう紙は長く使っていると効果は薄れてきますので、何枚か持っておくようにすると適宜入れ替えることができて安心です。
湿気対策として、着物をたたむ前には「乾燥」と「たとう紙の準備」をしておきましょう!

湿気に要注意

明るく広い場所を確保する

着物のたたみ方は、床に着物を広げて折りたたんでいく方法が大半です。
着物は広げるとかなりの大きさになるので、できる限り広い場所を確保しておきましょう。
狭い場所でもたたむことはできますが、シワができやすくなりますので注意が必要です。
また、暗い場所では細かなシワを見逃しやすくなります。
広く、かつ明るい場所を確保できるようにしましょう。

明るく広い場所を確保する

たたみ方①:本だたみ

本だたみ01

1.襟を左手側に、裾を右手側に置いて着物を横向きに広げます。

本だたみ02

2.前身頃と後身頃の縫い目に沿って、手前側の下前身頃を内側に折ります。

本だたみ03

3.下前身頃のおくみ(身頃の端の半幅の布)を、縫い目に沿って裾まで折り返します。

本だたみ04

4.首回りの襟を内側に折り返します。

本だたみ05

5.上前身頃の襟、おくみ、裾を下前身頃に揃えて重ねます。

本だたみ06

6.上前身頃と下前身頃の縫い目の線を揃えて重ね、背中の縫い目を折ります。

本だたみ07

7.左袖を袖の縫い目から身頃の上に折り返し、後身頃の上に折り返します。

本だたみ08

8.畳んだ着物全体を少し持ち上げるようにして右袖を折り込みます。

本だたみ09

9.襟下の線を参考に、身頃の丈を二つ折りにして、左袖の上に重ねたら完成です。
畳んだ着物の一番下に右袖がきている状態です。

たたみ方②:袖だたみ

袖だたみ01

1.襟を左手側に、裾を右手側に置いて着物を広げます。

袖だたみ02

2.袖口と袖山(袖の上端の折り目)、後身頃を左右で合わせ、前身頃と後身頃の縫い目を重ねます。

袖だたみ03

3.重ねた袖を身頃に合わせ整えます。

袖だたみ04

4.身頃を半分にします。

袖だたみ05

5.さらにもう半分に折り、完成です。

たたみ方③:夜着だたみ

夜着だたみ01

1.襟を左手側に、裾を右手側に置いて着物を広げます。

夜着だたみ02

2.着物を広げて、手前側の下前身頃、奥側の上前身頃の順に正しく折ります。

夜着だたみ03

3.襟を内側に折り三角にして、襟先までしっかりと伸ばします。

夜着だたみ04

4.左袖が上、右袖が下になるように両袖を前身頃に折り重ねます。

夜着だたみ05

5.折り山に真綿などを置き折り目がつきにくくします。

夜着だたみ06

6.身丈を半分に折ります。

夜着だたみ07

7.もう一度その半分に折り、完成です。

ポイント:刺繍や模様のある部分には和紙や白布を当てておくと傷み防止に繋がります。

たたみ方④:襦袢のたたみ方

長襦袢のたたみ方01

1.襟を左手側に、裾を右手側に置いて襦袢を広げます。

長襦袢のたたみ方02

2.奥側の上前身頃が上になるようにして、上前身頃と下前身頃を折り重ねます。

長襦袢のたたみ方03

3.脇の下の線が身頃の真ん中に来るように、後身頃を折って前身頃に重ねます。

長襦袢のたたみ方04

4.袖を外側に折り返し、袖口が身頃から出ないようにします。

長襦袢のたたみ方05

5.上前身頃も下前身頃と同様に折ります。

長襦袢のたたみ方06

6.袖を返します。

長襦袢のたたみ方07

7.裾を持ち半分に折り重ね、完成です。

長襦袢のたたみ方の手順やポイントを解説

着物をお持ちの方が「着物のたたみ方」とあわせて知っておきたいのが「襦袢のたたみ方」です。襦袢も着物と同様、お手入れをして正しく保管することで美しい状態を保つことができます。今回は襦袢のたたみ方2種類を、写真付きで解説いたします。

たたみ方⑤:羽織のたたみ方

羽織のたたみ方01

1.襟を左手側に、裾を右手側に置いて羽織を広げます。

羽織のたたみ方02

2.マチ幅の真ん中で半分に折り、脇の縫い目を重ねます(襟は身頃側に折り返しておきます)。

羽織のたたみ方03

3.奥側の上前身頃の衿を下前身頃の衿に重ねます。

羽織のたたみ方04

4.左身頃と右身頃の脇の縫い目の線を重ね合わせます。

羽織のたたみ方05

5.左身頃の袖を袖の縫い目から身頃の上に折り返します。

羽織のたたみ方06

6.畳んだ羽織全体を少し持ち上げるようにして右袖を折り込みます。

羽織のたたみ方07

7.たとう紙の長さに合わせて身頃の丈を二つ折りにしたら完成です。
畳んだ羽織の一番下に右袖がきている状態です。

たたみ方⑥:袋帯のたたみ方

帯にも正しいたたみ方があります。まずはフォーマルシーンからカジュアルまで幅広く用いられる袋帯のたたみ方を紹介します。特に、模様が重厚な場合などは、たたんでできた輪の部分に芯(棒状の真綿や和紙)を挟んでおくと折り目がつきにくくなります。

袋帯1

1.帯を2つ折りにします。模様を外側に、手先が上、輪が右になるようにしてください。

2.さらに二つ折りにします。

お太鼓部分や装飾の中心に折り目がつく場合は、あらかじめ手先を20〜30cm程度(帯の長さによって調整)内側におってから帯をたたむと、シワを避けることができます。

袋帯4

3.もう一度2つ折りにすると完成です。

たたみ方⑦:名古屋帯のたたみ方

名古屋帯は、胴の部分は半幅に、お太鼓やたれの部分はお太鼓の幅に仕立てられているものがほとんどなので、袋帯とはたたみ方が異なります。たたんだあとは、お太鼓の模様部分に折り目がついていないよう必ず確認を。

名古屋帯1

1.垂れを右側に、帯の裏が見えるようにして置く。

2.お太鼓の縫い止まり部分を三角に折り、手先を右に持っていく。

3.垂れの少し手前で手先を三角に折り返す。

名古屋帯4

4.縫い止まり部分の三角を右に折り返す。

5.半分に折ります。

6.お太鼓の模様に折り目がついていないか確認したら、完成です。もし模様に折り目がついている場合は、折る場所を変えましょう。

まとめ

着物や振袖は洋服とは違い、毎日洗濯をするものではありません。
そのため、お手入れや保管方法には細心の注意が必要です。
着物の種類や着物を着る状況に合わせて適切に対応できるよう、たたみ方を頭に入れておきましょう。

また、保管している着物は湿気除去のために定期的に風通しをすることも必要です。
風通しをする際にはあらためて着物に傷みがないかをチェックし、再度正しいたたみ方でたたむように意識すると、より長く美しい状態を保ち続けることができるでしょう。
また、着物を美しく保管する方法については下記の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考してみてください。

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