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お客様インタビュー vol.4 門司悦子さま ~代表取締役社長 田中敬次郎~

お客様インタビュー vol.4 門司悦子さま ~代表取締役社長 田中敬次郎~

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今回のお客様は、門司悦子様。今秋よりホテルニューオータニ博多店にて、着付け講師もされていらっしゃいます。この日のコーディネートは、やわらかな光沢感が美しい色無地に、福岡天神店プレオープンの際に求めたというかわいらしい猫の帯。

レポーター / 池田千恵里

趣味は書くこと!という着物愛好家。
国内外において着物PRの経験を持つ。
英国駐在時には着物でのお出掛けを常とし、自身の着姿をSNSやYouTube 等でも発信。
また、ロンドンで着物ファッションショーを開催するなど、和装のPRに務めている。

お客様インタビューのレポーターは 国内外において着物PRの経験を持つ池田千恵里

折に触れ、「お客様から直接お話を伺って、我々が求められていることは何かを探りたい!」とおっしゃっている田中社長。
今年2月の銀座店5周年記念パーティーの折には、銀座店を愛用いただいているステキなみなさまにもご登場いただきました。

お客様インタビュー vol.1 山本和美さま
お客様インタビュー vol.2 土田裕子さま
お客様インタビュー vol.3 石川佳子さま

今秋、福岡天神店が移転リニューアルし「ホテルニューオータニ博多店」となりましたのを記念して開かれたパーティーの前に、ホテルニューオータニ博多店のお客様にお時間をいただき、その思いを対談という形で実現させました。
自身の思い、お客様の思いを、この『きものと』を楽しみにしてくださっているみなさまともシェアできたらとのこと。対談の模様をレポートいたします。

こだわりのコーディネートをご披露

今回のお客様は、門司悦子様。
今秋よりホテルニューオータニ博多店にて、着付け講師もされていらっしゃいます。

この日のコーディネートは、雄繭だけを紡いだ糸が用いられている色無地に、福岡天神店プレオープンの際に求めたというかわいらしい猫の帯。
どちらも京都きもの市場さんで出逢ったお気に入りなのだそう。

今回の対談は、そんなこの日のコーディネート談義からスタートしました。

帯/となみ織物  帯締め/翠嵐工房  帯揚げ/龍工房

この11月より福岡店にて、着付け講師も始められるという門司様

社長 ───
門司様、今日はお忙しいなかお越しいただきありがとうございます。弊社ホテルニューオータニ博多店をよくご利用くださっているとのことで。

門司様───
京都きもの市場さんが福岡天神に出店された当初から利用させていただいております。
私は「嵐」のファンで、東京でのコンサートにも時々行くのですが、その際には銀座店にも足を運ぶんですよ。

社長 ───
そうでしたか!それはありがとうございます。
弊社をヘビーにご利用くださっている門司様と、今日はあれこれ着物談義をさせていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
早速ですが、今日はまたかわいらしい猫の帯をされていますね!

この日のコーディネートは京都きもの市場で出逢ったお気に入りの色無地と帯。
福岡店で購入した帯はとなみ織物さん。大変気に入りまして、宝物の一本

門司様───
これは京都きもの市場さんが福岡天神に出店された際、プレオープンの時に求めた帯なんです。

社長 ───
記念の一本を締めてきてくださったのですね!
門司様は福岡天神店での最初のお客様だという話を聞いておりますが。

門司様───
そのようですね。これはとなみ織物さんの帯なのですが、大変気に入りまして、宝物にしております。

社長 ───
となみ織物さんとは、どおりで良い帯だと思いました。お着物は色無地ですか?品の良い光沢感がステキですね。

門司様───
雄繭だけを紡いだ糸が織り込まれているものだそうです。普通のやわらかものよりも張りがあるといいますか、繊維がしっかりとした感じがします。

社長 ───
光沢感がしっかりとした、地模様も美しい色無地ですね!

門司様───
秋の展示会で頂戴しました。独特な風合いが気に入っております。

「嵐」のコンサートにも着物で

社長 ───
お着物を頻繁にお召しになっているかと思いますが、さすがに「嵐」のコンサートにはお着物で行かれないですよね?

門司様───
行きますよ!以前スペシャルな席に座らせていただいたことがあるのですが、その時はまわりの方に喜んでいただけました。

社長 ───
「嵐」のコンサートというと、飛んだり跳ねたりするのではないですか?

門司様───
そうですね、熱気もあるのでやわらかものではなく、大島など紬を着るようにしています。きっと「嵐」のメンバーも見てくれたのではないかと。

用意していた訪問着と帯の組み合わせにぴったりなものをネットショップで発見

社長 ───
「嵐」の目に触れた着物として、とっておきの一枚となりますね!
絞りの帯揚げもまたステキですが。

門司様───
帯揚げは龍工房さんのものです。
帯締めは翠嵐工房さんで、これは観世能楽堂でのとある催事にご招待いただいた際に、銀座店で求めたものです。着ていこうと用意していた訪問着と帯の組み合わせにぴったりなものを、御社のネットで見つけたんです。銀座店に在庫があるとのことでしたので、助かりました!
観世能楽堂は銀座店からすぐのところですので、行く前に店舗に寄って着姿もチェックしていただいたんですよ。助かりました。

クリスマスツリーの帯で新たな着物の愉しみ方を知る

社長 ───
ネットのほうも活用して下さっているんですね。ありがとうございます。
門司様の着物をはじめたきっかけなどお聞かせいただきたいのですが。

門司様───
母が和裁をしておりまして、着物が身近にあったことがはじまりです。
子供のころはウールのアンサンブル、成人式には総絞りの振袖と、着物は母が仕立ててくれていました。日常とまではいきませんが、お正月など事あるごとに着ていましたね。
ですが結婚してからは子育てで着る機会が減り、七五三さんの時に着たくらいでしょうか。
それが9年前に、行きつけの美容室の着付け師さんが近くのカルチャースクールで教えているというので、通いはじめたんです。

社長 ───
お母様もさぞお喜びになったのではないですか。

門司様───
はい、とても喜んでくれました。
お教室で使う着物は母が用意してくれたんです。母が一番よく着たという大島と塩瀬の帯でした。
最初のレッスンが12月だったのですが、先生の帯のお太鼓にクリスマスツリーが描かれていたんです。
「着物でこういうおしゃれができるんだ!」と新たな着物の愉しみ方を知りました。

社長 ───
先生は着姿だけでなく、コーディネートのセンスも含めてステキな方だったんですね。

門司様───
はい、ですのでいまだにお世話になっております。

着物を着始めたきっかけに花が咲きます
着物選びの最初はふらっと立ち寄った呉服屋さんの夏のセールでクリスマス柄の帯を見つけた時

社長 ───
ご自分で着られるようになってからの着物選びについてもお聞かせ願えますか。

門司様───
着られるようになるにつれて、あちこちの呉服屋さんを拝見するようになりました。
着物は母のものもありましたし、義理の母も能楽をやっていたこともありたくさん持っていましたので、私に着てもらいたいと言ってくれたんです。
けれどやはり昔のコーディネートそのままですとちょっと、という気持ちがありまして。
先生のクリスマス柄の帯が印象的でしたので、母たちの着物に新しい帯を足せたらなと思ったんです。そんな時、ふらっと立ち寄った呉服屋さんの夏のセールでクリスマス柄の帯をみつけて。それが着物選びの最初ですね。

社長 ───
夏にクリスマス柄の帯ですか!
先生のコーディネートがよほど印象的だったのですね。

門司様───
はい。そのあと秋になって今度はふらっとお着物の展示会に立ち寄ったのですが、それが京都きもの市場さんの展示会でした。今日はその日の伝票を持ってきたんですよ!

社長 ───
名古屋帯2本に袋帯。3本もお求め下さったのですね!
まだ社名が京都シルクのころです。

始めてお越しいただいた京都きもの市場の展示会での伝票も思い出の一つ
思い出の伝票を見せていただき、懐かしい記憶に話が広がります

着物選びのコツは「自分の好みをはっきりと伝える」こと

門司様───
当時はそれこそ名古屋帯を締めるのもやっとの習いはじめでしたが、袋帯は表裏リバーシブルで、左右逆巻きを含めると4通りのお柄が楽しめるものとのことで、一本持っておけば着回しがきくと思い購入しました。
きちんと着られるようになってから締めるようになりましたが、少々長かったので母に相談しましたら、私に合わせて25㎝ほど切ってくれたんです。
母は良い物だからと、その切れ端で花瓶敷を作り、和室で使っているんですよ。

社長 ───
それはうれしいです。テーブルセンターなどにされる方もいらっしゃると聞きますね。
知らないお店の展示会に足を踏み入れるというのは、勇気がいりませんでしたか。
特に着物屋というのは普通のお店とは違う感じがすると思うので。

門司様───
路面の呉服屋さんと違って広々とした会場でしたので、「入ったが最後出てこられないかもしれない」というプレッシャーはありませんでした。
スタッフもお若い方々でしたので、わりと気楽に入ってしまったという感じです。

展示会は一生懸命にきちんと説明して下さって、安心したのを覚えています。

社長 ───
お着物は信用という部分も大事だと思うのですが、商品の良し悪しですとか、スタッフや接客に関してはどのような印象でしたか。

門司様───
私は全くの着物素人だったわけではないので、置いてある商品が間違いのないものだということはすぐにわかりました。
そしていらっしゃるスタッフがみなさんお若い!というのが最初の印象的でした。
それまで呉服屋さんではわりと年配の女性に対応していただくことが多かったので。
正直とまどいましたが、担当して下さった方がとにかく一生懸命にきちんと説明して下さって、安心したのを覚えています。

社長 ───
「一生懸命」という営業スタイルというのは、一歩距離感を間違えますと、お客様にとってはとても押しつけがましかったり、違和感を覚えてしまう可能性が高いと思うんですね。ですがお客様に直接しっかりとその商品について説明をさせていただいたり、お話しを伺ったりできるのが対面販売の良さでもありますし、手に取って比べていただきたいという思いもあります。

門司様───
自分の今ほしいものはこういうものです、というのを伝えたら、それをふまえて探して下さったので、信用できるなぁと思いましたよ。
売りたい商品をすすめるお店も多いですので。

社長 ───
弊社の強みはラインナップの幅広さだと思っているのですが、それゆえに、お客様の要望に対して商品を選んでくる者のセンスが的を得ているかどうかが重要だと思っています。
たくさん商品はあるのにトンチンカンな組み合わせばかりをご提案していたら、買い物の意欲が削がれるといったことになりかねませんので。

門司様───
こちら側の伝え方も重要ですね。
私がいつもほしいものを手にできるのは、自分の好みをはっきりと伝えている、というのもあるかもしれません。

譲り受けた加賀友禅が毎田仁郎先生の作品と判明

母から譲り受けた着物で店舗に行くと、それがどんな着物かを教えてもらえたり。

社長 ───
先ほどのお話で、ネットで帯締めをご購入いただいたとのことでしたが、ネットはよくご覧になられますか。

門司様───
商品点数がとにかく多いので、拝見して楽しませていただいております。
福岡に店舗ができてからは、気になった商品を取り寄せられるようになったので、ネットも活用しています。
やはり購入するには実際に手に取ってからでないと、と思いますので、取り寄せのサービスはありがたいですね。

社長 ───
実際に手に取って合わせていただき、ご納得いただいてから購入いただけるのは、店舗を持つ弊社の強みと自負しております!

門司様───
店舗や催事などに母から譲り受けた着物で伺いますと、それがどんな着物かを教えてもらえたりしまして。そういう楽しみもあるんですよ。
義理の母から譲り受けた加賀友禅で、作家さんのお名前がわからないものがあったのですが、調べて下さって、毎田仁郎(まいだじんろう)先生の作品だとわかり驚きました。
たまたま店舗に悉皆屋さんがいらしていたので相談し、蘇らせていただくことにしたんです。満開の梅の中で能楽師が踊っているという図で、先ほどお話しした能楽堂での催事がちょうど2月でしたので、ぴったりだと思い着ていきました。

嵐のコンサートにメンバーカラーを入れた着物で参加された思い出も

社長 ───
着物の楽しみ方をご存知ですし、気軽におでかけもされていて。
自ら着て楽しむ機会をもうけてらっしゃって、うれしいですね!嵐のコンサートまで行かれるのですから!

門司様───
マニアックな余談になりますが、嵐には「メンバーカラー」といって5人それぞれにイメージカラーがあるんですよ。

社長 ───
そうなんですね!ちなみに門司様の推しメンはどなたですか?

門司様───
櫻井さんです。イメージカラーが赤なので、赤やピンクの紬で行ったんですよ。
お着物の方がいるのできっと嵐のメンバーがこちらを見てくれるはず!とまわりの席の皆さんにも喜んでもらえました。

社長 ───
まわりの方も、きっと嵐のメンバーも、さぞかし気分が上がったでしょうね。

門司様───
コンサートはフェスティバルのようなものですので、みなさんドレスアップをしていらしていますが、着物は輪をかけて晴れの日の装いですので、コンサートにも向いているのではと思います。
店舗で帯留を作るワークショップがあった時に、嵐の20周年ツアーのロゴをあしらったものを作っていただいたんです。それもしていきました!

ドレスアップをするコンサートは、晴れの日の装いの着物がピッタリ

着物は着てこそ生きるもの

社長 ───
門司様のように着物を楽しめる方が、もっと増えるといいなぁと本当に思いますね。
そのために弊社ができること、こんなことをしたらいいのでは、といったアドバイスなどございましたら、ぜひとも伺いたいのですが。

門司様───
着物は着てこそ生きるものだと思うので、着物を特別なものとせず、普段から気軽に着られるように、おでかけの機会を作っていただけるとうれしいですね!
このご時世ですので、散策などでも良いのではないでしょうか。

社長 ───
でかける機会の減っている今だからこそ、何か企画ができればとは思っているのですが…店舗のほうでも、品揃えといった商品面だけでなく、着る機会であったり、人によるサービス、いわゆる安心や信頼を提供することも大事だと考えています。

門司様───
店舗でクリーニングがお安くなる機会があった時には、私を含め、まわりの友人達も喜んでいました。お手入れに関してを充実させていただくというのもうれしいですね。
汚しても店舗に相談できる人がいれば、みなさんもっと気楽に着物でのおでかけを楽しめるのではないでしょうか。
あと、小物類を充実させるというのも良いのではと思います。

着物のお手入れに関してを充実させていただくというのも嬉しいですね

社長 ───
メンテナンスと小物ですね!ふらっと立ち寄っていただいたお客様にも気楽に見ていただけるような空気感でありたいなぁと思うので、小物類は充実させたいですね。

門司様───
県民性でしょうか、我々福岡の人間は見知らぬ人どうしでもすぐに仲良くなるんです。
その場にいる人の買い物にも口を出すといった感じですので、店舗でもすぐ友達の輪が広がるんです。ですので、はじめてのお客様が店舗を訪れるハードルさえ低くして下されば、お客様どうしの会話が弾んで、お買い物を楽しまれると思いますよ!

社長 ───
博多店はみなさまのおかげで本当にアットホームな雰囲気になっています。
まだまだ改善していかなければならないところばかりですので、門司様のアドバイスは大変参考になりました。
京都きもの市場ファンの方を増やせるようなお店作りに、今後とも邁進したいと思います。

ふらっと来たお客様にも気楽に見ていただけるような空気感を店舗で出したいと語る社長

門司様───
今日はプロのカメラマンさんが撮って下さっていて、なんだか緊張しました。
着物をはじめた最初の頃は、コーディネートを残しておきたくて着るたび撮っていたのですが、最近はわざわざ撮るということをしないので、どのように写っているか…

社長 ───
本日のシックで上品なコーディネートでのお写真も、記念の一枚に加えていただけたらうれしいです。
門司様、今日は貴重なお話をどうもありがとうございました!

社長・田中敬次郎がお客様との対話を通じ、そのヒントを探ります

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