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NYのアーティストから学ぶkimonostyling、着物の未来の形 「WORLD KIMONO SNAPS」 ‐ NEW YORK ‐

NYのアーティストから学ぶkimonostyling、着物の未来の形 「WORLD KIMONO SNAPS」 ‐ NEW YORK ‐

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帰国を前に、ニューヨークでの着物スタイリングをふりかえり、古いものを作りかえるニューヨーカーのすばらしいマインドを綴ります。新しい何かに変えていく・創っていくプロセスは、着物スタイリングと似ているのかもしれません。

VOGUE Italiaでも着物を使ったスタイリング撮影

新型コロナウィルスの影響もあり、日本に帰国することになりました。
ニューヨークではたくさんの方に支えられ、楽しい時間を過ごすことができました。

日本ではきっと思いつかなかったであろうスタイリングで着物を用いた撮影ができたこと。
そしてそれらの作品が、『VOGUE Italia』やいろいろなマガジンに掲載されたことは、私にとって大きな価値ある出来事でした。
いろいろな人種が集まるニューヨークは、あたりまえに価値観やカルチャーが入り混じり、私にとっての”Beautiful”が相手にとってはそうでなかったり、またその逆もしかり。

日本で着付けをしていた私にとって、着物と洋服を組み合わせたスタイリングはとても新鮮で未知の世界でもありました。
でもそれを、”Beautiful!” ”Wonderful!”と言って、信じてまかせてくれたことに感謝しています。

以前にも掲載しましたこちらの『EDGE OF NAOKO』をきっかけに、ニューヨークのアーティストとの「着物を用いた撮影」が増えていきました。

EDGE OF NAKOKO”をきっかけに着物を使った撮影が増えた
着物スタイリングで初めてVOGUE Italiaに掲載されたもの

まず、着物スタイリングではじめて『VOGUE Italia』に掲載されたものがこちら。

この時は、私とは別にファッションスタイリストも参加。
コラボレーションの形で私のイメージと彼女のイメージをすりあわせ、洋服は彼女が準備し、そこに私の着物をミックスしました。

スタイリストもフォトグラファーも日本人ではないのでもちろん着物の正しい形は知らないですし、「海外からの着物のイメージ」をもとにスタイリングやイメージ作りが進みました。
私としては伝えきれなかった部分がたくさんあり実は悔しい思いもしたのですが、チームとしてとても良い作品ができました。

また同時に、文化の異なる人たちとのコミニュケーションや、表現することの難しさも学びました。

ニューヨークでは、私以外にも着付けをされる方は何人かいらっしゃいます。
またもちろん、着物をビジネスとして経営されている方もいらっしゃいます。
時にはそんな方々とのコラボレーションもありました。

そんなシーンにおいては、私のアイディアだけでは表現できなかったことが繰り広げられ、自分の視野の狭さを感じたり、彼らのアイディアに感動したり嫉妬したり…
アーティストとしての醍醐味をめいっぱい感じることができました。

アーティストとしての醍醐味を沢山感じることができた

そして、こちらの作品です。
実は、喪服に使う黒の帯揚げと帯を使っています。
日本でこのふたつを古着屋さんで購入した時には、お店の方に、

「あなた!これは喪に使うものよ!」

とびっくりされ、

「知っています。撮影で使うので…」

と言うと、海外で行うクリエイティブな撮影とは思っていらっしゃらなかったようで、

「撮影でもダメよ!」

と一悶着あり、その前にもそのお店で購入したお品が載ったマガジンの写真を見せて…ようやく納得してもらった、という出来事がありました。笑

現在私は、Made in Brooklynのナチュラルコスメのビジネスを行っています。

Nao skin toner

Brooklynに酒蔵があり(Brooklyn Kura)、こちらの酒粕を用いて石鹸を作り、日本の方に紹介しています。

帰国前日、酒蔵の方に新しくできあがった石鹸を届ける機会があり、ニューヨークで最後になるかと思い、思い切ってスーツケースから浴衣を引っ張り出し、バタバタと着てみました

Made in Brooklynのナチュラルコスメのビジネス
足元はサンダル、ポーチもフリンジのついたカジュアルな浴衣スタイリング

浴衣だけパッと着てキメすぎず、足元はサンダル、ポーチもフリンジのついたカジュアルなものでスタイリングしました。

この浴衣は、私の最初のコラムでお話しした師匠が「私がお支払いしていたお稽古代」をまとめて渡米前に戻してくださり、「自分の子供にも受け継げる上質な浴衣を仕立てなさい」とおしゃってくださったことから、日本でお仕立てをして持ってきていたものです。

今年はいろいろなイベントがキャンセルになり浴衣の出番もないかと思っていましたが、最後にニューヨークで(無理矢理)着ることができました。

さてこの酒蔵(Brooklyn Kura)ですが、週末だけバーをやっていて、できたての日本酒を飲むことができます。

仲の良い友人カップルと、最後に乾杯しようとテラスで一杯。
この日は8月でまだまだニューヨークは暑く、浴衣の私は汗びっしょりだったのですが、すっきりと冷えた日本酒をワイングラスでいただき、さっぱりと良い気分でした。

週末だけバーをやっていて、出来たての日本酒を飲むことができる酒蔵
元倉庫をリノベーションしている巨大複合施設インディストリーシティ

ちなみにこちらは『インディストリーシティ』という、元倉庫をリノベーションした巨大複合施設にあります。
『Japan Villege』という大きな日本のスーパーマーケットをはじめ、各国のいろいろなショップが入り、もともと人も寄り付かなかったようなエリアが一気に活性化しました。

ニューヨークは本当に、いろいろな古いものをたくさんのアーティストがエコロジーを取り入れつつ日々クリエイトし、別の何かを創っていきます。

それはきっと、着物という古くからのものを使ってクリエイトし、新しい何かに変えていく・創っていく…着物スタイリングと少し似ているかも、と感じています。

しばらくは日本での活動になるのでクリエイティブな着物スタイリングでの撮影はなかなか難しいかもしれませんが、また世界のコロナの状況が落ち着き、新たにどこかの国に行くまでの間、着付けの技術をもっと極めたり、もっともっと、まだ知らない着物の世界を学んでおこうと思っています。

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