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着物で海外を歩くとどうなる?【フォトグラファー ヨシダナギさん】(前編)「着物ひろこが会いに行く!憧れのキモノビト」vol.1

着物で海外を歩くとどうなる?【フォトグラファー ヨシダナギさん】(前編)「着物ひろこが会いに行く!憧れのキモノビト」vol.1

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タイや台湾など、海外での着物生活を送った後、2024年に帰国して日本での活動を始めた”着物ひろこ”こと長谷川普子さん。かねてより交流のあったフォトグラファー・ヨシダナギさんと、着物姿での対談を行いました。海外で着物をまとったときの反応とは?

よみもの

きものとわたしのエイジング

フォトグラファー ヨシダナギさん

記念すべき連載初回、着物ひろこさんが会いに行ったのは、かねてより交流のあるフォトグラファー・ヨシダナギさん。

ナギさんプロフ

ヨシダナギ

1986年生まれ フォトグラファー。独学で写真を学び、2009年より単身アフリカへ。以来アフリカをはじめとする世界中の少数民族を撮影、発表。唯一無二の色彩と直感的な生き方が評価され2017年日経ビジネス誌で「次代を創る100人」へ選出。また同年、講談社出版文化賞 写真賞を受賞。

アフリカをはじめとする世界の少数民族や先住民を撮影するナギさんは、TBS『クレイジージャーニー』で取り上げられたり、『SURI COLLECTION』『HEROES ヨシダナギBEST作品集』など数々の写真集も出版しています。

作品写真

今回、そんな二人が着物姿にて再会し、海外で着物をまとったときの反応など、おふたりだからこその話題を語り合いました。

空と大地と海の装い。着物コーディネート拝見

今回、ナギさんのスタイリング・着付けを担当したのは大竹恵理子さん

いつも黒い服を纏っているというナギさんの雰囲気に合わせて、ブルーベースの肌にも合うセレクトです。

青みがかった黄色から、緑、青、紫とダイナミックなグラデーションが印象的な訪問着。黒地にエキゾチックな金の模様の帯が、白い帯揚げの差し色でより映えます。

いわゆる”日本らしい色”よりも、海外、それもめったに人が行かないような僻地にて、空と大地を背景に、壮大な作品を創り上げるナギさんにぴったりなコーディネートになりました。

対してひろこさんは、黒、青、白のぼかしが効いたぼかし染めの訪問着。

鮮やかなブルーは、まるで海のなかにたゆたうかのよう。

モノトーンの洒落袋帯を銀座結びにしてまとめました。

2024.03.14

まなぶ

袋帯で銀座結び!お祝いごとを重ねる願いを込めて 「着物ひろこの着付けTIPs」vol.3

ふんわりした印象となる水玉模様の半衿や、パールのピアスを小物使いに。ピアスは髪飾りともリンクして、トータルコーディネート感がプラスされています。

ふたり立ち姿

ナギさんのコーディネートを聞いてから、対照的な印象で仕上げたというひろこさんのコーディネート。二人が並んでさらに華やかな雰囲気が漂っていました。

二人の馴れ初め。きっかけはブログだった

まずはお二人の出会いからお聞きしました。

着物ひろこ(以下、ひろこ):最初の出会いはインターネットでしたよね。

ヨシダナギさん03

ヨシダナギ(以下、ナギ):ひろこさんが書いてくださった記事がきっかけで、テレビ番組『クレイジージャーニー』に取り上げていただきました。そこで人生が変わりましたね。

あれがなかったら、私はまだ趣味でアフリカに通っていただけだったと思います。ひろこさんに拾ってもらって今がある、と思っています。

ひろこ:やだ、涙が出る! 私が書かなくても必ず世に出る方だと思っていました。

ひろこ:当時、ナギさんのブログを見つけて、すごく面白いブログだ!って思って。

本当にお会いしたくて、ご連絡をしてみたんです。そうしたら会ってくださって。「こんなに素敵な人!」ということを夢中で書いたのを覚えています。

着物で海外を歩くと、どんなリアクションが?

ナギ:ひろこさんは、着物と洋服の比率はどれくらいなんですか?

ひろこ:実は洋服の方が多いんです。出かける時も、ほとんど洋服。月の半分、着物を着るか着ないか、くらい。

でも、やっぱり写真を撮りに行くときとか、神社仏閣、美術館などに行くときは着物ですね。着物を着ると、洋服で行った時と違う場所のように感じられるので。

着物ひろこさん03

ナギ:着物で来てもらえたら、きっとお店の方も喜んでくれますよね。着物を着ていたら、すごく声をかけられるのでは?

ひろこ:日本では「写真を撮らせてください」と言われることはないんですが、海外だと「写真撮らせて!」とか「それはキモノ?」と聞かれることも多いですね。

見慣れないのか、タイでは特に声をかけられました。ナギさんはどう?

ナギ:私、着物を着て歩いていると日本でも、海外から来られた観光客の方々によく声をかけられるんです。

ひろこ:それ、たぶんナギさんが日本の女優か映画スターだと思われているんじゃないかな? モデルもされていたナギさんだから、きっとそんな気がする!

ひろこ:そういえばナギさんは、黒い服をたくさん着ているイメージがあるんだけど、その理由は?

ナギ:黒を着はじめたのは23歳で、アフリカに行く直前でした。

黒を着るというのは、私にとって鎧のようなイメージ。女性っぽくみられるのが、昔から嫌だったんです。でも、黒い服を身につけていると、男性やキャッチから声がかからなくなりました。

黒が似合う女性が”確立された人”に見えて、私もそうなれるんじゃないかな、と思ったのがきっかけです。

ひろこ:私もお洋服は黒が多いのだけど、クローゼットの引き出しの中が真っ黒で、靴下や下着など着たいものがすぐに取り出せなくて困ってしまうのが悩み……

ナギ:私、服はクローゼットではなく全部ハンガーにかけているんです。だからあんまり困らないかな。それから、靴下はほぼ全部同じもので揃えているので、どれを履いても揃うようになっていて。そもそも、今は屋久島に住んでいるんですけど、島だと靴下を履かないから困りません(笑)。

ひろこ:ナギさん、今は屋久島で生活をしているんですよね? その話もいろいろ聞きたいな。

まなぶ

着物ひろこの着付けTips

ナギさんが屋久島で生活をし始めたきっかけ、そして着物と「民族」のお話しは、来月公開の後編をお楽しみに。

構成・文/山本梨央
撮影/伊藤圭
スタイリング・着付け(ヨシダナギ)/大竹恵理子

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