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京都とアユタヤ、2つの古都が織りなす『デュシタニ京都』前編【YouTube連動】「紗月がゆく!着物で行きたい京の宿」vol.3

京都とアユタヤ、2つの古都が織りなす『デュシタニ京都』前編【YouTube連動】「紗月がゆく!着物で行きたい京の宿」vol.3

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紗月さんも気になっていたタイ発のラグジュアリーホテル『デュシタニ京都』。京都とアユタヤという2つの古都の伝統が融合したホテルの魅力を、紗月さんがご紹介します!

よみもの

紗月がゆく!着物で行きたい京の宿

日本とタイのおもてなし文化が交差するホテルへ

MCの紗月さん

日本の伝統文化や歴史が息づく千年の古都、京都。世界中から多くの観光客が訪れるこの街には今、さまざまなコンセプトを持った新しい宿泊施設が生まれ続けています。

祇園甲部で10年間、芸舞妓として人気を集め、引退後は本名の「るな」で活動中の紗月さんがMCを務める新企画「紗月がゆく!着物で行きたい京の宿」。

思わず着物で行きたくなる京都の宿を紹介します。

今回、紗月さんが訪れるのは、世界遺産である京都・西本願寺の門前町にある『デュシタニ京都』

『デュシタニ京都』の看板

タイを代表するホテルブランド『デュシタニ』の日本進出一号店として、2023年9月にオープンしたばかりのラグジュアリーホテルです。

何かとタイにはご縁のある紗月さんも以前から噂を耳にし、気になっていたそう。

京都にいながら異国情緒を味わえるホテル……とのことで、今回はどことなくアジアンテイスト?!な豪華な訪問着でご登場いただきました!

濃い葡萄茶(赤茶色)と芥子色で雲取りに染め分けた絹地に、絞りとカチンにて表現された花々の柄ゆき。

ゴールドをふんだんに用いたコーディネートは華やかで、どこかエキゾチックなムード。

『デュシタニ京都』が掲げる「京都の伝統とタイの洗練されたホスピタリティの融合」というコンセプトにもぴったりです。

絞り染めと友禅で梅や菊の花々が表現されている

通常、表生地と同色がつけられることが多い八掛(裾まわし)が真っ赤なのもポイント!鮮やかに……太陽の光が燦々と降り注ぐ南国タイの景色を髣髴とさせます。

歩くたびに見え隠れする真っ赤な八掛けがポイント

こちらの素敵な装いで、わくわくしながらホテルへと歩みを進める紗月さん。

さぁ、どんな光景が広がっているのでしょうか。

京都とアユタヤ、2つの古都の伝統が織りなす館内

ホテルのロビー。尊敬の念を表すタイの花輪をイメージしている藍染めの布が天井から吊り下げられている

ホテルのロビーラウンジ。尊敬の念を表すタイの花輪をイメージした藍染めの布が天井から吊り下げられている

エントランスを抜けてロビーに入ると、そこはもはや異世界。さっそく日本とタイの融合を感じさせる洗練された美しい空間に、思わず言葉を失います。

紗月さんも圧倒されつつ……

『デュシタニ京都』総支配人・山下誠さんにお話しを伺います!

館内の美しさに圧倒される紗月さん

タイの大手ホテル・不動産開発会社「デュシット・インターナショナル」が2023年にオープンした2軒のホテルを統括する山下さん。

『デュシタニ京都』の総支配人・山下誠さん

2023年6月に四条烏丸エリアで開業したライフスタイルホテル『ASAI京都四条』に続き、2023年9月にオープンした『デュシタニ京都』はちょうど取材時に一周年を迎えました。

『デュシタニ京都』の客室

一周年を記念して制作された『デュシタニ京都』の団扇。宿泊者に配布されている

タイをはじめ、世界各国でホテルやリゾートを5つのブランドで展開する『デュシタニ』。

創業75年を超える長い歴史を持つホテルが日本初進出するにあたって選ばれたのは、ここ京都でした。

ホテルに限らず、海外ブランドが日本に進出するとなれば、多くの場合一号店を構えるのは東京あるいはその近郊。そんななか、『デュシタニ』が京都を選んだ最大の理由はその”土地柄”。

ご存知の通り、京都は千年あまりに渡って都が置かれた場所。今なお日本の文化と歴史を最も身近に感じられ、なおかつ同じくタイの古都であるアユタヤとの親和性も高い。

したがって、日本とタイの伝統が一番発揮できる場所という理由で京都にオープンすることになったのです。

デュシタニが京都にオープンした経緯について聞く紗月さん

また京都は世界的に注目度も高く、海外からの観光客も多いため、よりたくさんの方に『デュシタニ』を知ってもらうという意味でも最適な場所でした。

ロビーには、舞妓さんの舞や茶道などを楽しめる茶室スペースも

ロビーには、舞妓さんの舞や茶道などを楽しめる茶室スペースも

日本とタイ、なかでも「京都」と「アユタヤ」という独自の文化を守り続けている2つの古都に対する敬意が至るところに感じられるこちらのホテル。

館内はゴージャス!で、ラグジュアリーホテルならではの特別感もありつつ、一見すると外からはホテルとは思えない町家風の落ち着いた造りになっているのもその特徴です。

木製の縦ルーバーが印象的な町家風の外観

木製の縦ルーバーが印象的な町家風の外観

というのも、元々ここは150年続いた伝統と格式のある植柳しょくりゅう小学校が建っていた場所だったのでした。かつこの地域一帯は眺望景観保全地域に指定されており、世界遺産の西本願寺からもほど近く。

そんな地元の人々の手によって大切に守られてきた街並みを損なわないような工夫がなされているのです。

タイ人の目線が入った日本的でモダンな客室

お話を伺ったあとは、さっそく館内を散策。

108平米の広々とした室内

108平米の広々とした室内

最初に山下さんが案内してくださったのは、147室ある客室の中でも特に日本らしさを感じられる「プリミエスイート」です。

108平米の面積があり、扉を開けるとダイニングテーブルやカウチソファーなどが設えられた広々とした空間が広がっていました。

ソファーに座って庭をゆっくりと眺められる

まず目に入ったのは、客室の奥にある小庭スペース。この日は雨が降っており、庭にある岩が雨に濡れてキラキラと光っていました。

座り心地のいいソファーに腰掛け、季節や天気によって表情を変える庭を眺めていたら、旅の疲れも癒えそうです。

何かに気づいた様子の紗月さん

お部屋で少しくつろいでいると、ふと何かに気づいた様子の紗月さん。

「なんやろこの包みこまれている感じ……」

そこには、ある秘密が隠されていました。

カーブを描いた天井の角

カーブを描いた天井の角

実はこのホテル、アユタヤと京都という2つの古都の建築から発想を得て、仏塔チェディと五重塔の屋根の特徴である「曲線」が各所に採用されているのです。

客室にもほとんど角がなく、天井の端や家具も丸みを帯びたデザインとなっています。そのため、紗月さんも包み込まれる感覚になったのでしょう。

丸みを帯びた盆栽の苔

盆栽の苔も、このようにまん丸。至るところにあるカーブを探すのも、一つの楽しみになるかもしれません。

全室に素材選びからこだわったシモンズのベッドを採用

続いてはお隣のベッドルームへ。思わず飛び込みたくなるような大きなツインのベッドが並んでいました。

このホテルでは全室でシモンズのベッドを採用。素材選びからこだわっており、ふかふかで肌触りの良いベッドで朝までぐっすり眠ることができます。

畳が敷かれた小上がりのスペース

そして、ベッドの目の前には珍しい小上がりのスペースが。

畳の上に座椅子と丸テーブルが置かれていて、足を伸ばしてゆっくりできるのが魅力。こちらも小窓があるので、セットされたお茶とお菓子をいただきながら庭を眺めていると時間を忘れそうです。

2人並んで支度ができるほどの広々とした洗面台

やはり京都に来たからには、日本の良さを感じてほしい。その一方で、タイ発のラグジュアリーホテルならではの魅力も出していきたい、ということで、バランスには特にこだわったそう。

イメージしたのは「タイ人が考える日本」。

そのフィルターを通しているため、日本的でありながら、海外の方も肩肘を張らずに過ごせる、モダンでおしゃれな雰囲気に仕上がっているのです。

室内のデザインについてこだわりを聞かせてくれた山下さん

「京都の何千年という歴史を感じつつ、タイの、良い意味での”スローな時間の流れ”を味わってほしい」

と山下さんは言います。まさに”日本とタイの良いとこどり”な空間を皆さんもぜひご堪能ください!

4つのレストランに囲まれた吹き抜けの庭

地下1階の中庭

続いては、ホテルの目玉でもある中庭を案内していただきました。

前述したように、この地域は眺望景観保全地域に指定されているため、景観保全の観点から建物の高さは15mまでと決まっているのです。

上階まで吹き抜けのため、十分な光が差し込む

実は地下1階!というこちらの中庭

そのため、地面を約15m掘削し、地下2階・地上4階建ての建物となりました。

中庭は地下1階の吹き抜け空間に設けられており、たっぷりと光が差し込む広々とした開放感のあるスペースとなっています。

下から上を眺めるというのは、他ではなかなか味わえない貴重な体験です。

紅葉間近の青々とした紅葉

中庭は、季節や時間帯によって印象が変わるのもその醍醐味。撮影時はまだ青々としていた紅葉も、もう少し秋めいてくると真っ赤に染まります。春には桜も楽しめるのだとか。

また屋外なので、秋は夜になると鈴虫やコオロギが合唱を始めるそうです。まさに五感が刺激される中庭となっています。

レストランの特徴について話す山下さん

また、この中庭を囲んでいるのが4つのレストランです。

それぞれ特徴があり、朝から夜まで開店しているオールデイダイニング『Kati(カティ)』では、タイ料理や日本食はもちろんのこと、世界各国のエッセンスを取り入れた料理を味わうことができます。

話を聞いているだけでお腹がすいてきた紗月さん

シェフズテーブル『Kōyō 紅葉』は、二十四節気にインスピレーションを受けた料理が提供される、このホテル唯一の鉄板焼きスタイル。京都の野菜など旬の食材が目の前で調理される光景も含めて、楽しめそうです。

お料理を楽しんだ後は、隠れ家的なバー『Den Kyoto(デン キョウト)』で大切な人とのひと時を過ごすのもいいかもしれません。わざわざ外に出なくても、このホテルの中だけで完結するのも嬉しいポイント。

そして、やはり大人気なのは、タイの空気を最も感じられるシグネチャーレストラン『Ayatana(アヤタナ)』です!

タイ料理を堪能する紗月さん

『Ayatana』にてタイ料理を堪能する紗月さん

こちらでは、タイの伝統的なスタイルである、スパイシーな中にエッセンスが香るお料理の数々が味わえるとのこと。

話を聞いているだけでもお腹が空いてきた紗月さん。

次回はその『Ayatana』で、シェフにお話を伺いながらタイ料理を実食します!

紗月さんファン必見!オフショット

外はあいにくの雨ですが、今日も元気よく撮影スタートです!

外はあいにくの雨ですが、今日も元気よく撮影スタートです!

黄色い花の装飾に魅せられた紗月さん

黄色い花の装飾に魅せられた紗月さん

インタビュー中のキリッとした表情も素敵!

インタビュー中のキリッとした表情も素敵!

ホスピタリティ溢れるお部屋に紗月さんもにっこり

ホスピタリティ溢れるお部屋に紗月さんもにっこり

タイと日本の文化が融合した客室と、どこかエキゾチックな着物との相性も抜群でした
京都きもの市場 着物宅配レンタル フルセット27,500円(税込)

館内を案内してくださった山下さん、ありがとうございました!

館内を案内してくださった山下さん、ありがとうございました!

文章/苫とり子
撮影/弥武江利子

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